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北韓、サード配置発表6日めに弾道ミサイル3発を発射

「サードで国論分裂」に照準 

    • < 北韓の主要なミサイルの現況 / 北ミサイルの射距離の範囲 >

    政府が高高度ミサイル防衛システム(THAAD/サード)を慶尚北道の星州(ソンジュ)に配置すると発表してから6日後に、北韓(北朝鮮)はスカッドミサイルとノドンミサイルと思える弾道ミサイル3発を発射した。北韓が11日に発表した「サード地域が確定される時刻から物理的な対応措置」を、この日実行に移したわけだ。北韓が射程距離600キロメートルの弾道ミサイルを発射したのは、北韓が保有する中・短距離弾道ミサイルで慶北・星州を打撃できる能力を誇示するための意図とみられる。

    韓民求(ハン・ミング)国防部長官は19日に国会で、北韓の挑発に対して「サード賛否論争を狙ったもの」だとし、「ミサイルの発射が星州を狙ったというのは誰も確定できない話だが、北韓がサードと関連したさまざまな国内の賛否論争とか、このようなものを狙った一種のデモ性挑発」だと述べた。

    星州が北韓の打撃目標だということが確認され、現地のサード反対世論はさらに高まる可能性を排除できない。電磁波リスク論議に続き、北韓の攻撃目標になることがあるという点から、住民の不安心理が大きくなる可能性があるからだ。北韓がこの点を狙って、「南南葛藤」を誘発するために武力挑発を敢行することもありうる。

    ミサイルが発射された北韓の黄海道・黄州(ファンジュ)からサードが配置される慶北・星州までの直線距離は380キロメートルで、北韓が「星州サード」に対する打撃能力を見せようとしたというものだ。合同参謀の関係者は、「星州はもちろん、釜山まで韓国全地域を目指して打撃できる十分な距離」だと述べた。軍関係者は、「北韓が物理的対応措置を公言したため、北韓の動向を注視していた」と述べた。

    北韓はサード配置に対する反発や武力示威の一環として弾道ミサイルを発射したと見られるが、逆説的に北韓の今回のミサイル発射は、サード配置の必要性を浮き彫りにするものと予想される。

    軍関係者は、「スカッドミサイルは北韓が星州などを打撃するために動員する可能性が最大の武器」だとし、「サードが配置されるとパトリオットとともに、スカッドミサイルに対応した多層要撃システムを構築できる」と述べた。

    韓・米の軍当局は、首都圏以南に対する北韓の弾道ミサイル攻撃に対しては、従来のパトリオットとサードで多層防御体制を構築する計画だ。サードの迎撃高度(40~150キロメートル)は、パトリオット(15~40キロメートル)よりも高い。北韓がスカッドミサイルを発射すればサードで迎撃を試み、もし失敗した場合にはパトリオットで再迎撃を試みることができる。しかし北韓は現在、1000機前後の弾道ミサイルを保有していると伝えられた。北韓が同時に多数のミサイルを発射すれば、迎撃には限界がある。

    北韓はサードをめぐる南南葛藤を助長するために、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射することで、追加の挑発を行う可能性も提起されている。サードは配置地域の後方から飛んでくるSLBMを迎撃するには限界があるからだ。実際に、北韓は韓・米のサード配置決定を公式に発表したすぐ翌日の9日、東海でSLBMを発射した。

    SLBMが実戦配備された場合、深い海から密かに起動する潜水艦から発射されるので、サードの迎撃システムが瞬時に反応しにくいことが分かった。

    北韓はこれとともに、サード配置に反発して5回目の核実験を強行する準備も行っていることが分かった。最近、北韓の豊渓里(プンゲリ)核実験場の近くには計測装置が設置され、人員と車両の動きも活発になったと軍当局は把握している。一方、米国政府も北韓のミサイル発射を糾弾し、韓・米間で外交的措置を取っていくことにした。
  • 毎日経済_アン・ドゥウォン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-07-19 20:01:34