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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    いつから韓国でキムチを漬け始めましたか?
  • A.
    11月になると韓国の主婦たちはキムジャン(キムチを漬けること)の心配をするようになります。江原道(カンウォンド)の山間地域では11月初めにキムジャンを始め、南部地方では12月に入ってからキムジャンを始めます。

    だからといって、特に決まったキムジャンの時期はありません。冬の間、食べ物を準備するためにキムチを漬けるのですから、その年の天気によって変わります。

    今年は寒波が早く訪れ、早くからキムジャンの心配をするようです。

    韓国では秋の梅雨に寒波まで早く訪れたせいで白菜が「金菜」*になってしまいました。白菜畑には葉が崩れ落ち内側まで破れて倒れた白菜だけです。農家は大きな不安を募らせていますが、高騰する白菜価格に主婦たちの心配も並大抵ではないでしょう。

    * 金+白菜

    キムジャンは韓国固有の文化です。ユネスコにも登録されました。「キムジャンキムチ」が登録されたのではなくキムチを漬けるために親戚と村人が集まりキムチを分けて食べる行為が登録されたのです。

    そのため、韓国でいつからキムチを漬け始めたのかも、このような文化がいつ頃生まれたのかを調べる問題となります。韓国人が、いつからキムチを漬け始めたかを示す正確な記録はありません。どこで、誰が、いつ、こんな問いに答える記録がないということです。

    厳密に言えばキムチさえ歴史が不明確です。

    ただし、いくつかの歴史的記録から推測することはできます。高麗中期の文章家イ・ギュボ(李奎報)『東國李相國集』の記録もそのうちの1つです。「キムチにしたダイコンは夏に食べるのに最適で、塩漬けしたダイコンは冬の間ずっとおかずになる」冬に食べるためにダイコンを漬けて保管していたことを示しています。

    野菜を保管するために塩漬けにする方法は高麗以前、三国時代にも行われていたそうです。高麗時代には、塩漬けにした野菜に調味料を加える形へと発展したと思われます。

    また朝鮮時代には「プマシ」といって村の人々が集まって助ける文化がありましたが、キムジャンを行う時も多くの人が集まっていたのではないかと推測できます。

    そうだとしても、高麗末期に現在のようなキムジャンが登場したという意味ではありません。白菜やダイコンなど野菜を塩漬けにするのも大変なので一緒に集まったということしか分かりません。

    今日のキムジャンの主な材料である唐辛子が韓半島に伝わった時期は16世紀以降なので、高麗末や朝鮮初期にキムジャンをしても、タクアンぐらいだったでしょう。

    朝鮮時代にはキムチの主材料である白菜自体が、とても貴重な食材でした。中国から種を持ってきて植えなければなりませんでした。 種自体が貴重なので国で白菜専用の畑を指定し品質の良い白菜を得るためにまばらに植えたと伝えられています。

    **唐辛子の登場でキムチを漬ける時、塩辛類と海産物、豚肉などを追加することができるようになりました。唐辛子の辛い味と香りのおかげで、海産物の生臭い匂いを無くすことができたからです。唐辛子はキムチが植物性と動物性食材が混合された独特の発酵料理にしてくれたのです。

    • 忠清北道(チュンチョンプクト)の槐山(クェサン)で行われたキムジャン分かち合いイベント



    だから白菜を塩漬けにし粉唐辛子をたっぷり入れた調味料を混ぜ合わせるキムジャンは白菜が一般的に野菜になってからのことだと言えるでしょう。

    参考に済州(チェジュ)にはキムジャン文化がありません。一年中野菜が手に入るのであれば、冬に食べる野菜をわざわざ保管する必要がなかったからです。