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「アイリス」と呼ばれた韓国人麻薬女王

ベール包まれていた41歳女、国内ヒロポン供給「大手」 

  • 「モバイルメッセンジャーで『アイリス』とチャットした後、薬物が配送されました」

    昨年6月に時価約600万ウォン分のヒロポンを買収した疑いで拘束されたH氏の口から、また「アイリス」という人物が言及された。アイリスは既に麻薬事犯者から複数回、「海外に居住する供給者」として議論されたベールに包まれた人物だ。先立って昨年2月に起訴され、懲役2年6月カ月に執行猶予3年の判決を受けた女性K氏も、アイリスから麻薬である「エクスタシー」を受け取ったと供述した。

    アイリスが関与した麻薬事件で正式判決を受けたものだけでも4件で、少なくとも約1000回の投薬量だ。このほかにもアイリスは数多くの事件にかかわったと考えられ、検察と国内の麻薬商の間で「大手」、「麻薬女王」として名を馳せた。通常ヒロポン1グラム当たりの小売価格は30万ウォン、卸売価格は10万~20万ウォン線で取引されている。アイリスは20万ウォン以下の価格で供給し、中間問屋以上の役割をしているように思われるというのが検察側の説明だった。

    検察は昨年に拘束起訴された国内流通者イ氏(50 / 仮名)も、アイリスから麻薬の供給を受けたものと推定している。イ氏は2014年8月から昨年3月までに、ヒロポンなどの麻薬類を教授・主婦組織暴力団らに約200回販売した疑い(麻薬類管理法違反)などでメディアに特筆大書された。彼は現在、懲役3年を宣告され上告審が進行中だ。

    検察は昨年からアイリスがインターネットとチャットアプリ、国際宅配便などを利用して、国内に送った薬物が少なくとも数億ウォン台に達すると見て彼女を追跡してきた。アイリスは、巧妙に捜査網を避けてきた。郵便物の発送先が、米国、中国、香港と統一されていないうえ、摘発された彼らがアイリスと対面したこともなかったために、追跡に困難を強いられた。アイリスは、オンライン上で薬物流通者と購買者を募集したが、海外にあるサーバーを利用したチャットアプリを活用して、身分の追跡が困難だった。

    国内供給者も、麻薬を住民センターの無人ロッカーに発送しておいて取りに行く、別名「投げ」の手法を使い、完全に五里霧中だった。スマートフォンやソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じた麻薬取引は、会話の記録が残っておらず、販売者と供給者を一度に捕まえる場合はほとんどない。特に、供給者が海外にいる場合は、司法権が及ばず追跡がより困難になるしかない。検察出身の弁護士は、「国内の薬物は、ほとんど海外から入ってくるため、供給者を検挙するのが難しい」とし、「海外の麻薬商は通常取引量が多く、国内流通網に影響を及ぼしかねない」と伝えた。

    しかし、ベールに包まれていたアイリスが、韓米捜査機関の協力で、去る6月にカリフォルニア州ロサンゼルスで逮捕されたと伝えられた。ソウル中央地検強力部(部長検事イ・ヨンイル)が1年余りにわたる追跡の末、アイリスを韓国人J氏(41 / 女性)として特定した後、米国麻薬取締局(DEA)・強制追放局(ERO)などと一緒にあげた快挙だった。検察は最近、法務部を通して犯罪人引渡請求などの公式手続きを踏んでおり、アイリスは早ければ9月頃に国内に入国し、本格的な検察の調査を受けることになる見通しだ。アイリスが送還された後、活動組織と現地の供給先が明らかになるかにも関心が集中する。
  • 毎日経済 チョン・ジュウォン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-08-30 04:01:05