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環境部の「日産が違法操作」発表で波紋…専門家も意見が交錯
環境部「吸気温度を意図的操作」対 日産「昨年に申告・認証済」
- 日産製ディーゼル車「キャシュカイ」が排出ガスを違法操作したという環境部の発表で波紋が広がっているなか、日産側は不法操作ではないと否定した。排出ガスの違法操作であるかどうかをめぐり、双方のあいだの攻防戦が展開している。韓国日産は16日、環境部がディーゼル車「キャシュカイ」の排出ガス操作を確認したと発表した後、自社のホームページに「排出ガスを操作したことはない」と主張した。
< ディーゼル車の排気ガス排出の原理 >
専門家らの間でも、日産側の任意操作かどうかに対する意見が交錯して論議がおきている。国際訴訟に飛び火する可能性も高まっている。
今回、環境部がまず問題としたことは、キャシュカイの排気ガス再循環装置(EGR)が、吸気温度35度以上の時に稼動中断するという点だ。環境部はこれを自動車部品の機能を意図的に停止・変調する「任意設定」とみなした。特定の条件で関連する装置の動作が停止する仕組み自体は、フォルクスワーゲンの違法操作と同じだ。ところが内容を見てみると、2つの事件にはかなりの違いがある。
フォルクスワーゲンは希薄窒素触媒装置(LNT)が問題になった。 LNTは触媒を活用して窒素酸化物(NOx)を集めた後、フィルターで保存する方式の排気ガス低減装置だ。しかし、フォルクスワーゲンLNTはテスト環境でのみ動作し、通常の走行では燃焼されないNOxが放出された。自動車の電子制御装置(ECU)関連のソフトウェアでLNT動作を制御することがフォルクスワーゲン事件の要諦だ。
キャシュカイで問題となったのはEGRだ。ディーゼル車からの窒素酸化物をろ過する装置はEGRやLNT、SCRなどいくつかの方法があるが、この中で最も基本となるのがEGRだ。 2010年以後に生産されたほぼすべてのディーゼル車が基本的に内蔵している。排気ガスの一部を燃焼室に流入させ、燃焼室の温度を下げることでNOxの排出量を抑える。一度燃焼したガスは酸素量含有量が少なく、再燃焼するときに窒素酸化物の生成を減らす原理だ。
キャシュカイにはフォルクスワーゲンで問題になった「不法ソフトウェア」のようなものは登場しない。特定の温度以上でEGR動作が停止することは、キャシュカイだけの特性でもない。
EGRの動作はエンジン吸気口を加熱させる問題があるため、EGRを装着したすべての車両は、吸気温度が一定のレベル以上の場合にEGRの動作が停止するように設定されている。
キャシュカイが問題になったのは吸気温度の設定値が35度で、他の車両に比べて非常に低いという事実だ。環境部によると、国内で市販されているディーゼル車の吸気温度の設定は平均45~55度だ。キャシュカイは設定値が低く、走行中にEGRの動作が停止する頻度が他の車両に比べてはるかに多い。
吸気温度35度は、周囲温度が20~25度のときに30分ほど走ると到達するレベルだ。周囲温度が30度を超える真夏であれば、吸気温度はほぼ常に35度以上の可能性が高い。その結果、キャシュカイの屋外NOx排出量は、室内認証基準の21倍の試験対象車両の中で最も高かった。
ここで解釈の問題が発生する。
環境部は「吸気温度35度は走行で一般的に発生する温度で、通常の運転条件で排出ガス部品の機能低下を禁止した任意設定の規定に違反した」と判断した。調査の過程で、環境部の諮問に応じた自動車専門家らも「事実上のぎまん行為」だという意見を示したという。
しかし別の見方もある。テリム大学のキム・ピルス教授は、「吸気温度設定を何度以上にしなければならないという明示的規定はどこにもなく、すべての自動車の温度設定はまちまち」だとし、「それならば、何度以上は合法で何度以下では違法だという判断の根拠は一体何か」と反問した。
日産側は昨年11月、環境部傘下の交通環境研究所の認定試験に通過した当時の関連書類を通じて、吸気温度35度以上の時にEGR稼動が中断することを明らかにしたと主張した。交通環境研究所は当時、特に問題を提起していなかった。
これに対して環境部の関係者は、「車両認証は該当のメーカーのテスト結果を尊重して、基準に符合すれば通過するシステム」だとし「当時、日産は実道路走行時の窒素酸化物の排出が基準値を満たしているというテスト結果を提出したが、事後検証の過程で事実ではないことが確認されたもの」だと反駁した。
日産側は環境部の措置をそのまま受け入れる雰囲気ではない。
カルロス・ゴーン日産自動車最高経営責任者(CEO)は16日、日本のマスメディアとのインタビューで「私達はどんな不正もしなかった」と主張した。
日産は十日間行われる調整期間中、解明に全力を尽くす計画だ。このため、日本本社の研究開発の専門家2人が入国した。
しかし現在は政府が日産側の意見を受け入れる可能性は高くない。その結果、課徴金や販売停止、リコール命令などが実行に移されると、日産本社のレベルで法的対応に乗り出す可能性が予想される。このことから、国際的な訴訟戦に飛び火する可能性も排除できない状況だ。 - 毎日経済_ノ・ウォンミョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-05-17 21:41:59