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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    「次から次へと続く話」に出てくるルームサロン事件について教えてください(下)
  • A.
    左から2番目の巨体な男がソジンルームサロン(ホステス付きの個室クラブ)事件で死刑判決を受けたコ・グムソクです。

    「チンソギ派(ソウル木浦(モクポ)派)に加担して以来、水火も辞さない行動隊員として最も凶悪非道な殺傷行為を引き受けてきました。ナイフで被害者たちを20回余り刺し致命傷を負って倒れた人のアキレス腱を切りつけ、腱が切れ骨まで砕けるほど…」

    検事は論告で「自ら人間であることをあきらめた」という言葉を実感させるほど殺害された被害者の状態は凄惨でした。

    頭を下げた姿から獣のように暴れていた当時の場面を思い浮かべるのは容易ではありません。

    故郷でも、コ・グムソクが殺人を犯して死刑宣告を受けたという事実に衝撃を受けました。
    「あんなにいい子が…」

    コ・グムソクの父親は村人たちから尊敬される島の学校の先生で母親は愛情をそそいで育てました。幼い頃から大柄な彼は酔っ払った村の大人がいれば、家におんぶして連れて帰る青年だったと言います。

    ソウルで一人暮らしをしながら学生生活をしているコ・グムソクの夢は、足の悪い母親に自家用車を買ってあげることだけでした。新聞配達などをしながら苦労していた彼に故郷の先輩のチャン・ジンソクが近づきました。

    彼の紹介でナイトクラブでカウンターを見る仕事をするようになりました。あまり大変なことでもないのに対価としてもらうお金は胸を躍らせるほど多かったです。そんなある日、急な連絡を受けて闘いに入りました。拳を何回か振り回しただけなのに大金を渡されました。

    そうやってお金の誘惑に負けました。実質的なボスであるチョン・ヨソプや先輩のチャンさんに頼まれれば、何も気にせず飛び込むようになりました。

    ソジンルームサロン事件で最も凶悪な犯人とされたコ・グムソクは、一味の中で最も心弱い人でした。心が弱いので、むしろ暴れてしまったというのがふさわしい表現でしょう。

    コ・グムソクを悪の世界に引き入れたチャン・ジンソクは、法廷の事実審理でコ・グムソクが「すべての犯行を主導した」と陳述したため死刑から無期懲役に減刑されました。

    死刑囚となったコ・グムソクは仏教に帰依した後、毎朝起きて「三千拝」を捧げ、自分に殺された霊魂に許しを求めたと言います。膝がすりむけて血が流れてこそ眠ることができたからでしょう。

    故郷の隣に住んでいた幼馴染であり初恋の相手でもあるユンさんは、コ・グムソクが収監された後、毎日刑務所に面会に行きました。死刑台に立つ運命であることを知りながらも獄中結婚を望みました。

    ユンさんが結婚を望むという話を聞いてからコ・グムソクはユンさんの面会を断りました。その代わり、彼を仏教に導いたサムジュン僧侶にユンさんが自分のことを忘れて豊かに暮らせるようにと頼んだそうです。コ・グムソクが現われなくても、ユンさんは毎日刑務所を訪れました。そんなある日、面会を申し込んだユンさんは、刑務官に「今朝、死刑が執行された」と聞き座り込んでしまいました。

    コ・グムソクの死刑が執行された1週間後、ユンさんはサムジュン僧侶とともに江原道(カンウォンド)旌善(チョンソン)の山里の子供たちに海を見物させました。

    山里の子供たちからは、「コ・グムソクは足長おじさん」と呼ばれました。当時としては少なくない5万ウォンが入った手紙を送ってくれるおじさんでした。

    領置金を集めて山奥の子供たちに学用品を買ってあげ海を見物させる「か弱い魂」を悪の世界に引き込んだ社会。手にナイフを持って、はげしく狂っている人、そうしろと指示しては陰で笑っている集団、この社会で先に撲滅すべき対象は誰でしょうか?

    ソジンルームサロン事件の説明を終わりながらも、このような疑問が消えません。