記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)

環境により形質が変わると、少なくとも2~3世代に伝達

  • 延世大学・生化学のキム・ヨンジュン教授(54)は「何かを食べたり、特定の環境に露出されることにより、形質(生命体の特性)が変われば、少なくとも2~3世代程度は伝達される可能性がある」と語った。キム教授は、相対的に歴史が短い後成遺伝学(epigenetics)の研究を韓国内で早くから始めた専門家として挙げられる。

    キム教授は「後成遺伝学は、特定の形質を決定するDNAの情報に関係なく、環境によって得られた形質が遺伝されるもの」と説明した。同じ遺伝情報を持つ一卵性双生児だとしても、それぞれ異なる環境にさらされて育つ場合、お互いに違う特徴を持つというのがその例だ。第2次世界大戦当時、飢饉を経験したオランダの母親たちの一部が栄養不足に苦しめられ、彼女たちが出産した子どもの健康状態が正常な母親が生んだ子供に比べて良くなかった事例も後成遺伝学に関する研究だ。

    学界の一角では、後成遺伝学が消えていた用不用説を再び生かしたという主張を展開したりもする。1世代にて得られた特性や形質が2~3世代まで伝わるとなると、一見して、進化を説明する理論と見ることもできるためだ。

    これに対してキム教授は「特性が伝達されることを進化と見ることもできるが、厳密な意味で進化と見ることは難しい」とし、「後成遺伝学は進化よりも、発達、発生だと考える方が良い」と線を引いた。彼は「進化は厳密な面で後成遺伝学の外枠として見ることができる」と付け加えた。

    キム教授は「後成遺伝学は、まだ胎動期の学問なので、韓国ではなじみが薄いが、医学分野を中心に最近、研究が活発に進められている」とし、「特にがんの発生原因を把握するのに焦点を合わせている」と語った。彼は「後成遺伝学は、特定の環境でどのような性質が発現しうるのかがイシュー」だと語った。
  • 毎日経済_イ・ヨンウク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-03-27 15:59:48