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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    チョンジャットン(種子金)とは何ですか?どれくらい必要なの?(上)
  • A.
    今ではかなり成功した実業家の知人がいます。生活用品を安く作ってチェーン店へ供給するビジネスモデルが彼のビジネスアイデアであり、今でもそれが事業の主軸です。

    時に人気商品が現れると、あちこちを探し回って安く作っては、流通網を組織して、いっきに完売させてしまう優れた才能も発揮します。よく売れるからとたくさん作ったりはしません。「絶対に在庫を残さない」というのが彼のビジネスをしながら掲げる鐵則です。

    お金持ちだったわけでもなく、学歴が優れていないのに事業を起こしたからなのか、かつて法務部から推薦されて、刑務所の受刑者に講義をしたこともあります。そのためか、国会議員がなろうと夢を見たこともありましたが、政界に出ようという夢を今も持っているかどうか知りたいものです。

    いろいろな種類のものを扱う市場の一角に、生活用品店をオープンさせたのが彼のビジネスの始まりですが、その時に彼が持っていた財産はそれがすべてでした。お店をオープンしたときに使ったお金は、すべてで合わせて500万ウォンだだったそうですが、30年の時間が流れたことを考えても、それほど大きなお金ではありません。

    500万ウォンが彼にはチョンジャットン(シードマネー、種子金)になったわけです。

    このお金で事業を始めると言ったら、おそらくクレイジーだと言われることでしょう。財テクをしたり、ビジネスを始めるときのチョンジャットンの額は、ビジネスの種類に応じて違います。韓国では、先進国に追いつくため、重工業を始めようとする企業に政府がチョンジャットンをあげていましたが、規模は千億ウォンに達するほどでした。

    崩壊していく企業を再生させようと、銀行から貸し出すチョンジャットンも普通の人は、触れることもできないほど膨大な金額です。あまりにも多くの人の利害関係が絡んでいて、国の未来を左右することになるため、血税で作られた莫大な資金が企業のチョンジャットンとして使われるのです。

    普通の人が考えているチョンジャットンも人によって違います。韓国が貧しかった時代には、子供の大学の学費を事前に調達しておこうと、教育保険に加入することが親にできる最小限の道理だと考えられていました。多分、大学4年間の学費が子供の人生のチョンジャットンになると信じていたのかもしれません。

    チョンジャットンは前述したように、ビジネスモデルに応じて金額がかわります。言い換えれば、チョンジャットンの額ではなく、ビジネスモデルが重要なのです。スティーブ・ジョブズとウォズニアック、ロン・ウェインがガレージでアップルを始めましたが、米国のIT企業を象徴するアップルのチョンジャットンは多くはなかったということです。

    次回は、チョンジャットンを作る方法について考えてみます。