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人生作か問題作か…「私のおじさん」の癒しが惜しい理由

    物議と癒しの間で、きっ抗とした対立を続けた『私のおじさん』が最終回を迎えた。

    去る17日午後に放送されたtvNの水木ドラマ『私のおじさん』(脚本パク・ヘヨン、演出キム・ウォンソク)は重い人生に疲れて一日一日を耐えてきたイ・ジアン(IU扮)が新しい人生を生きる姿が描かれた。穏やかな表情で微笑むイ・ジアンの姿は『私のおじさん』視聴者のすべてが望む結末だった。

    この日、イ・ジアンはパク・ドンフン(イ・ソンギュン扮)とその周辺の人たちから受けた癒しを踏み台として新しい生活を始めた。さらに明るくなった服を着て、人々と一緒に過ごすことを学び、声を出して笑うことが出来るようになった。

    それぞれの場で、前とは異なる姿で生きていたイ・ジアンとパク・ドンフンは偶然に遭遇し、お互いの安否を尋ねて微笑んだ。そして「ジアン(至安)、安らぎに至ったのか」というパク・ドンフンの問いにイ・ジアンは確信に満ちた声で「はい」と答えて、彼らが交わしていた癒しが完全な治癒として完成したことを示唆した。

    『私のおじさん』はこのように16部作という長い時間、つらい人生のせいで自分以外の人間に関心を持つ余裕すらなかったイ・ジアンがパク・ドンフンから受けた慰めを通して成長して、癒される姿を描いた。ト・ジュンヨン(キム・ヨンミン扮)に「人が人を好きになることがどんなことか知っているの?」と問うイ・ジアンの姿は自分だけの壁を壊して、人を愛するようになったイ・ジアンの内面の成長をよく見せてくれた部分だった。

    『ミセン-未生-』を通じて社会に足を踏み出した若者たちが経験する悩みを細かく観察して慰めを伝えたキム・ウォンソクPDは、『私のおじさん』を通じてもう一度その慰めを完成させた。ここに現実的な響きを与えるセリフで『また!?オ・ヘヨン』を成功に導いたパク・ヘヨン作家のセリフが加わったのだから『私のおじさん』の慰めの成功は当然の結果だったのかもしれない。その結果、『私のおじさん』は多数の視聴者に「人生作(人生において最も印象深い作品)」という好評を得て終了した。

    だからだろうか。『私のおじさん』が序盤に醸した物議はさらに大きな心残りとなった。序盤に提起された2人の主人公の年齢差の問題と女性に加えられる男性の暴力的な態度などが解決されずにドラマは終わった。恋愛ではないと主張したが20歳以上の年の差がある2人の男女の友情を「慰め」という言葉でのみ定義するには、現実の問題が与える偏見の壁があまりにも高かった。ヤミ金融イ・グァンイルがイ・ジアンに向かって暴力を振るう場面にも「込み入った事情のある関係だ」と説明したが、その理由は暴力に正当性をもたらすには不十分だった。

    序盤の物議はまだ多くの人々の間で議論されている。ユ・ビョンジェは『私のおじさん』の愛聴者だという事実を明らかにしたという理由で謝罪文を作成した。それほどこの物議を不快に感じる視点が大きく存在しているということだ。誰かには「人生作」として、誰かには時代に逆行する「問題作」として残る『私のおじさん』。完璧な慰めでさえ色あせてしまう問題は最後まで解消されなかった。ドラマは終わったが、物足りなさが残る理由だ。
  • シックニュース アン・ヘラン記者 / 写真=tvN放送画面キャプチャ | (C) mk.co.kr | 入力 2018-05-19 04:07:00