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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国では、まだお守りを使う人が多いですか?
  • A.
    先日、歌手のイ・スンファンが自身のSNSに左手に「王」と書かれた絆創膏を貼った写真を公開しました。

    写真と一緒にこういうコメントも載せました。

    大統領選挙を控えて競争に乗り出したユン・ソクヨル前検察総長が大統領選候補を選ぶ党内選挙討論会で左手に「王」の字を書いて参加した事実が明らかになり、お守りに対する好奇心が強まりました。左手に書いたお守りのせいで、ただでさえ苦しいユン・ソクヨルの大統領選への成功は、いばらの道となりました。テレビ討論の度にうわさに苦しめられているので支持者が「頑張れ」と書いてくれたのかもしれません。

    単純に支持者の心が込められたのか、占い師の呪術が込められたのか分かりませんが、3回に渡る討論で手の平に王の字を書いて登場したのなら自分に御利益があると信じたと見るのが正しいでしょう。

    大統領選に挑戦する政治家も、こんなありさまなので不安を紛らすために入試や就職試験に合格を願いながらお守りを買う人々の心情が理解できます。

    韓国でお守りを買う人が多いですかって?

    オンラインショップで色々なお守りを売っているから、お守りを買う人も多いという意味でしょう。
    サイトに入ると高僧の直筆のお守りだと言って、ものすごく高い値段で売られたりしています。

    たまに食品業者がマーケティングに使うこともあります。

    21世紀に、まだお守りですって?
    舌打ちする人もいるでしょうが、都会化が進むにつれ病気や不幸を避けるためにお守りに頼る人が多くなるというのが文化人類学者たちの結論です。疎外感と不安心理がより大きくなるためだそうです。

    韓国だけでなく中国、日本、西洋も同じです。韓国の場合、キリスト教文化の影響でお守りは撤退しなければならない迷信と見なされ陰に隠れてしまったのです。

    韓国にも歴史時代から、お守りが存在しました。

    韓国に文明を開いた桓雄(ファヌン)も父の桓因(ファニン)に「天符印」の印をもらったのですが、ある意味ではこれをお守りだ見ることができます。その後、韓国に様々なお守りが登場しました。

    雷に打たれたナツメや怨霊が嫌がるという金具、動物の羽毛、生殖器、虎の爪で作ったお守りは、大家に掛けられました。宮中でも災いを退ける四寅剣が王様を護衛しました。

    純陽の気運が込められた邪剣が邪気を斬り災いを退けると考え、いや、そうなることを願ったのでしょう。

    陽の気運で陰を追い払うというお守りの効能は民間でも広く使われていました。

    世の中がすっかり闇に覆われ稲妻が走った日、お守りに火を灯したりしました。
    濡れた木や牛に与える水がお守りに活用されました。

    空で陰陽がぶつかって雷と稲妻が作られるので、たくさんの煙を上に上げて雲を中和させるためのもがきでした。

    今は田舎で、このようなお守りを燃やすところは見つけにくいです。
    避雷針の効能をみんな知っているからです。

    しかし、お守りはまだ表門の前に、リビングの窓枠の上に、枕の中に、そして下着の奥深くに隠れています。
    科学が人間の疎外感や不安を癒やすことができない限り、お守りは我々の暮らしに共にあります。