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  • Q.
    芸能事務所RBWについて教えてください(上)
  • A.
    まず、指摘しなければならない部分があります。
    RBWの関係者に聞けば自分たちの会社を決して芸能事務所だと思っていません。
    総合エンターテインメント企業、このように呼びます。

    事業内容を見るとエンターテイメントに限ったことでもありません。RBWの後にはエンターテインメントという言葉もついてきません。だからエンターテインメントを含めたコンテンツ制作流通業者と見るのが正しいでしょう。

    2020年を基準にすれば、RBWの収益のうちアーティストマネジメントで得る収益よりも、エンターテイメント部門の収益のほうがはるかに多いです。全体収益の70%を占めています。

    知っている人は知っている会社ですが、一般人には馴染みの薄い企業です。
    2020年の売り上げが372億ウォン、営業利益が76億ウォンを超える優良企業であるにもかかわらず、こんな会社もあったのかという人がいるほどです。

    RBWのフルネームは、「Rainbow Bridge World」、夢が実現する橋を世界につなげるという大きな抱負を表したものです。

    10年3月に設立されたRBWを率いるのは、共同代表のキム・ジヌ、キム・ドフン、ファン・ソンジン理事です。3人は青年時代から親交を深めた関係です。韓国音楽著作権協会の最年少理事だったファン・ソンジンがCUBE傘下の音楽レーベルミュージックCUBE制作プロデューサーに移り、CUBEエンターテインメントの企画室長だったキム・ジヌとミュージックCUBEの理事を務めていたキム・ドフンが一緒にCUBEに籍を置くことになります。

    創業同志の3人は2010年に創業に志を共にします。最初はキム・ジヌが副業としてやっていた練習場を貸し出す事業でした。歌と踊りを習う空間が足りない歌手志望者が多いということに着眼した新しい市場なので、うまくいきました。弾力を得たキム・ジヌは事業を拡張し、「モダンアンドブリッジ」(「モダンK実用音楽学院」の前身)、レインボーブリッジアカデミー、ENBアカデミーを開業しました。3か所の運営も思い通りに順調に進みました。

    するとキム・ジヌは2010年3月、韓国初のOEM方式の芸能プロダクション「レインボー・エ―ジェンシー*」を設立し2011年8月には上記の3つの学院を統合して(株)モダン・アンド・ブリッジ**を設立しました。

    * VIXXのレオ、MAMAMOOのムンビョル、フィイン、ファサとVROMANCEのイ・チャンドンなどが発掘されました。
    ** 2AMのイ・チャンミン、チョグォンとBTOBのソ・ウングァン、イ・チャンソプ、そしてEXOのチェン、LABOUMのソルビンなどを発掘しました。

    OEM方式の芸能企画というのが何か知りたいでしょう。
    韓国及び外国の企画会社から依頼を受け、音楽やアーティストを開発する業務です。他ではなかなか見られないRBW独特の事業です。キャスティングからトレーニング、プロデュース、衣装コンサルティング、アルバムプロダクションなど、全般的なデビュー準備をすべて代行します。アーティストの育成過程に必要なすべての要素をマニュアルした「RALSe」という独自のシステムを備えています。

    RBWホームページのビジネス項目では、OEMが最初に位置づけられるほど比重が高いです。この5年間、国内外でなんと30組ものアーティストを育成したほど独自の領域を構築してきました。

    専門アーティストを育成する条件が整っていない零細企画会社としては、人的、物的費用を最小限に抑えることができるというメリットがあるだけに今後も市場拡大が期待される分野です。

    OEMアーティストの育成はRBWへの直接的な収益以外にも数多くの機会を提供します。
    OEMを通じて蓄積されたノウハウが専属アーティストを育てるのに使われるからです。ONEUS、ONEWE、PURPLE KISSなど、実力派グループをデビューさせる基盤が自然にできます。

    OEM、そして専属アーティストの企画制作以外にも、RBWビジネスとしてメディアコンテンツ事業、K-POP教育研修プログラム、青年就業アカデミーエンタービジネス人材養成などがあります。この点が他の芸能プロダクションとは差別される部分です。

    メディアコンテンツ事業は、従来の伝統的なメディア芸能だけでなく、デジタル時代に合わせたライブ音楽トークショー、ウェブドラマ、バラエティーショーなどを制作し、グローバルプラットフォームに提供する事業です。代表的な例として「Re Birth」が挙げられます。オーディション番組と似ていますが、外国のアーティスト資源を選んで育成する内容のコンテンツです。

    2015年にベトナムで行われた「Vapp Live Vietnam」

    K-POP研修プログラムは、世界中のアーティスト志望者を対象にしています。1週間または1か月間、K-POPアーティストにキャスティングされ、デビューするまでの一連の過程を直接経験してみるプログラムです。録音室や振り付け室、合奏室などの施設で専門プロデューサーや作家、トレーナーから教育を受けることができ歌手志望者としては素晴らしい経験をすることができます。実際この番組を通して海外で成功を収めたアーティストが多いそうです。

    青年就業アカデミーのエンタービジネス人材養成プログラムは雇用労働部の韓国産業人材公団の支援を受けて実施する事業ですが、エンター人材養成プロジェクトとしては韓国で唯一です。韓国のエンタービジネスが以前とは比べ物にならないほど大きくなり関連する職種も多様になっている状態です。

    このプログラムを通じて輩出されたエンターテインメントの人材がRBWの頼もしい後援者になるでしょう。

    OEMの話をしているうちに会社設立の過程を途中で省いたままビジネス全般を紹介してしまいました。

    再び会社設立の話に戻りましょう。

    キム・ドフンは2012年3月、本人が直接制作者として参加するWAエンターテインメントを設立しましたが、キム・ジヌがイ・ヨンゴルが共同代表、ファン・ソンジンが理事を務めました。RBWを代表するミュージシャンであるMAMAMOOと3人組ヒップホップグループPhantomがここでデビューしました。ところが、しばらくしてPhantomはBRANDNEW MUSICに移籍し共同代表であるイ・ヨンゴルがWAエンターテインメント設立初期に迎え入れたヒップホップデュオGeeksを連れて行き、HOWエンターテイメントを設立したことでWAエンターテインメントにはMAMAMOOだけが残るようになりました。勇断を下す時期になったのです。

    2015年現在の体制が成立しました。その年の2月、レインボー・ブリッジ・エージェンシーに移転時にWAエンターテインメントを吸収合併し社名をRBWに変更しました。

    2016年3月にはRBWベトナム支社、2018年には日本支社を設立し海外事業を拡大していく準備を終えました。そして2021年4月、OH MY GIRL、B1A4、ONFなどが属するWMエンターテインメントの持分70%を買入れました。2021年下半期に上場を準備しているという話が広まっていますが、売上高と営業利益を考えると十分に可能なことです。

    一部では、現在の状態では上場環境が不十分であるため追加的な吸収合併が必要だという話が出ています。そういうわけで、どんな企画会社が対象になるのか、いろいろ推測が出回っていたりもします。

    RBW所属の芸能人については次回ご紹介させて頂きます。