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  • Q.
    TWICEツウィの国旗騒動、何が問題だったのでしょうか?(2)
  • A.
    ※この記事は「TWICEツウィの国旗騒動、何が問題だったのでしょうか?(1)」の続きです。

    泛緑連盟(泛綠聯盟、Pan Green Coalition)という台湾の政治勢力は、台湾独立という共通の目的を追求しています。政党間の公式合意はありませんでしたが、共通の目的を持っていることから、選挙シーズンには影響力を発揮します。

    今回の総統を排出した民主進歩党(民主進步黨、民進黨)が泛緑連盟の一つの軸です。泛緑連盟の支持者は、台湾は中国と非常に異なる社会だとし、台湾共和国を建立しようという主張を披瀝します。

    まず一枚の写真を見てみましょう。

    1926年に発行された中国の地図ですが、ここで台湾は中国の領土から除外されています。台湾独立派が名分として掲げる地図です。台湾独立派は、仮想の国旗も作ったのですが、国旗の形は次のとおりです。

    もちろん、彼らもすぐに独立しようという主張を出したりはしません。新しい国旗を振る瞬間に爆発するであろう大陸の怒りが怖いのでしょう。

    中国が台湾に武力行使も辞さないと発表した5つの項目のうち、最初の項目が台湾の独立宣言です。このほか、台湾が外国と軍事同盟を締結したり、台湾での内乱、大量破壊兵器の保有、一つの中国の原則を拒否した場合も、武力行使を辞さないというのが大陸の立場です。

    ツウィが振った青天白日万地紅旗(靑天白日滿地紅旗)は、台湾の国旗ですが、見方によっては国民党の党旗と違いありません。蒋介石の国民党は国共内戦の後に大陸を失って台湾に追い出されましたが、その結果、台湾原住民には望んでもいない主人ができてしまいました。台湾の独立には、このような事情も含まれています。

    台湾の原住民は、国民党とは無関係に、つまり国共内戦とは関係なく、中国共産党とは何の恩讐関係もなく平和に独立することを夢見るのです。これだから、非常に極端な分離主義者たちにとって、ツウィが振った青天白日万地紅旗はそれほど穏やかで優しいシンボルではありません。

    黄安がツウィを台湾独立主義者として責めたてたことは、行き過ぎた感があります。もちろん、中国が定めた5つの項目のうち「一つの中国を拒否」する行為と解釈される余地は十分にあります。

    中国には56にも及ぶ少数民族が住んでいます。漢族が全人口の90%以上を占めていますが、あまりにも人口が多いため、少数民族の数も少ないほうではありません。最も多いチワン族の場合1600万人以上にのぼります。

    台湾の独立は、これら少数民族の独立運動を煽る可能性があるため、中国としては決して容認できないことでしょう。少女の行動一つが中国大陸を揺らした理由でもあります。

    ツウィは自分も知らないうちに、決して望んでもいない台湾独立の象徴となってしまいました。『マイ・リトル・テレビジョン』で青天白日万地紅旗を振ったのも、海峡両岸は一つの中国だと謝ったのも、独立の象徴として使われています。

    ツウィが謝罪映像を公開した後、台湾のネットユーザーがツウィを題材にしてイラストを描き、そのイメージをインターネットに流しました。彼女は今後、中国と関連するいかなる発言をしても、このようなイメージが作られる可能性が非常に高いです。

    ツウィの謝罪映像は台湾のすべてのテレビチャンネルで緊急ニュースとして伝えられたのですが、「人質が処刑される直前に遺言を読むようだ」という反応が支配的でした。今回の総統選挙で逆風を迎えた国民党の候補ですら「台湾の自由民主を誇りにして国旗を振る友人たちと永遠に同じ側に立つ」という支持の声明を伝えたほどです。

    ツウィの行動がなぜ大事になったのかといいうと、彼女がジャンヌダルク(jeanne d'Arc)のように、救国の象徴となってしまったせいです。歌と踊りが好きな女の子の肩には、あまりにも支えることが難しい重い荷物です。

    ※この記事は「TWICEツウィの国旗騒動、何が問題だったのでしょうか?(3)」へ続きます。