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まだ道のりの遠い「IT機器のワイヤレス充電」…充電効率低く安全性の懸念も

    • < スマート時計をワイヤレス充電する様子 >

    ワイヤレス充電技術への関心が熱い。スマートフォン、ロボット掃除機、テレビなど様々な産業で急速に広がっているが、商用化されるまでには時間が必要だという意見も多い。思ったより充電効率が低く、人体の安全性への懸念も少なくないからだ。しばらくは至近距離でのみ無線充電が可能な「中途半端」な技術になるとの見通しだ。

    これまで「眠っている未来技術」とされていたワイヤレス充電技術を覚醒させたのは、スマートフォンのGALAXY(ギャラクシー)S6だ。ケーブルを接続しなくてもパッドにスマートフォンをのせるだけで、自動的に充電がされるため、利便性がかなり高くなった。ワイヤレス充電への関心が高まり、他のIT製品も続々とワイヤレス充電を導入する雰囲気だ。すでにスマートフォンや振動化粧機器、ロボット掃除機などのコモディティ(Commodity)でワイヤレス充電が使われている。これからテレビ、電気自動車などの大型家電や車両にも適用される予定だ。コー​​ドとコンセントが必要ない「コードゼロ」の世界が足早に近づいてきたような様子だ。

    ただし、今のところ「未完の技術」という評価が支配的だ。有線充電方式よりも充電速度が遅く、無線で充電可能な距離も短いという物足りなさからだ。例えばGALAXY S6の場合、有線充電をすると2時間以内、急速充電をすると1時間以内に「フル充電」がされるが、ワイヤレス充電をすると約3時間がかかる。コードレス掃除機は5~7時間充電して、ようやく10~13分間使うことができる。充電距離もパッドから1~2センチ以上離れてはいけない。パッドが有線で接続されているため、事実上半分は有線充電であるわけだ。

    いつになったら、遠距離でも自由にワイヤレス充電が可能になるだろうか。

    これを説明するためには、まず、ワイヤレス充電の技術方式について理解する必要がある。ワイヤレス充電の技術には大きく分けて磁気誘導方式と磁気共鳴方式がある。簡単に言うと、前者は近距離、高効率充電、後者は遠距離低効率充電方式と見ることがでいる。私たちが望むワイヤレス充電は磁気共鳴方式だが、充電効率が大幅に低下し、人体の安全への影響もまだ検証されておらず、商用化は遅れている状況だ。GALAXY S6など、現在使用されているワイヤレス充電方式は、磁気誘導方式がほとんどだ。

    業界関係者は、「磁気共鳴方式は技術的にも難しくはない。現在の技術でも1メートル以上は電波を撃って送ることができる。電力損失に備えてスマートフォンの充電に必要な電力(5~15W)を送るには100ワットを撃つ必要があるが、この程度なら人体に無害であるという研究結果もある。今も磁気共鳴方式でワイヤレス充電は可能だという話」だとしながらも、「ただ、人体の安全性への懸念により、まだ市販製品のワイヤレス充電距離は1センチに制限されている」と耳打ちした。

    業界では、ワイヤレス充電市場が急成長し、関連規制も緩和されることを期待している雰囲気だ。ワイヤレス充電関連製品の充電距離の許容値が現行の1センチから近いうちに最大5センチまで増えるとの観測が出ている。もちろん、まだ限定的な水準だが、充電器とほぼ触れるようにしなくてはいけない今よりは、自由度がかなり高くなるものと見られる。

    ただし有線充電に比べて大幅に低い充電効率はまだ惜しい状態だ。このような状況であるため、業界では遠隔でのワイヤレス充電技術がスマートフォンではなく、ウェアラブル機器に最初に使われるだろうという展望が優勢だ。

    ウェアラブル機器はスマートフォンよりもはるかに少ない電力を使用するため、充電効率が低い磁気共鳴方式もそれなりに使えるからだ。電子部品研究院通信ネットワーク研究センターのイム・スンオクセンター長は「スマート腕時計の場合、電力が1ワット以下であっても、充電に問題がない。電力損失を勘案しても5ワットを送電したら、20センチ程度の距離で十分に充電が可能だ。今後、ワイヤレス充電技術がウェアラブル機器にて先に花を咲かせることが期待されている理由」と「ただし、中間に障害物があればこれを通過しないなどの課題が多く、研究がさらに必要な状況だ」と述べた。
  • 毎日経済 ノ・スンウク記者/写真:ユン・グァンシク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-06-15 09:21:09