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電子書籍の進化…音楽・イラストなどを盛り込んだマルチメディアeブックの相次ぐ出版

『嫌われる勇気』を読みながらDaybreakの音楽を 

    パウロ・コエーリョの「Maktub(マクトゥーブ)」のマルチメディア電子書籍は、目だけではなく耳までひきつける。11年の歳月をかけて師匠から受けた教え、近くの人々から得た印象的なエピソードを盛り込んだこの本は、短い箴言を集めた構成のおかげで、オーディオブックとしてもよく合う本だ。子音と母音社と教保文庫が制作したこの電子書籍は、プロの声優が録音したナレーションとファン・ジュンファン作家が描いたイラストを添付し、文章とイラスト、ナレーションを同時に楽しめるように作られた。

    昨年の最高のベストセラー『嫌われる勇気』(インフルエンシャル)のマルチメディア電子書籍には、オリジナルサウンドトラック(OST)が導入された。本を読んでいくとインディーズバンドDaybreakの穏やかな音楽が、映画やドラマを見る時のようにバックグラウンドミュージックとして流れる。本の末尾には、韓国語で通訳がされた著者の岸見一郎と古賀史健のインタビュー映像も添付された。この本は、マルチメディア電子書籍版だけで1000部以上が売れた。

    電子書籍が進化している。これまで国内の電子書籍市場は、本の内容だけをそのまま電子書籍に移すことに注力してきた。最近になって、電子書籍の中に視聴覚的要素が加えられている。スマートフォンで電子書籍を読む人口が急速に増えて起こった変化だ。

    マルチメディア電子書籍の利点は、同じ価格で「プラスアルファ」を得られる点だ。歌手キム・チャンワンが今年に出版した『こんにちは、私のすべての一日』(Sam & Parkers)のマルチメディア電子書籍には、著者が直接録音したオーディオブックが一緒に収録された。チャプターごとにアニメーション効果を使用したイラストも加えられた。

    マルチメディア電子書籍は、これまで語学教材が積極的に制作してきた。イエス24では『EBSラジオ口からスラスラ英語』を毎月出版している。専用端末ではなくスマートフォンやタブレットPCだけで使用可能なこの本は、教材と音源を1つに統合した。英語放送を聴きながら、直接問題を解けるように制作して語学学習に最適化させた。

    教保文庫で出版されたキルボッの『がむしゃらについていく大阪 東京 for Mobile』は、Googleマップと連動して利便性を高めた旅行ガイドブックも出版されている。児童用コンテンツ制作も活発だ。動くイラストと読み上げ機能で親たちの呼応が高い。

    電子書籍の先進国である英米圏では、既に専用端末ではなくスマートフォンを中心とした電子書籍市場が大きく成長している。ニールセンの調査によると、米国で電子書籍をスマートフォンで利用する読者の割合は、2015年に54%を超えたほどだ。国内でも高いスマートフォンの普及率に支えられ、マルチメディア電子書籍市場は急成長するものと見られる。
  • 毎日経済 キム・スルギ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-09-22 17:03:48