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露の天然ガス「三国志」…韓、中・日に後れを取る

    △写真=辛重鎬(シン・ジュンホ)韓国地質資源研究院長(右から2人め)は29日、国会議員会館で開かれた韓・ロシア天然ガス協力のための政策討論会で発表をしている。 [キム・ホヨン記者]

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は来月6~7日、ロシアのウラジオストクで開かれるロシア政府主催の東方経済フォーラムで、ロシアとの経済・外交協力の本格的な始動をかけることで、天然ガスをはじめとするロシアの資源市場攻略に対する関心が高まっている。

    去る29日、国会で宋永吉(ソン・ヨンギル)共に民主党議員、毎日経済新聞、(社)平和と暮らしの問題研究所、暮らしの問題解決のための議員研究会の共同主催で開かれた「韓国・ロシア天然ガス協力のための議論」政策セミナーで、参加者らはエネルギーの安定確保のために、韓国はロシアの天然ガスの確保を急がなければならないと声を高めた。

    この日の政策セミナーには、宋永吉(ソン・ヨンギル)北方経済協力委員長、禹元植(ウ・ウォンシク)共に民主党院内代表、朴炳錫(パク・ピョンソク)議員、尹官石(ユン・グァンソク)議員、金漢正(キム・ハンジョン)議員、パク・チョン議員、申東根(シン・ドングン)議員、李鍾九(イ・ジョング)正しい政党議員、黄鎭澤(ファン・ジンテク)韓国エネルギー技術研究院長、辛重鎬(シン・ジュンホ)韓国地質資源研究院長などが参加し、熱い議論を繰り広げた。

    ソン・ヨンギル議員は「韓国がガスを輸入する国はオマーン、カタール、米国、ロシアなど7~8カ国に達し、実際に最も近いのがロシアのサハリンだ。韓国の総消費量は3200万トンだが、最も近くて安定して供給を受けることができ、運搬コストを減らすことができるサハリンは200万トン程度で10%にもならない」と両国の協力を強調した。

    ◆「韓、中国、日本に遅れを取って」

    この日の参加者は、中国・日本の産業界がロシア極東地域のガス資源確保のために積極的に飛び込んだだけでなく、それぞれの政府も財政的な支援を行うという点を指摘した。イ・フンボク韓国ガス公社E&P事業処長は、「ロシアは周辺国へのガス輸出を多様化し、極東・シベリア地域に韓国が参加することを望んでいる」とし、「韓国もまたエネルギー源の確保と関連産業の進出が可能だ」と強調した。

    中国は石油・ガス資源供給先の多角化と安定供給のため、ロシアとのエネルギー協力に乗り出している。日本もまた政府支援を土台に、ロシア攻略に積極的に乗り出している。日本の場合、サハリン2鉱区LNGプロジェクトで三井や三菱が22.5%の株式を投資するなど、LNGプラントエンジニアリング及び設備の建設に参加している。

    一方、韓国はこれまで政府間交渉を進める「カウンターパート」も存在していないなど、ロシアの天然ガス市場の攻略に事実上は手をこまねいているという指摘を受けている。国内企業もまたロシアの資源市場にずっとドアをノックし続けているが、対ロシア外交が注目されないことから、官民合同で事業を推進する中国・日本には遅れざるを得ないということだ。

    パク・チョン民主党議員は「ロシアでは副総理級で極東開発国を行ったが、中国・日本とは異なり韓国ではカウンターパートすらなかった」とし、「今回の北方経済協力委員会が副総理級で構成されて、ロシアもとても興奮している」と明らかにした。

    サムスンエンジニアリングのチョン・チャンソル副社長は、「中国・日本の事例のように、ウラジオストクにLNGプロジェクトへの参加を通じ、国内に安定して導入する案が代替として検討されたらと思う」とし、「日本のように国家レベルの大々的なプロジェクトを通じて資本調達ができれば、韓国のEPC(大型建設プロジェクトやインフラ事業契約を獲得した事業者が、設計・部品調達から工事までをワンストップで提供する形態)企業がLNG液化プロジェクト市場のカルテルを破り、新規に参入できる絶好の機会となりうる」と強調した。

    ◆ 北のリスクには慎重

    韓国がロシアからのガスパイプを陸路で接続する場合は北韓を通るしかないことから、このセミナーでもこの部分に対する議論が続いた。

    ソウル大のキム・テユ教授は、「韓半島を貫通する天然ガスのパイプラインができると、むしろ韓半島をより安全に保つことができる」とし、「これを通じて先進国から韓国にたくさん入ってきて投資が行われれば、北韓はぜったい韓国に核を撃つことができない」と明らかにした。またキム教授は「北韓はパイプラインを絶対に壊すことはない。中国も同じだが、ロシアとウクライナの分割事態からみるように、ロシアと中国は自国の利益に手を出すことを決して許さないため、北韓も簡単に手を出すことはできない」と強調した。

    ただしほとんどの専門家らは、国際社会が協調して対北圧迫を高めることを見逃してはならないと指摘した。ソウル大のシン・ボムシク教授は、「南・北・露のガス・パイプライン事業で北韓を多国間経済協力事業に編入させると改革・開放を促進させ、ロシアの介入を強化し、北韓の予期しない挑発可能性を下げる効果がある」としながらも、「北韓の核・ミサイルに対する国際社会と米国の制裁が進行している局面で、北韓を含むプロジェクトの推進に慎重を期さねばならない。現在の局面では南・北・露の経済協力、韓半島新経済地図が構成するプロジェクトを現実化するよりも、韓・ロの両者の関係に焦点を置くことがもっと必要だ」と述べた。
  • 毎日経済 チョン・ソクファン記者/写真=キム・ホヨン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-08-30 20:44:26