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テクノロジー > 健康・医学

乳がんの手術と同時に乳房再建術を行うと「助け」に

    乳がんの手術後すぐに再建手術を受けても、乳房を完全に切除だけ行った患者たちと予後の差がないという研究結果が出た。

    乳がんの治療結果に対する不確実性と乳房の喪失による心の傷まで抱え込んでいた患者たちにとっては朗報だ。

    乳房再建術は、まず乳がんを除去する手術を行ったあと、すぐに背中や腹など自家組織や保形物を利用して乳房を再建する手術をいう。乳がんと乳房再建を1度の入院と手術で解決することができ、乳房の喪失によるうつ病を予防するなど生活の質を引き上げる効果がある。

    2015年に健康保険が適用されることにより患者たちの経済的負担が減り、進行がんなどの手術可能な適応症の範囲も広がっている傾向にあるため、これを選択する患者が増えている。しかし長期的な予後を見積る際に考慮すべき要素も複雑多変になり、生活の質と生存率とのあいだで患者はもちろん医療陣の悩みが大きいのも現実だ。

    サムスンソウル病院乳がんセンター乳房外科と整形外科の研究チームが最近相次いで発表した研究では、これらの懸念を軽減させることができるものと期待される。

    乳房外科のイ・ジョンオン教授、ユ・ジェミン臨床講師研究チームは、2008~14年にサムスンソウル病院で乳がんの手術を受けた患者1458人を追跡観察し、乳がんの手術後に即時再建術を受けたグループ(588人)とそうでない対照群のグループ(878人)の予後を調べた結果、それらの局所再発率、再発率、遠隔転移率、死亡率は統計的に有意な差がなかったと29日明らかにした。即時再建術を受けても生存率に影響を与えたり、がんの再発、転移などをこれ以上心配する必要がないという意味だ。

    特にまだ学界で意見が食い違っている先行抗がん化学療法を行った場合でも同様の結果が続いた。同じ乳房外科の研究チームが整形外科のチョン・ビョンジュン教授と一緒に最近国際学術誌「臨床乳がん(Clinical Breast Cancer)」に発表した研究では、先行抗がん化学療法を受けなければならないほど病状が重かった患者も、即時再建術を受けるのに問題がないと報告された。

    研究チームが2008~15年に先行抗がん化学療法を施行した患者のうち、即時再建術を受けた患者31人とそうでない85人を対照群として比較分析した結果だ。

    先行抗がん化学療法を受けた患者が、即時再建術を受けた時の予後を対照群を通じて確認したのは今回が初めてだ。研究チームによるとこれらの患者も先の研究と同様に、即時再建術を行うかどうかにかかわらず治療の結果に差はなかった。

    先行抗がん化学療法を受けている患者の場合、がんがかなり進行した状態で診断を受けるという点を考慮すると、即時再建術について悩んでいる患者と医療陣の負担を軽減させることが期待されている部分だ。

    実際に先行抗がん化学療法後の乳房再建術を受けた患者の平均年齢は37歳で、2期以上の場合は22人で全体の71%に達した。

    キム・ソクオン乳房外科課長は「乳がん患者の生存率を向上させるのと同じくらい、彼女らの女性性を守ってやろうという努力も必要だ。特に西洋に比べて若い年齢での有病率が高い韓国内の患者を考慮するとなおさらだ」とし「乳がん患者たちが自信を取り戻し、生活の希望を持つことができるように乳房外科と整形外科が力を合わせ、いっそう研究や技術開発に邁進していく」と強調した。今回の研究結果は、韓国乳がん学会の最新号に発表された。
  • 毎日経済 イ・ビョンムン 医療専門記者 / 写真=photopark.com | (C) mk.co.kr | 入力 2017-06-29 09:31:20