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尹錫悦大統領、金正恩に警告状「北韓の重大な挑発は孤立を招くだけ」
- 尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が25日、北韓がバイデン米大統領の帰国の途に弾道ミサイル武力デモを繰り広げたことを「重大な挑発」と規定し強く批判した。
[写真提供=合同参謀本部]
同日、大統領室は大陸間弾道ミサイル(ICBM)と短距離弾道ミサイル(SRBM)を混ぜて発射した北韓(北朝鮮)の今回の挑発が韓米両国にメッセージを伝えたものであり、これは深刻な挑発だと認識する」と述べ強硬対応を約束した。同日、北韓はジョー・バイデン大統領が韓米首脳会談とクアッド首脳会議を終えて帰る時間に合わせてミサイルを発射し不意を打った。過去とは全く違う挑発の様相だ。大統領室は北韓が韓国の6月1日の地方選挙など大型政治イベントを控えて挑発に出たことにも注目した。
同日の午前6時3分頃、尹大統領は北韓挑発関連の報告を受け約10分が過ぎた時点で金聖翰(キム・ソンハン)国家安保室長の追加報告を聴取した。以後7時30分、国家安全保障会議(NSC)が招集され7時35分頃に会議が始まり午前8時38分に終了した。同会議は尹大統領と金聖翰室長をはじめ、金大棋(キム・デギ)大統領秘書室長、朴振(パク・ジン)外交部長官、権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官、李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官、金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室1次長、シン・インホ2次長、クォン・チュンテク国家情報院1次長などが参席した。
会議終了後、大統領室はNSC会議関連の報告とともに北韓を糾弾するメッセージを盛り込んだ政府の公式声明も発表し北韓の挑発に強く対応する姿を見せた。声明で尹錫悦政府は「北韓が今日、大陸間弾道ミサイル(推定)と短距離弾道ミサイルを相次いで発射したのは、国際連合安全保障理事会決議を真っ向から違反した不法行為であり、韓国と国際社会の平和を脅かす重大な挑発だ。政府はこれを強く糾弾する」と述べ、さらに「北韓の持続的な挑発は、より強力かつ迅速な韓米連合の抑制力に帰結せざるを得ず北韓の国際的孤立を招くだけだ」と明らかにした。続いて「政府は北韓のいかなる挑発にも強力かつ効果的に対応できる常時対応態勢を整えており堅固な韓米同盟を土台に大韓民国の安保と国民の安全を守る実質的措置を取っていく」とし「北韓は国際連合安全保障理事会決議を遵守し韓国の平和定着のための対話に応じることを促す」と声を高めた。
金泰孝次長は「新政府が韓国と米国の協力の下、北韓の軍事行動に対する3つの原則を立てた」と述べた。これらの原則には、△北韓の発射体について正確に記述し、△北韓の軍事措置があった場合、必ず相応措置を実行し、△韓米軍事協力態勢を守りながら国連を含め国際社会と緊密に協力し今後の状況を管理するという内容などが盛り込まれたと金次長は説明した。
大統領室は前日の24日午後から北韓の挑発の兆候を捉えたという。金次長は「昨日の午後に事前に報告し点検準備をしており、今日(25日)挑発の可能性が最も高いと報告した」と説明した。また「単に北韓がこれまで行ってきた核ミサイル能力の改良過程という側面もあるが、差し迫った大韓民国の国内政治日程に介入しようとする試みではないかという気がした」とし、6月1日の地方選挙に言及した。さらに「新政府の安保対応態勢を試そうとする意図があると考えることもでき韓国と日本の歴訪を終えて帰国の途についたバイデン大統領が、自国本土の領空に進入する時点と同じ時期に挑発したことは、韓国と米国に投げかける戦略的メッセージだと考えた」と明らかにした。
韓米間の緊密な協力体系の構築も再び強調された。尹大統領は「韓米首脳間で合意された拡張抑止の実行力と韓米連合防衛態勢の強化など実質的措置を履行していかなければならない」と指示した。
ただ、金次長は拡張抑制の実行と関連して韓米首脳間で合意した戦略資産の展開部分については、今後の韓米協議を通じて具体的な計画を立てるべきだという趣旨の説明を出した。そして「核兵器を含む米国戦闘機、潜水艦、航空母艦などすべてが(戦略資産の展開に)含まれる」としながらも「しかし、今のところ計画があるわけではない。ここ数年間、中断されていた拡張抑制関連の図上(訓練)演習は、細部事項を点検しながら進めるのが最も実体的な準備事項だ」と話した。 - 毎日経済 | パク・イネ記者/キム・ソンフン記者 | 入力 2022-05-25 17:52:44