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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    IPTVが韓国で有料コンテンツの消費を促進しましたか?
  • A.
    先日、隣の奥さんが帰宅した夫に盛大に怒られたそうです。夫婦喧嘩が起きれば常に母親の見方をする子供たちも、この日ばかりは全員背を向けたといいます。事情が気になって調べてみると、なんとIPTVのせいだったそうです。

    夫と子供を家の外に送り出した後、コーヒータイムを楽しんでいた主婦は、ふと過去の連続ドラマを思い出しました。頭の中でドラマのあらすじを追いかけていた瞬間、思い出せなくなり「その後、どうなったんだっけ」という疑問に耐えることができず、自分も知らないうちにテレビの前に座り込んだそうです。片手にコーヒー、もう片方にはリモコンを持って「番組再放送」の項目に入って、見たかった回が見つかった瞬間、テレビ画面に固定された主婦の視線を奪う存在は何もありませんでした。

    午前から午後7時まで、なんと10時間以上ドラマを見ていた主婦は、帰宅してきた夫が押したブザー音にびっくり驚いてしまったという、そのような話です。

    日本にもこのような年配女性がいるかどうかは分かりません。子供たちがゲームにはまるように、IPTVは年配の女性にリモコン持つことを強制します。家族たちが久しぶりに一緒に夕食を食べた後、リビングルームに集まって映画を見る風景も生まれました。

    Internet Protocol Television。アジアでは香港がIPTVの天国と知られています。香港ではケーブル放送よりIPTVを好むという話を聞いたことがありますが、事実であるかはよく分かりません。とにかく韓国でIPTV見る人が増えているという事実は確かです。去る2014年8月に加入者が1000万人を超えたという公式集計も出てきました。

    韓国でIPTVサービスが2008年11月に始まったので、1000万人突破までに6年もかかっていないわけです。

    IPTVはお金を出して見る有料放送です。日本はどうか分かりませんが、現在韓国でお金を出して見る有料放送は3つあります。1995年に始まったケーブルTVと、2002年に導入された衛星放送、そしてIPTVです。

    一時はケーブルTVが大勢でしたが最近になって支配構造が変わるような雰囲気です。もちろん、まだ有料放送の視聴者のうち、ケーブルTVを見る人が最も多くはあります。しかし、ケーブルTV加入者はますます減る一方でIPTV加入者は増えており、今後、逆転する可能性が大きいでしょう。

    IPTVはKTとSK、LGなどの通信社がサービスをしていますが、これらの企業が手堅い大企業である上、市場での優位性を獲得するために死活をかけて戦っているので、加入者の好みに合う条件を提示しています。また、通信社がIPTV、携帯電話、高速インターネット、固定電話をパッケージにして、まとめて割引をする結合商品を作って売っているという点も魅力的です。

    これに対し、ケーブルTV事業者は自分勝手にチャンネルを変えてしまったり、番組を何度も再放送したりと、視聴者を愚弄することを行ってきたので、少し苦戦が予想されます。

    IPTVの強みのうち、VOD(ビデオオンデマンド、Video on Demand)も見逃せません。もちろん、ケーブルTVもVODサービスが可能ですが、このサービスを利用しようとケーブルTVに加入する人はほとんどいません。さらに、加入者のうち半数以上が、まったくVOD視聴が不可能なアナログ加入者であるという点がケーブルTVが持つ弱点です。

    VODサービスは、コンテンツの有料化にも一役買っています。 IPTV3社の昨年のVOD月額売上高が1300億ウォンで、前年に比べて400億ウォンも増えました。韓国でオンラインで映画を見るために使っっていたお金は、2009年に889億ウォンから2013年の2676億ウォンへと3倍近く増加しましたが、この市場でIPTVが占める割合が65%に達しています。

    映画業界では、IPTV加入者が増えて不法ダウンロードをする人が減ったと喜んでいる雰囲気です。このような事情から、IPTVなどの有料放送を狙って製作する映画もあるそうです。500万人以上の加入者を持つKTは『建築学概論』、『後宮の秘密』など、かなり多くの映画を劇場で上映されている同じ期間にIPTVを介して公開したりしました。

    IPTVで劇場公開中の映画を観るには、より多くの代金を払うことになりますが、複数の人が一緒に見れば価格も割安になるだけでなく、指定された期間(約2日)中に何回でも再生できるという利点があります。

    韓国のIPTVが現在のような成長を続けるかはまだ未知数です。市場自体が飽和状態に達したという分析もあり、コンテンツを供給するためにかかる費用が巨額であるという点が成長を妨げているという指摘も出ています。