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消化性潰瘍の症状と治療法は…胸焼けが無くても注意を

    胃や十二指腸の粘膜がまるでシャベルで地面を掘られたかのようにへこんでしまう消化性潰瘍。生活が不規則で過度のストレスに悩まされている現代人は、1度くらいは経験する疾患だ。

    消化性潰瘍のある人たちは、腹の上部やみぞおち部分が焼けるような感じがあったり胸焼けや胸痛などの症状を主に訴える。このような症状は通常30分から3時間ほど続くが、食後30分ごろからこのような痛みが発生することがある。食欲減退・消化不良・腹部膨満感・嘔吐なども消化性潰瘍の代表的な症状だ。初期には胃の出血が見られることもある。

    キム・ドフンソウル峨山病院消化器内科教授は、「胸焼けのような症状が現れない無症状胃潰瘍もある。症状が様々なだけに消化性潰瘍を正確に診断するには、胃内視鏡検査をする必要がある」と伝えた。

    消化性潰瘍は、胃酸から胃粘膜を保護する胃粘液や重炭酸塩などの物質間のバランスが壊れて発生する。主な原因としてはピロリ菌による感染が挙げられる。ピロリ菌に感染すると、胃粘液の分泌が減少して十二指腸の重炭酸塩が減るためだ。

    すべての消化性潰瘍がピロリ菌の感染が原因で発生するわけではない。非ステロイド消炎剤の服用も原因の一つに挙げられる。非ステロイド消炎剤を使えば、胃粘液の分泌や十二指腸重炭酸塩の分泌が減少する。

    キム・ドフン教授は「非ステロイド消炎剤の使用は、一般的に胃腸管出血や狭窄など消化器系の合併症を引き起こす副作用を生む。高齢化や筋骨格関連疾患の増加で非ステロイド消炎剤の使用が幾何級数的に増加すると予想され、それに伴う胃腸管疾患の発症危険性も増加している」と伝えた。

    そのほか、喫煙、飲酒なども消化性潰瘍を誘発することが分かった。

    キム・ドフン教授は「胸焼け防止のために牛乳を飲む人がいる。よく牛乳がアルカリ性だといって胃酸を中和させて胃の粘膜を保護すると考えがちだが、これは誤った考えだ」と指摘した。

    牛乳はアルカリ性よりかは中性に近く、牛乳中のカルシウム成分はむしろ胃酸の分泌を増加させる可能性がある。もちろん牛乳が他の食べ物のように胃の粘膜を包むため、飲んだら少しの間は胸焼けが緩和されたように感じることもあるが、時間が経過すると胃酸が促進されて症状がひどくなることもある。

    胃内視鏡検査を通じて消化性潰瘍と診断受けたら、まずは薬物治療をすることになる。数日間のあいだ薬を服用して胸焼けなどの症状がなくなったら、潰瘍がすべて治療できたと考えて治療を中断する人が多い。逆に治療が全て終わったにもかかわらず症状が無くならなかったといってずっと薬を服用することもあるが、2つとも間違った考えだ。胃潰瘍の好転と症状は常に一致するわけではない。胃潰瘍患者は薬物治療を終えたあと、必ず追跡検査で状況を確認する必要がある。

    「食べ物を少しずつ頻繁に食べる行為は胃酸分泌を持続させるため、消化性潰瘍に良くない習慣だ。夜食も胃酸の分泌を促進させ、潰瘍症状を悪化させる。

    薬物治療だけで早く症状が好転しない場合は、お粥のような刺激が少ない食品を食べることが助けになることがある。アルコール摂取はそれ自体で胃酸分泌を促進させ、特に高濃度のアルコールは粘膜に直接的に損傷を与える。喫煙は潰瘍治癒を遅らせ、再発の要因になることがあるため禁煙が必須だ」とキム・ドフン教授は呼びかける。
  • 毎日経済 ソ・ナウン記者 毎経エコノミー 第1908号 / 写真:チェ・ヨンジェ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-05-22 09:31:04