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テクノロジー > 健康・医学

「低炭水化物・高脂肪の食事法」…健康を害して病気を呼ぶ

5つの専門学会が共同声明…カロリー摂取を減らして活動量を増やすしかない 

    炭水化物を極端に制限して脂肪の摂取量は極端に増やす「低炭水化物・高脂肪の食事」について、専門家らが異例的に積極的な警告を出した。この食事法が流行し、バターが売り切れてサムギョプサル(豚の三枚肉)の消費が急増するなどと、国民的関心を受けたが、一言で「一部のショードクターの言葉にだまされるな」ということだ。

    大韓内分泌学会・大韓糖尿病学会・大韓肥満学会・韓国栄養学会・韓国脂質動脈硬化学会などの5つの専門学会は26日、共同声明を出し、「炭水化物と脂肪のどちらか一方を選択しなければならないかのように思考と行動を追い込む危険な食事法であり、国民の健康に深刻な危害をもたらす可能性がある非正常的な食事法だ」と警告した。低脂肪食と低炭水化物食の議論は、1950年代から続いているが、多くの研究結果ではいまだ低脂肪食が推奨されている。

    声明書は、「体重を減量する他の妙法や簡単にできる近道はない」とし、「カロリー摂取を減らし、活動量を増やすことを根気よく実践することだけが、肥満と多様な疾患を予防できる唯一の健康食事方法だ」と強調した。現在流行している極端な「低炭水化物・高脂肪の食事」は、効果が検証されておらず、健康にリスクをもたらす可能性があるという主張だ。学会は、「低炭水化物の食事」の初期の短期間に体重減量効果が大きく現れることについて、「早期の満腹感を誘導して食欲を抑制し、食べられる食品の種類が制限されながら、摂取量が減るためだ」と説明した。しかし、極度の低炭水化物・高脂肪食を継続することは非常に難しく、実際の研究でも中断率がかなり高いことが報告され、長期的には体重減量効果を見難い。

    最大の問題は、健康を害する可能性があることだ。脂肪の中でも特に飽和脂肪を過剰に摂取すると、「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)」の数値が増加し、心血管疾患の発生リスクが高くなる。さまざまな食品の摂取が難しくなり、微量栄養素の不均衡と繊維素の摂取の減少をもたらす。過剰な脂肪の摂取と繊維素の摂取の減少は、腸内微生物の変化と一緒に酸化ストレスを起こし、私たちの身体に炎症反応を増加させる。

    炭水化物の摂取を極度に制限する過程でケトン酸が増加すれば、私たちの身体の酸性化を防ぐために、筋肉と骨に悪い影響を与える可能性が高くなる。また、過度に炭水化物を減らすと、脳へ送られるブドウ糖が減少し、集中力が落ちるという副作用も懸念される。そして炭水化物の摂取を制限する過程で身体に有益な複合糖質が優先的に制限されやすいという点も考えなければならない。

    学会は、「健康的な食事のための3つの実践事項」を勧告した。まず、自分自身の食習慣を正確に把握し、炭水化物や脂肪の摂取割合が過度に高ければ、これをそれぞれ適切な水準に調整するようにと勧めた。炭水化物の摂取は65%、脂肪の摂取は30%を超えないように調節しながら、バランスの取れた食事をしようとする努力が必要だ。

    第二に、体に良くない単純糖と飽和脂肪を優先的に減らさなければならない。炭水化物の場合、単純糖の摂取を減らし、穀類のような食物繊維をはじめとする栄養成分が豊富な炭水化物の摂取を増やす必要がある。第三に、高血圧、糖尿病、心血管疾患で治療中の患者は、食事の方法を選択する際にさらに慎重を期さなければならない。心臓や腎臓が悪い患者、重度の糖尿病患者は、低炭水化物・高脂肪の食事のような1つの栄養素に偏った食事法をむやみに真似してはならない。このような患者は、食事の方法について主治医と必ず相談する必要がある。
  • 毎日経済 シン・チャンウク記者 / 写真=MBN放送映像キャプチャ | (C) mk.co.kr | 入力 2016-10-29 11:51:59