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[科学の香り] 時間はどうやって記録するのか?

韓国科学技術情報研究院(KISTI) 

    地球上に人類が初めて登場した時からだろうか。それとも地球が生成された瞬間からだろうか。もしかしたらそれよりさらに遡って、宇宙が誕生する瞬間から時間が流れ始めたのではないだろうか。それなら、宇宙はいつ誕生したのだろうか。

    宇宙の誕生がいつだったのかは、天文学界の大きな論争の種だが、多くの天文学者は宇宙が100億~150億年前の大爆発、ビッグバン(Big Bang)によって誕生したことに同意しており、2009年2月、米国の航空宇宙局(NASA)は、より正確に宇宙の年齢を137億年と発表した。

    宇宙の年齢を推定する方法は、大きく3つに要約できる。「ハッブルの法則」と呼ばれる星が動く速度と距離から推定する方法と、宇宙で最も古い星の年齢から推定する方法、放射性同位元素の半減期を利用する方法だ。しかし、このような方法でも、宇宙の年齢を正確には知ることができないため、天文学者の間で論争の種として残っている。しかし、天文学者たちは、宇宙の年齢が140億年前後と、似たように推定しており、創世記の瞬間がいつなのかを正確に知ることができる日は遠くないということに同意している。そして、彼らによると、地球の年齢は約45億6千万年ほどになるという。

    ▶ 古代人類が時間を記録した方法

    時間を記録することは、最初は比較的大きな時間である1日や1か月、または1年を記録することから始まった。古代人類は、今日のように自分の意思を伝える言語が発達していなかったので、手のジェスチャーや顔の表情と身振りで意思を伝えた。もちろん、今日の言語のように、ある物に該当する特定の音を出したりしたが、意思伝達のほとんどは生きていくのに絶対的に必要な、季節の変化や獲物に関する内容だった。季節に関する知識はナッツやイチゴのような食糧が熟す時期を知るために必要だった。また、獲物が季節によってどこに移動するか、それらをいつ、どこで、どのように狩猟するかに対しての意見も交わした。

    古代人類は、夜空の星を見て方向を探したり、季節の変化を読む方法を身につけたが、特に星は夜に方向を見つけるための最善の手がかりだった。夜空の星を見て時を過ごしていた彼らは、星が一定のパターンを維持して動いているという驚くべき事実を知るようになった。ある星は一定の時間がたつと現れては消えることを繰り返し、また、ある星はまるで巨人の時計のようにゆっくりと動いて空を横切って行って、元の位置に戻ってくるように見えた。

    夜空の星を観察していた古代人類は、ある日、北の空で毎晩同じ場所にある星をひとつ発見した。他の星がすべて動いても、その星だけは常に同じ場所にあるため、夜空のすべての星がこの星を中心に回っているように見えた。北極星と呼ばれるこの星は、天空に固定されているように見えたために、夜に道を探すマイルストーン(里程標)となった。

    太陽と月、星は人類にとっての最初のマイルストーンだっただけでなく、時計でもあった。主に地球の北半球に住んでいた古代人類は、朝起きたら、自分の影が西側に長く伸びているのを見た。影は太陽が空の真ん中に昇ると、北の方向に向かってどんどん短くなった。太陽が空を横切って西方に傾くと、影は東方に向かってますます長くなった。ついに、古代人類は影の長さから、今は一日の中で、どの時点なのかを推測できるようになり、このような時間の測定は狩りをするのに多くの助けを与えた。

    古代人類が時間を測定するために最初に作った時計は、日時計だった。彼らは日時計以外にも水時計、砂時計、油時計のような多くの種類の時計を考案して時間を測定した。そして彼らは、一日より長い時間を測定するために月を活用した。彼らは月が銀色に輝く丸い満月から始まり、一日一日が過ぎながらどんどん小さくなって三日月になった後、完全に消える新月となり、闇に満ちた数日の夜が過ぎると、月は再び大きくなって、丸い満月になることを知った。

    古代人類にとって、一日の時間や日付または月を数えることは、死んだ鹿や熊と果物の数を数えることとは異なるものだった。具体的な物事を数えることは、指を使用して数えられたが、一日の日付や時刻は指では数え切れないからだ。古代人類は、このような問題を解決するために一日が過ぎるたびに、木に細長い穴をあけたり、棒または小石を一つずつ移動させて表示した。刻み目一つは一日、二つは二日のように表示したのだ。

    彼らは月が欠けてから、再び満ちるまで、ほぼ30日がかかるということが分かったため、30日が経つごとに一日を表示していたものよりも、もう少し大きい刻み目で1か月を表示した。大きな刻み目が12個になると、最初の刻み目を表示したときの季節になることが分かった。この12個の大きな刻み目は360日、ほぼ1年に近かった。このようにして春に始まった大きい刻み目が12個になれば、また春になるのだが、これが初めて使用されたカレンダーだった。

    ▶ 閏年の誕生

    太陽と月を基準に作られたカレンダーのうち、月が地球を一周する30日を1か月とするのが陰暦だが、正確には29.53日だ。したがって、陰暦の日付と月の位相の間には、時間差が現れることとなり、ひどい場合は2日程度の差が出る。このような差を埋めるためのものが閏月だ。閏月がある年を閏年と言い、特に2006年のような閏年を双春年という。

    今日、私たちが使用しているのと同じ形式のカレンダーは、ローマの皇帝だったシーザー(Caesar、Gaius Julius、BC100-BC44)によって考案されたもので、1年を12か月に分けて、それぞれの月に31日と30日を交互に使用した。1年が12か月である理由は、1年に月の朔望(月の満ち欠け)が12回が起こるためだ。昔も1年は365日で計算していたが、今のカレンダーと異なる点は、現在の3月が当時は1年を始める初めの月だった。3月が1年を開始する月だった痕跡は、今も見つけることができるが、現在の10月が当時は8月だったので、8を示す英語の接頭辞「octo」が付いて「October」となった。

