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韓政府「アストラ製ワクチン」の接種を続行

    • ワクチン接種後の異常反応の申告現況


    欧州に続き韓国内でも英アストラゼネカ製コロナ19ワクチン接種後の血栓生成を疑う事例が報告されたことが確認された。しかし政府は当該の事例ではワクチン接種と血栓生成のあいだの関連性は証明されなかったとし、ワクチン接種を続行するという立場だ。

    鄭銀敬(チョン・ウンギョン)コロナ19予防接種対応推進団長(疾病管理庁長)は17日、国会で開かれた保健福祉委員会の全体会議で、ワクチン接種後に血栓を生成するかどうかについて「現在は異常反応に関連する事例はなく、死亡事例1件の解剖所見があり、検討中」だとし、「公式の剖検結果が報告されてはいない」と明らかにした。

    推進団によると、この事例は療養病院の入院患者だった60代の女性患者が予防接種後に死亡届を受理された後、予防接種被害調査班がカルテを検討する過程で血栓症状が発見された事例だ。この患者は先月26日にワクチンを接種した6日後に死亡した。現在は解剖を進めているが、通常の基礎疾患に長いあいだ苦しんでいたので、ワクチン接種と死亡はもちろん、血栓の生成とも直接の因果関係がないと結論を下したと推進団は説明した。

    血栓症とは血管の中で血の固まった塊(血栓)が原因で発生する疾患を意味し、「血栓塞栓症」とも呼ばれる。血栓症があらわれたら血液が血管のなかを円滑に流れず、脳卒中などの重要な臓器が正常に機能できない致命的な症状が現れる。

    最近、オーストリアとイタリアなどで英アストラゼネカ製ワクチンを接種した後に血栓が生成されて死亡したという事例が報告され、独・仏、伊など20カ国が予防の次元でワクチン接種を一時中断した状態だ。去る11日の時点で、欧州経済地域でアストラゼネカの予防接種を受けた約500万人のうちで血栓塞栓症を報告した事例は30件だ。

    今回の死亡事例と関連し、コロナ19予防接種対応推進団予防接種被害調査班のキム・ジュンゴン班長(ソウル医療院小児青少年科教授)は「医務記録上、他の死亡原因を疑うことができる所見を持っておられた」とし、「予防接種のほかに異なる原因で死亡し、ワクチンとの因果関係はないとの結論を下した」と明らかにした。

    被害調査班によると、当該の死亡者に初めて接した医療スタッフは死亡原因を誤嚥性(吸引性)肺炎と見た。その後に被害調査班が追加資料などを収集した結果、急性心筋梗塞に対応する所見も発見された。被害調査班は血栓が喫煙や薬物服用など日常生活でよく現れる疾患であるだけに、ワクチンとの関連性を憂慮して過度に恐怖心を持つ必要はないという立場だ。 2016年に発表された海外の統計を見ると、人口10万人当たり100人以上から血栓症が発生することが知られている。年齢が高いほど血栓の発生頻度が高くなり、80代の発症率は人口10万人当たり500人以上だ。

    キム班長は「血栓の発生は、生活の中で頻繁に接する現象で横になっていたり、あるいは飛行機に乗って長時間旅行すると現れることもある」とし、「英国の事例を見ると、予防接種者と一般人の間に血栓発生の統計差はない」と説明した。この日の予防接種対応推進団は死亡事例の説明とともに、「現在はアストラゼネカ製コロナ19ワクチンの予防接種を中断する明確な根拠がなく、わが国は当初の計画通りに接種する」と公式に立場を明らかにした。

    世界保健機関(WHO)は最近、アストラゼネカワクチン接種後の血栓発生は予防接種によるという兆候はないとし、恐怖のために接種を中断しないことを勧告した。また欧州連合(EU)傘下の欧州医薬品庁(EMA)は、オーストリアで発生した2件の血栓症がアストラゼネカワクチンに関連するという根拠がなく、予防接種を受けた人からの申告された血栓症の患者数は、一般的な人口で見られたものよりも多くはないと発表した。

    政府は接種強行の意志を明らかにしたが、変数は残っている。 欧州医薬品庁はアストラゼネカワクチンの接種と血栓の生成関連に対する最終的な結論を18日に発表する予定だ。
  • 毎日経済 | チョン・ジソン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2021-03-17 18:56:43