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テクノロジー > 健康・医学

危険因子ヘリコバクター菌が喘息予防?

40歳未満の成人、ヘリコバクター菌感染時に喘息発生が50%減少 

    胃がんの危険因子として知られているヘリコバクターピロリ菌(以下、ヘリコバクター菌)が、成人喘息を予防する効果があることが確認された。これまで小児にヘリコバクター菌感染時に喘息の発症率が低いという研究結果はあったが、ヘリコバクター感染率が高い東アジア地域で成人を対象にヘリコバクター菌の喘息予防効果を証明したのは今回が初めてだ。

    ヘリコバクター菌は、胃粘膜に主に感染し、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腺がんなどを誘発する原因として知られている。国家がん情報センターによると、韓国国民のヘリコバクター菌有病率は60%に達する。ヘリコバクター保菌者のうち16歳以上が半数を超えるほど成人に集中している。世界保健機関(WHO)は、ヘリコバクター菌が胃がん発生リスクを2~4倍高めると明らかにした。実際に韓国のヘリコバクター菌保菌者のうち約20%で胃腸管疾患がおり、1%程度の保菌者で胃がんが発生する。

    しかし、最近の研究によると、小児でヘリコバクター菌に感染した場合、アレルギー疾患を予防することが分かった。マーティン・ブレイザー研究チームは、米国人7412人のアンケート調査データを分析し、小児でヘリコバクター感染時に喘息発症が少ないことを明らかにした。また、イスラエルのある研究チームは、6959人の小児を分析し、ヘリコバクター感染のある場合、喘息の発症率が有意に低いことを示した。

    盆唐(プンダン)ソウル大学病院のキム・ナヨン教授とソウル大学病院江南センターのイム・ジュヒョン教授研究チームは3日、ソウル大学病院江南センターで健康診断を受けた1万5000人余りを分析した結果、40歳未満の若い成人がヘリコバクター菌に感染した場合、喘息発生が50%少ないことが確認されたと明らかにした。一方、その他のアレルギー疾患は、ヘリコバクター感染とは無関係なことが確認された。

    ソウル大学病院江南センターのイム・ジュヒョン教授は、「今回の研究は、ヘリコバクターの有病率が高い東アジア地域の成人を対象に、ヘリコバクター感染と喘息の関連性を初めて証明したという点で意義がある」とし、「今回の研究結果は、若年の成人でヘリコバクター感染による免疫機序が、喘息に関連するアレルギー反応に影響を与える可能性があることを示唆し、したがって、若い年齢でヘリコバクター除菌治療は、喘息リスクを考慮して慎重に決定する必要がある」と伝えた。今回の研究結果は、『Medicine』最新号に掲載された。
  • 毎日経済 イ・ビョンムン医療専門記者 / 写真=photopark.com | (C) mk.co.kr | 入力 2016-11-07 09:36:27