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  • Q.
    韓国で社会的に物議をかもしたスポーツ賭博や八百長事件について教えてください。(3)
  • A.
    (※この記事は「韓国で社会的に物議をかもしたスポーツ賭博や八百長事件について教えてください。(2)」の続きです。)

    プロ選手らしくないとんでもないミスが相次いだため、耐えかねたファンたちが文句を言います。

    そんな中、ある人が一言吐き捨てるました。

    「あいつ、トトをしてるんじゃないか」

    ここでの「トト」とは、国家機関である国民体育振興公団が発行するスポーツtotoを意味しています。totoに掛けた後、粗末なプレーをしたのではないかという疑問の声です。もちろん、選手はトトを買うことができないようになっています。

    実際に自分が出場する試合に他人を介して賭けたことが摘発され、罰金100万ウォンに、永久除名されたバスケットボール選手もいます。なぜこのような過酷な措置をとるのかというと、試合の勝ち負けを操作する(わざと負ける)からです。

    韓国スポーツは勝負操作(승부조작、八百長のこと)という暗い過去を持っています。勝負操作は権力と金に支配されています。オリンピックで金メダルを取ったショートトラック選手(ヴィクトル・アン)が勝負操作の結果、韓国代表チームになれず、ロシアに移民した事例は、すでに世界中に知られている事実です。

    テコンドーでは不公平な判定により息子が試合に負けた後、その鬱憤を我慢できなかった選手の父親が自殺する事件も起きました。仁川でテコンドー道場を運営していたチョンさん(仮名)は審判が不公平な判定をしていると考えて、息子をソウルにある学校に転校させましたが、ソウルでまたその問題の審判に会いました。

    大きな点数差で勝っていた息子が試合終了50秒を残して、審判に7回も警告を受けた末に逆転負けすると、審判を恨む遺書を残して自ら命を絶ちました。彼の死をきっかけに警察が捜査に乗り出し、協会の専務まで加勢した組織的な勝負操作の事実が確認されました。

    上級学校に進学させるための請託はあまりにも蔓延しており、いちいち取り上げることも難しいほどえす。このような問題を抱えてプロスポーツ界に入った選手が八百長に加担するのですから、治すことの難しい病気にかかった状態です。シルム(韓国の相撲)でもタイトルをかけて、お金の取引をした事実が明らかになったことがあります。

    勝負操作は国が賭博として認めた競輪や競艇も例外ではありません。

    賭け事の借金を返済するために、スター級の競輪選手が組織暴力団と組んで、2009年3月から2012年2月までに146回にわたって勝負操作をし、最終的に摘発されました事件が起きました。賭博のためのサイクルに乗る選手とはいえ、競輪選手になるには難しい選抜試験に合格した後、地獄の訓練を経なければならないため、全く残念な結果です。

    高速艇に乗って行う競艇も2002年に発足した当時から勝負操作説が絶えずささやかれ、最終的に2012年に勝負操作が行われているという事実が確認されました。幸いなことに、韓国最大の公認ギャンブルである競馬では勝負操作の話は出ていません。取り締まりも激しいうえ、競馬場から追い出されでもしたら、失うものがあまりにも多いので、選手たちが気をつけているのでしょう。

    競輪と競艇での勝負操作はまだ可愛いものでもあります。競技場を訪れる客も全員が賭博師なのですから、スポーツ精神云々と語るのは少し居心地が悪いですね。

    しかし、多くのファンが熱烈に応援するサッカーとバスケットボール、バレーボール、野球で行われる勝負操作、八百長は黙認しがたいものです。「脚本のないドラマ」であるスポーツの世界に暴力組織を引き込むうえ、それらを見守る子供たちの心までも踏みにじるものであるからです。

    (※この記事は「韓国で社会的に物議をかもしたスポーツ賭博や八百長事件について教えてください。(4)」へ続きます。)