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ソウル大学、4年で「修士帽」かぶる連携課程を創設

    • ソウル大の学士・修士連携課程


    ソウル大学校は4年で学士課程と修士課程の両方を終えることができる少数精鋭ファストトラック(連携課程)を、来年度の人文大学新入生を対象に開始する。連携課程を経た博士号取得者は、研究専門フェローや講義教授として10年間の雇用を確保することにした。職業学者になるための時間とコストを削減し、慢性的な博士失業を防止することによって、優秀な人材が法学専門大学院(ロースクール)や公務員試験に偏る現象を緩和し、競争力のある学術後続世代の基盤をととのえるための劇薬処方というわけだ。第4次産業革命の時代を主導する韓国版ノーム・チョムスキー(世界的な言語学者)を育てるというソウル大学校人文大学のこのような試みは、他の大学にまで拡散するか注目される。

    8日のソウル大学によると、ソウル大学校人文大学はこのような内容の学士・修士連携課程を、2019年度の学部新入生から導入する。来年に入学する新入生は翌年の2020年度に、2年生への進級を控えて学科別に3人ずつ、学生の希望と学科審査にしたがって学士・大学院連携課程生として選抜される方式だ。人文大学所属の16の学科(学部)から総48人が選抜される。学生数は人文大学1年生(今年は291人)の16.5%ほどだ。

    この課程生は少なくとも6年(学部4年+修士課程2年)かかった修士号の取得を4年で行うことができる。 154単位(学部130単位+修士24単位、1科目はふつう3単位)の必須履修単位が140単位前後に減るからだ。

    教育部の関係者は、「現在の高等教育法には大学の学・修士の統合・連携が可能だと明示されており、大学が自主的に導入するために問題はない」と言う。

    これまでカチョン大学とハンバット大学など一部の大学が5年間の学士・大学院統合課程を運営したり、学部課程そのものがないソウル大などの一部国立歯科大学で、青田買い式の7年間統合課程を運営してきた事例はあった。しかし学士号取得期間と同じ4年で修士号を取得できるファストトラックは、ソウル大学校人文大学が国内大学の中では最初だ。ソウル大学校が連携過程モデルを考案するためにベンチマーキングしたニューヨーク州立大学アルバニー校の統合課程(5年)よりも期間が短い。

    少数精鋭ファストトラック格の連携課程生は一般学生とは異なり、担当教授の特別指導を受けて高度な外国語と深化した専攻学習など、学問後続世代の養成コースを踏むことになる。早目に進路を定めた学生らの特別な集中力と教授らの集中指導を勘案すれば、(修士の)学位取得期間が2年減っても、むしろ学習効果は倍になるとソウル大は見ている。連携課程生ではなく、一般学生は従来通りに学士課程4年と修士課程2年を経ることになる。

    学士・大学院連携プログラムを終えたという理由で、博士課程に進学する義務もなく、連携課程生も学業が振るわなければ博士課程に入学することはできない。代わりに予備研究者としての力量を認められ、博士課程に進学して博士号を取得した場合は少なくとも7年、最長で10年までの研究・講義の雇用が保証される。国内外の大学や研究所で教授や研究員の席を得られなくても、年収3000万~4000万ウォンを得る職業学者の道を行くことができるということだ。

    最初の3年間は専攻分野の研究に注力する人文学フェロー、その後の3年は専攻講義を担当する準専任講師、残りの4年は一般教養科目の講義教授という形だ。教養科目の講義教授は1年単位で契約が延長される。

    ソウル大の関係者は、「第4次産業革命の時代を迎えて言語学科などに学生が集まるなど、人文学のビジョンに注目する学生は依然として多い」とし、「勉強をよくして勉強を仕事にしようとする学生が、長ければ30代後半まで続く学位取得期間の負担や、経済的不安のために意志を貫けない悪循環を打ち破り、予備研究者としての資質と希望の豊富な学生が、ロースクールや公務員・公企業の準備に過度にかたよる国家損失を防ぐことができるだろう」と期待した。

    連携課程出身の少数精鋭の予備研究者が経済的な心配なく学業に専念できるように、ソウル大は卒業生や意志のある企業と1対1のマッチング方式の後援で財源を造成し、学生の授業料や生活費などを支援する予定だ。いくつかの有力大企業の会長などが、後援意志を明らかにした状態だ。ニューヨーク州立大学アルバニー校も米国最大の富豪であるロックフェラー家の莫大な寄付で安定した学問後続世代の育成基盤を構築し、この大学の22のキャンパスの中で最高の名声を誇る。

    ソウル大学校人文大学の今回の学士・大学院連携課程の導入は、国内最高学府の基礎学問「1番街」である人文大学が「基礎学問試験」の代名詞になったという危機意識による劇薬処方とみられる。さいきん人文学部が発刊した「ソウル大学校人文大学教育・研究の現状(人文学部白書)」によると、昨年のソウル大学校人文大学の修士と博士課程の選抜人員はそれぞれ126人と71人で、2009年の170人・95人に比べて25%以上も減少した。

    研究実績も墜落している。白書によると、人文大学で国内外の学術誌・論文集に発表した論文数は2008年の291本から昨年は220本に減少した。
  • 毎日経済_リュ・ヨンウク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2018-08-09 09:03:51