    シーザーのカレンダーによると、1年は365と1/4日であり、これは地球が太陽を一周するのにかかる時間だ。ここに現れる1/4日は、4年に一度ずつ2月が29日になる閏年がその差を埋めている。シーザーのカレンダーによると、閏年を使用しても、地球が太陽の周りを一周する1年に11分の差ができた。これは、最初はほとんど差がないが、約2000年後には22000分、すなわち、約366.7時間の差がでることになる。これは、約15.3日になる。これを教皇グレゴリウス13世(Gregorius XIII、1502-1585)が直したのだが、今日の私たちが使用しているカレンダーが、まさに、1582年、教皇グレゴリウス13世が制定した「グレゴリウス暦」だ。

    しかし、1年365日は太陽が黄道上の春分点を過ぎて再び春分点まで戻ってくる1太陽年である約365.2422日より短い。カトリック教会では、カトリックの重要な記念日であるイースターを春分後の最初の満月の次の日曜日に決めていたため、春分は非常に重要だった。しかし325年、ニカイア公会議当時に3月21日だった春分の日が16世紀半ばになった時は、3月11日に変わっていた。これにより、教会ではイースターの日付を固定することが、深刻な問題として台頭した。だから、4年ごとに閏年を置くが、100で割って割り切れる年には平年にして、400の倍数である1600年、2000年などは閏年と定めた。だから、2000年、2004年、2008年、2012年にも、2月は29日まである。もちろん、今年と来年の2月は28日までだが、来る2016年の2月は29日まである。

    ▶ 国際原子時間に1秒を加える、閏秒

    時間を測定するときに、カレンダーは比較的長い時間を数えることが必要だが、小さな時間を計るには時計が必要だ。古代人類は、日時計や水時計や砂時計を使って、単純に朝や昼または夜のおよその時間を知ることができれば良かった。しかし、今日の時計の精度は船や飛行機の航海と通信、そして地球の周りを運行する衛星と位置情報を交換するGPSと信号を送受信するために非常に重要だ。正確な時間は、宇宙飛行士が宇宙空間を旅するのにもとても重要であり、航空管制システムと国際経済と、全世界のコンピュータの活動において非常に重要だ。複数の時計が同時に指している時間は、非常に速い通信システムにも必要だ。そのため、非常に正確に時間を測定できる時計が必要になった。

    今日の時間測定は、2つの方法で行われているが、物理的な特性を利用して測定する原子時間と、天文的な特性を利用して測定する天文時間がある。携帯電話やテレビ画面に表示される時刻は、原子時計を用いて測定する国際原子時間(International Atomic Time)だ。原子時間を測定する原子時計は、原子秒によって正確に計算され、原子秒はセシウム133原子が9192631770回振動する時間に決まっている。

    天文時間(UT、Universal Time)は、地球の自転に基づくもので、1972年に国際的標準となる1秒を1900年度の平均一日の1/86400を天文時間1秒に決めた。天文時間1秒が一日の1/86400である理由は、一日が24時間であり、1時間は60分、1分は60秒なので、24×60×60=86400だからだ。

    ところで、科学者たちは月のために起こる潮の干満の差によって地球の自転速度が変化することを発見した。その差は、100年に24時間の0.0015から0.002程度であり、時間に計算すると、約0.9秒だ。そしてこの差は、歳月が経つほどますます大きくなるため、原子時間と天文時間に少しずつ差が生じることになる。このような差を一致させるために、二つのうち一つの時間を変えなければならないが、地球の回転速度を変化させることはできないため、原子時間を変えるしかない。この時、原子時計に1秒を加えることを閏秒という。

    フランスのパリに本部を置く国際地球回転・基準系事業(IERS)は、天文時間に原子時間を合わせて、多くの国と国際機関に閏秒に関する情報を公示する義務を帯びている。IERSでは、閏秒を12月や6月の最後の日に加えるが、必要に応じて3月と9月の最後の日に挟んで入れたりもする。このような時間の調整は、1972年6月30日に公告された後から、現在まで継続されてきており、1972年以来、1999年までの27年間、6月や12月に22回の閏秒が加わった。

    ところが、1999年以降2004年までの5年間は、閏秒がなかった。科学者によると、月によって作られた潮水が地球の回転速度を遅くしたことや、地球内部で起きている大規模な地震、地球温暖化により毎年南極と北極で溶けている氷河、エルニーニョとラニーニャのような地球の気候変化により、閏秒の必要がなくなっていたそうだ。その後の2005年12月31日、世界のすべての時計に1秒を増やす閏秒が実施された。この時、施行された閏秒は、2005年12月31日の夜23時59秒から0時0分0秒に変わる直前に23時59分60秒を挿入するものだった。そして、3年後の2009年1月1日、午前8時59分59秒から9時に変わる間に1秒が加わって、8時59分60秒という一時的な時刻が作られ、1秒後に9時になった。今後も、約5年を周期で閏秒を挿入しなければならないが、正確に次回がいつになるかは定かではないという。

    古代人類は、 昼間には太陽を見て、夜には月を見ながら時間の流れを見つけ出して、それを生活に活用しており、時間の流れを記録するために絶えず悩んできたのだろう。彼らは最終的にカレンダーと時計を作り出し、これらのものは、今日の人類文明を作る礎石になった。
  • 毎日経済_文:ハンソ大学=イ・グァンヨン数学科教授、コラム提供:韓国科学技術情報研究院(KISTI) | (C) mk.co.kr | 入力 2014-12-15 09:20:38