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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    大韓航空機でポスコ役員が起こした「ラーメン常務」事件について教えてください。
  • A.
    お金が多く、権力のある人々が醜態を犯すところが何か所かあります。バーやゴルフ場、ホテル、そして飛行機が金持ちたちの俗物根性があらわれる場所です。

    しかし、財閥の総帥たちはむしろまともな人が多いです。周りの人が勝手にもてなすので、あえて権力をふるう必要もありません。何か怨みのある人、すずめの涙ほどの勢力を他の人々があまり分かってくれない人が権力を振り回すために暴れる場合があります。

    少し前には、製パン業者の中小企業代表が臨時駐車場にBMWの乗用車を長時間駐車し、車をどけてほしいと連絡をしてきた50代のホテル支配人に10分間文句を言った後、財布で数回頬をぶった事件が生じました。事件の軽重を計算することはできませんが、ここ数年の間で最も話題になった事件は、飛行機でラーメン騒動を起こしたワン常務の事件でしょう。

    2013年4月に大韓航空機内で、暴言と暴行により務めていた職場から去ったポスコエネルギーの役員も何か怨みが多かった人だったのでしょう。ポスコエネルギーは韓国で非常に良い職場の一つであるポスコの系列会社です。

    他人は成功したと評価するかもしれませんが、本社でもない系列会社であることを考えてみれば、ポスコ内で要職についていたと見ることもできません。彼の履歴書を覗いて見たことはありませんが、仲間たちに遅れをとって系列会社に押し出されたケースである可能性が高いです。

    系列会社の役員は、とてつもないストレスを受けます。通常、任期が2年ですが成果を出すことができなければそこで終わりです。本社に比べて業績を出すことが難しく、関連会社から多くの援助を受ける必要があります。ある時には後輩にあたる本社の社員に協力を求めるため、お酒の席を設けてお願いをする必要などがあります。

    どんな紆余曲折があったのかは分かりませんが、とにかく彼は飛行機に乗りました。ビジネスクラスです。ファーストクラスには及ばないものの、それでもお金がある人々であるからこそ利用できる座席でしょう。彼は発券の時に、隣の席が空いている席を望んだと言います。

    彼は飛行機に乗ってすぐ、隣の席が空いていないと不満を言いました。搭乗が完了した後、一人で座ることができる座席を確認して案内したものの、近くに同じグループの常務が座っていることを確認して、元の割り当てられた自分の席に座ったとされています。この時点で、会社内での位置に対する劣等感のようなものがあったことを垣間見ることができます。

    とにかく仁川空港を離陸した後、3時間が過ぎて機内食にビビンバが出ると「お米に芯が残っている」と変更することを要求し、新しいビビンバを提供したものの、再びダメ出しをしてラーメンを作ってくるように言いつけました。

    乗務員がラーメンを出したものの、やはり「あまりにもしょっぱい」、「しっかりと煮えていない」などの難癖をつけながら三回も拒否しました。ラーメンを通路に投げ捨て、暴言も躊躇しませんでした。

    このような暴動は、着陸を2時間前にして極に達しました。厨房にあたるギャレーに乗り込み、「なぜ持ってこいと言ったラーメンをくれないのか」と大声を上げて雑誌で女性乗務員の顔を殴りました。

    他の乗組員に暴行の事実を聞いた航空機の機長は着陸許可を受けながらLA空港の管制塔にこの事実を報告しました。飛行機が着陸して、このポスコの役員を出迎えたのは会社の社員ではなく、米国連邦捜査局(FBI)の要員でした。

    FBIは彼に暴行申告に対する調査を受けるか、それとも韓国に帰るかと尋ね、彼は米国に入国する代わりに韓国に戻りました。韓国行の途中でおとなしくしていたかについては記録にありません。

    彼が韓国に戻ってきたのは賢明な選択だったと思います。韓国であれば軽い暴行事件として扱い、あちこちに手を回して鎮めることもできるでしょうが、米国であれば、刑務所に閉じ込められたかもしれません。航空機機内での暴行や暴動は、他の乗客の安全まで脅かす重大な犯罪とみなされるからです。

    このような事実がマスコミに報道された後、世論が過熱し、インターネットに写真まで公開されました。苗字がワンであるという事実も明らかになりました。事態が飛び火していくと、ポスコとポスコエネルギーは会社のホームページに謝罪文を上げ、彼は最終的に役職から降ろされ辞表を出しました。

    ラーメン一杯で彼の人生の後半が飛んでしまったわけです。