ニュース > 総合
韓、猛威振るう「デルタ変異」…変異株確定者10人のうち7人
コロナ19の一日当たり確定者が2000人台を遥かに超えたのは、優勢種となったデルタ変異ウイルスの拡散と地方拡散傾向の増加、そして長期化したワクチン不足という「3角波」が手をつないだからだという分析が出ている。
11日、中央災難安全対策本部は定例ブリーフィングで「過去3回の流行とは異なる防疫措置の抑制効果が充分に出ないのは、初期感染力が大きく透過率の強いデルタ変異が優勢種になったうえ、国民の移動量の低減効果が以前のようにはっきりしなかったからだ」と明らかにした。また「いまは夏休みのために地域社会で2・3次伝播が起こっている局面」だとし、「7月末から8月初めの集中休暇の季節に移動量増加の影響で拡散傾向がさらに増加するか、異なる変異を見せるかを今週まで見守る」とした。
■ 猛威振るうデルタ変異
大流行の最大の原因であるデルタ変異は、全国各地で急速に広がっている。一週間の間に発生したすべての感染者のうちから一部をランダム抽出して遺伝子解析を行った際のデルタ変異の検出率は、7月1週めは30.8％に過ぎなかった。しかし3週めには48％と半分に近接しており、8月の第1週めは73.1％に急増した。国内のコロナ19変異感染者のほとんどがデルタ変異にかかったという意味だ。
実際に主要な変異ウイルスに感染した確定者のうち、デルタ変異の確定者数は圧倒的だ。ここ一週のあいだに国内でイギリス、南アフリカ、ブラジル、インドなどに起因した変異ウイルス4種に感染した確定者は計2641人で、このうちデルタ型変異が全体の96.7％（2555人）だった。残りの3.3％は英国由来の「アルファ型」変異（84人）とブラジル由来の「ガンマ型」変異（2人）だった。
ワクチン接種者が感染する「突破感染」事例の多くはデルタ変異であり、ワクチン接種率が上がってもデルタ変異の拡散がおさまらない場合はいまよりも状況はさらに深刻になりうる。政府も「早い時間内に減少傾向に入ることは容易ではないもとみなす」とし、現事態の厳重さを認めた。
さらに非首都圏の確定者の割合までが急速に増えている。先月18日の非首都圏確定者の割合は31.6％だったが、8月10日午前0時の時点で44.6％へと大幅に上昇した。夏休みを迎えて地方に移動した人口が多く、防疫に対する警戒心が緩んだ状況であることから、非首都圏の確定者の割合はさらに増える可能性がある。首都圏の「距離の確保」を第4段階に強化して、非首都圏を3段階に維持したことが「風船効果」をもたらしたという指摘もある。
ワクチン不足による接種率の遅れもまた、見過ごすことができない要素だ。 7月分のモデルナワクチン65万回分が到着しておらず、8月も850万回分の半分だけが供給されるなどワクチン需給難が持続して、拡散傾向に油を注いでいる。ノヴァバックス製ワクチンも下半期に4000万回分を契約したが、年内の導入はすでに不可能だ。
一部ではこのような状況は1ヶ月前に予想できたにもかかわらず、政府が手をこまねいていたのではないかという指摘が出ている。政府は先月12日、8月中旬までにコロナ19の一日あたり新規感染者は2300人まで増加すると予想した。
■ 「距離の確保で」時間稼ぎ
防疫の専門家らはデルタ変異の拡散傾向に比べて距離の確保措置が弱いと見ており、さらに強力な防疫措置を注文している。嘉泉大学キル病院のオム・ジュンシク感染内科教授は「デルタ変異の拡散に比例して、距離の確保の段階を今よりも大幅に上げなければならない」とし、「いまは物理的な距離を置くの強化以外に可能な措置は事実上は皆無」だとした。
チョン・ジェフン嘉泉大学予防医学教授は「第4段階の措置で時間を稼ぐあいだにワクチン接種率をはやく高めなければならないが、このようにできなかったことが裏目に出た」とし、「デルタ変異が最も大きな原因だと見ており、ワクチン接種率をできるだけ早く引き上げなければならない」と語った。
一方、文在寅（ムン・ヂェイン）大統領はこの日、青瓦台の参謀会議に出席して「最近の確定者数の増加はデルタ変異の拡散による全世界的な現象で、韓国はまだ他の国よりも相対的に良い状況を維持してはいる」と言いながらも、「いままで成功裏の防疫の主人公である国民の協力をいま一度お願い申し上げ、政府も感染の拡大状況を安定させるために最善の努力を尽くす」と語った。- 毎日経済 | イム・ソンヒョン記者/キム・シギュン記者 | 入力 2021-08-11 19:00:29
