記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
HOME > 韓国Q&A

  • Q.
    韓国最長寿アイドル、神話の神話たる理由を教えてください。なぜ長寿アイドルになれたのですか?商標権を争った経緯についても教えてください。
  • A.
    • < 「신화(シンファ)」商標権を取り戻した後、翼を広げた神話は、ソウルオリンピック公園体操競技場にてデビュー17周年記念アンコールコンサートを開催した。写真は今年の『M COUNTDOWN』の舞台でのもの >



    日本にもロングランのアイドルグループはいるのではないでしょうか。SMAPは日本の「国民アイドル」と聞きましたが、神話(신화、SHINHWA、シンファ)はSMAPと同じ道を歩んでいるとも言えるでしょう。

    SMAPもデビュー初期には苦戦をしたといいます。正式デビューした翌年、名古屋で開催されたコンサートでは観客があまりおらず、社長に頻繁に呼び出されて「君たちはどうしてヒットしないのか」とお叱りを受けたという言葉を聞いたこともありますが、事実なのかは分かりません。

    神話も同じです。H.O.Tという1世代韓流スターの壁に塞がれて苦戦し、H.O.T解体以降には後輩グループgodの人気についていくことが出来ませんでした。SMエンターテイメント(以下、SM)内でもH.O.Tと韓国ガールズグループの新しい世界を開いたS.E.Sの後光に押されて第二人者のレッテルをはがすことが出来なかったといいます。僅かに邪魔者の扱いも受けたことでしょう。

    SMAPのロングランの秘訣にメンバーの義理があったように、神話も同じです。メンバーが一人二人と離れればグループ自体を維持することが出来ないことは当然です。メンバー個々に困難や不運な出来事が生じたとき、そんな時にその人を捨てるよりも、大衆に忘れられないように守り抜く力をSMAPや神話は持っていました。

    ともすれば、これはデビュー初期の不運、苦労、早期に解体されるかもしれないという危機感などがメンバーを実の兄弟以上に結束させたことで生じた力なのかもしれません。

    神話は1997年11月に結成され、1998年3月にデビューしました。デビューし、発売した1集の成果はあまり良くありませんでした。ダンスグループの勝敗は活動を開始してから3~4ヶ月の間に結果が出ると言いますが、神話は2集から名前を知らせ始めました。

    SMAPがバラエティ放送に出演、熱湯に入る罰ゲームを受けたり、女装するなど破格的な行動でチームが解体させられるかもしれないという危機を克服したと言いますね。神話は解体の危機までとはいきませんが、アイドル歌手としてトップに立つことが出来ないという悩みをバラエティとチムスンドル(獣+アイドル)というイメージで打開していきます。

    筋肉で鍛えられた体を見せるパフォーマンス、バラエティ番組で果敢に壊れる姿を見せるアイドルは神話が初めてでした。チムスンドルとしての活躍(?)は頂点に達し、アイドル初の(恐らく最後の)ヌード写真集を出したりもしました。このヌード写真集は発売するや完売しました。

    神話のファンは最初から神話だけを見つめてきたコアなファンたちです。大衆文化評論家たちは神話が長寿でいられる秘訣について、大衆性が不足している一方でコアファンを確保したためだと分析しています。

    SM所属の神話が活動した時期は6集アルバムを出したことで終了しました。そしてメンバー全員がSM出身のマネージャーが設立したGOODエンターテイメントに移りました。

    この過程でリーダーのエリックの役割が大きくありました。本人が自ら関連の法律を勉強し、何度も弁護士と会って回ったお陰でメンバー個々人の商標権をSMから持ってくることが出来たといいます。エリックは弁護士に会いに行くたびにスーツを着て出かけたのですが、理由を知らないファンたちがチームが解体するかもしれない危機状況で女性と会っていると誤解したとか。

    移籍当時、神話と親しくしていた歌手SE7ENがYGエンターテイメントに来いとオファーしたりもしましたが、神話という名前を守るためにGOODエンターテイメントを選んだのです。GOODエンターテイメントがSMの子会社ではなくとも、SM出身マネージャーが作った会社であるため、SMとしては関連性を守るという意味もあったでしょう。神話の商標権はSMがGOODエンターテイメントに貸与する形式でしたが、2007年にSMがオープンワールドエンターテイメント(現ジュンメディア)に売却したことで、商標権紛争が勃発するきっかけとなりました。

    オープンワールドは代表が性的暴行事件を起こしたところであったため、神話ファンとしてはもう終わりだという雰囲気でした。

    SMを離れた後、イ・スマンはSMを離れてうまくいった例はないと酷評しましたが、神話はすぐに大賞を受ける気炎を吐きます。一方で所属事務所GOODエンターテイメントは経営難により自動車会社と合併され、芸能部署に降格され、ついには神話を担当することさえも出来ない状況に陥りました。これに神話メンバーたちはグループ活動はGOODエンターテイメントに任せることにし、残りの個別活動は別の企画会社を通じて探し出すこととしました。

    しかし2008年、GOODエンターテイメントが空中分解され再び危機が訪れるかと思われました。これを打開するために作られたのが現在の神話カンパニー(旧シンコムエンターテイメント)です。エリックとイ・ミヌが共同で代表を務め、他のメンバーが持分投資する形式で設立された会社です。

    ジュンメディアと訴訟を起こしている間、神話が出したアルバムには「神話」という名前が付けられていません。

    シンコムとジュンメディアは最近まで訴訟戦を繰り広げました。ジュンメディアはSMから神話商標権を買った後に更新し、権利が満了となる日は2025年に延長されました。神話のファンとしては気が狂いそうだったことでしょう。神話カンパニーがシンコムエンターに名前を変えたこともこれと関連しているという事実が簡単に分かりますね。

    ジュンメディアは商標権使用料請求訴訟にて一部勝訴判決を受けることに成功しましたが、その後シンコム側が控訴して事態は複雑になりました。神話が神話という名前を使わないのであれば、ジュンメディアが受けるものが無いのです。結局はジュンメディアも裁判部の強制調整に参加し、商標権譲渡に合意しました。

    2015年6月11日、神話は商標権名義移転を終えました。これによりアイドルグループ「神話」の名前は完全に彼らのものとなりました。


    神話商標権紛争の経緯

    2003年 神話、SMエンターテイメントとの契約満了
    2003年 SM、GOODエンターとグループ名「신화(神話)」の使用許可契約
    2004年1月 SM、神話商標権出願
    2005年3月 SM、神話商標権登録、ジュンメディアに商標権委託
    2006年 SM、ジュンメディアに商標権売却
    2011年 神話カンパニー、ジュンメディアと神話商標権使用契約締結
    2012年 神話カンパニー、ジュンメディアに「商標権を持っている」という事実確認要請。ジュンメディアがこれに応じないため、契約解除通告
    2013年 ジュンメディア、神話商標権更新、存続期間2025年3月に延長
    2013年 神話カンパニー、シンコクエンターに商号変更
    2014年 シンコムエンターとジュンメディア、コンサート収益とファンクラブ運営収益をめぐる法廷攻防
    2015年5月 ソウル高等法院、商標権名義移転強制調整
    2015年6月 シンコムエンター、商標権名義移転完了

    各メンバーについては「韓国最長寿アイドル神話のメンバーはどんな人ですか? 」へ