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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国人が好きな刺身は、どの魚の刺身ですか?
  • A.
    よだれが出てきますね。

    窓から街の様子を見てみると、周りに刺身を食べることのできる飲食店が一つもありません。最近は商売がうまくならないからか、店をたたんだ日本料理店がかなり多いそうです。大都市の中心部で刺身を扱うお店は日本料理店ですから、刺身を食べられるところも少なくなってきているわけですね。

    大都会の中心で刺身の看板を掲げているところの、ほとんどはマグロを出す店です。遠洋漁船で捕まえたマグロを冷凍してから刺身に使うところです。マグロは多く捕まるうえに、サイズも大きく、部位別に多様に売ることができますが、実際には刺身より缶詰として、より身近な魚でもあります。

    おかずがない場合は、ツナ缶を買ってきて白いご飯に混ぜて食べることができるため、料理に不慣れな独身男性に多く売れ「男​​た​​ちの食べ物」と呼ばれたりもします。ツナの缶詰めはコンビニエンスストアでもよく売れる商品です。ツナの缶詰がどれだけ大衆的に食べられているのか、小学生が書いた「マグロの神秘」という文を見るとわかります。最後に掲載するので、韓国語のわかる方は読んでみてください。

    とにかく都市ではマグロがもてはやされていますが、刺身を好きな人が好んで食べる魚ではありません。韓国で刺身として最も好まれている魚はヒラメ(韓国語:광어、クァンオ)とクロソイ(韓国語:우럭、ウロク)と見るべきでしょう。

    ヒラメは純粋な韓国語でノプチ(넙치)と呼ぶのですが、魚の名前を呼んだり、子供たちのニックネームにはノプチという言葉がけっこう使われるのに、刺身の場合はクァンオ(広魚)という名前だけ使われるのが少々不思議ですね。海の底で暮らすカレイ目のヒラメは目が左が集まっていますが、最近は右によっているヒラメも捕れるそうですよ。

    ヒラメはサイズも多様で、釣りをしているとたまに2メートルを超えるものを釣り上げたりもします。カレイの種類の中で最もおいしいといいますが、最近は養殖場で大量に飼育されたヒラメを簡単に見かけるようになりました。1980年代にヒラメの養殖場が沢山できましたが、もともとは日本輸出用に作られたものでした。

    日本でも莞島(ワンド)や済州(チェジュ)で養殖されたヒラメを高価で買い取るという言葉を聞いたことがありますが、事実かどうかはよく分かりません。とにかく世界のヒラメ生産量の51%が済州だったというのですから、ヒラメを刺身の代表として挙げてもよさそうです。

    クロソイも大量養殖に成功し、刺身で簡単に楽しむことができるようになりましたが、ヒラメとは異なり、刺身だけでなく、蒸したり、鍋の材料としても多く使われます。刺身としてはヒラメとクロソイはほぼ同レベルで扱われますが、養殖の期間がヒラメより1年長いうえ、刺身にできる部位が少なく、刺身で食べる時にはヒラメよりも若干高くなる場合が多いです。

    白身魚の中ではタイも刺身として人気が高いですよね。日本ではタイを最高の刺身として扱うそうですが、韓国でもウナギやフグとともに高価な魚のうちの一つです。サイズの大きいタイはあまりにも価格が高いため、お金持ちでない以上は食卓にのることはあまりありません。

    貴重な魚であるため、テレビの放送でも論争を引き起こした問題の魚です。数年前にSBSで『ファミリーがやってきた』というバラエティ番組を放映したことがあるのですが、この番組に出演したキム・ジョングクが釣りで大きな真鯛を釣る光景が放送されました。当時の市場価格で20万ウォンに達する大きなものだったため、放送された後、釣りの初心者が幸運で釣ったにしては信じられないほど大きいと言ってやらせ論議が絶えなかったそうです。

    • 時価20万ウォンの真鯛を釣ったキム・ジョングク

    このほかに、韓国で刺身に主に使われる魚はボラとサケ、マス、サバ、タチウオ、ブリ、コノシロなどがありますが、マスを除けば典型的な刺身用の魚に分類することは容易ではありません。

    サバとタチウオは済州島では刺身として好んで食べる魚ですが、内陸部ではほぼ刺身で食べることはありません。黒山島と紅島など、全羅南道の海岸地域では臭いのきつい発酵させたエイも刺身で食べるそうです。

    コノシロは刺身で食べますが、魚の骨ごと食べることができるように、骨ごと細かく切ったものを食べます。