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強力系刑事と80代獨居老人の「押し引き善行」

    △写真=(左から)テジョンドゥンサン警察署所属ホン・サンチョル刑事(37)、パク・チャンソク刑事(36)、チョン・デファンチーム長(54)、キム・ソンヨン刑事(42)、ジョン・ウギュン刑事(35)

    もしも他人の難しい境遇を知って助けたが、相手側もどうにか報いようと努めながら誠意を送ってきたならどうするか。「現代版兄と弟」を連想させる恩返しのストーリーが話題だ。

    先月8日明け方1時、テジョン市タンバン洞にある自動車店舗倉庫で廃車部品盗難申告が入ってきた。テジョンドゥンサン警察署強力6チームのチョン・デファンチーム長が出動し、現場周辺CCTVを検索してすぐに泥棒の首根っこを捕らえたが、明らかになった犯人はファン某(82)氏だった。

    刑事たちは、犯人が高齢である上に被害者もまた処罰を望まず、起訴猶予処分を下した。ところが、刑事たちはファン氏の家を訪ねて行き、容易にその場を離れることができなかった。

    ファン氏が倉庫式一間の部屋で、物乞いした食べ物で一日をほそぼぞと生活する獨居老人だったからだ。刑事たちはその場でポケットから金を全部出し、米と副食を購入しファン氏の家に置いてきた。

    ドゥンサン警察署強力6チームのチョン・デファンチーム長は「食べ物を冷蔵庫でない部屋のあちこちに放置し、それで一日一日食事を間に合わせ、やっと生きていく姿を見て胸が痛かった」と話した。

    この時からおじいさんと刑事たちの間の温かい「ミルタン(押し引き)」が始まった。その日の夜、自尊心が強いファン氏がただで食べ物を受け取れないとして現金2万ウォンを警察車両にそっと置いて降りたのだ。この事実を知ったドゥンサン警察署刑事たちは、翌日おじいさんを訪ねて行きお金を返すと、再度おじいさんがりんご2袋を買って警察署に持ってきた。

    怖そうな強力系刑事たちと獨居老人の「ミルタン(押し引き)」は今も進行している。強力6チームは「おじいさんの家が来年1月に撤去されるが、今も、頑なに助けを拒絶しており、どうすれば目立たず助けられるか悩んでいる」と話した。
  • 毎日経済_ウォン・ヨファン記者/写真提供=テジョンドゥンサン警察署 | (C) mk.co.kr | 入力 2013-12-02 17:14:50