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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国で活動する外国人の芸能人はどれくらいいますか。ビザの種類は何ですか。
  • A.
    本当に難しい質問です。なぜかというと、非常に多いからです。驚きましたか。本当に多いんですよ。

    少し過去のデータではありますが、2014年3月末基準で、一般的にE-6と呼ばれる芸術興行ビザを受けて韓国に滞在している外国人が5212人だと明らかになりました。おそらく現在の数値を見れば、もう少し増えていることでしょう。

    彼らすべてが芸能人として活動するわけではありません。E-6ビザを細分すると、E-6-1(芸術、芸能)、E6-2(ホテル、ナイトライフ)、E-6-3(運動)に区分されますが、運動選手のE-6-3ビザは今回の話からは除外するべきでしょう。実際にE-6-3ビザで韓国で活動する人は多くありません。サッカー、野球、バスケットボール、バレーボールしか活躍できるスポーツがなく、さらにはチームで最高2~3人までとなっているので少ないはずです。

    E-6-2ビザは、ホテルや遊興に区分されているのですが、彼らも厳然たる芸能人です。公演する場所がホテルやナイトクラブだという違いだけです。

    彼らがE-6ビザの発給を要請する過程も芸能人という点を強調して行われます。発給の過程を簡単に紹介しましょう。

    海外雇用斡旋業者が芸能人を抜擢し、その人が歌う映像を韓国に送ります。この映像で文化体育観光部の審査を受けて、審査を通過してこそビザが発給されます。ビザを受け取る前、韓国大使館でのインタビュー審査も通過しなければなりません。ビザの発給過程を見れば、E-6-2ビザを受けた人たちについて韓国政府が芸能人であることを証明していることを知ることができます。

    E-6ビザを取得するとき、もう一つ必要なものがあります。公演推薦という関門です。ここで登場するのが観光ホテルのレストランや外国人専用の遊興飲食店です。活動の舞台がスクリーンや放送ではないというだけのことです。韓国人の歌手たちの中でも、テレビに顔を一度も出さない人が溢れていますから、ナイトクラブで歌を歌うからと芸能人でないとは言えませんよね。

    人気がなくても「君たちは芸能人ではない」と念を押すことはできません。『百歳人生』という歌ひとつで25年間の無名生活に終止符を打ったイ・エランという歌手もいますから、スターではないとしても芸能人隊列の端に並べるのは事実です。

    観光ホテルのロビーラウンジで歌を歌う、初めて見るような外国の歌手も芸能人であることは明らかです。しかし、彼らが歌だけ歌って生計を立てているのかという問いに自信を持って「はい」と答えることが難しいことから問題が生じます。

    確かに韓国に入国するときには芸能人として入ってきますが、やることといえば週に2曲ほどを歌って、実際には遊興業店で客接待をしながら働く場合が多いからです。

    あるバーのオーナーは、カザフスタンに遊びに行って、非常にきれいな女性を見て惚れ、モデルにしてあげるからと連れて来て自分の妾にしました。お金をたくさん渡して楽な生活をさせてあげればよかったのですが、時々自分が働くバーにホステスとして呼び出して、モデルの仕事といえば下着のモデルの仕事くらいだけだったので、この女性はついに家を出てしまいました。このオーナーはカザフスタンの美女を探すために、お店のことを投げ捨てて全国を歩き回り、やがて一文無しになってしまいました。

    その娘も韓国に来る時は、E-6ビザの発給を受けてきました。モデルとして韓国に入国したので、E-6-1ビザを受け取ったのでしょう。実際、このビザで韓国に来て、ホームショッピングでモデルをする東欧の女性がたくさんいます。たぶん日本も事情はほぼ同じことでしょう。

    E-6ビザで韓国に来る外国人のうちでは、最も数が多いのはフィリピン人です。80%を超えています。多分英語ができるからでしょう。韓国で働くのに、なぜ英語が必要なのかというと……。

    駐韓米軍基地があるからです。「漢江の奇跡」を成して経済がある程度発達した韓国の女性たちは、これ以上もう米軍部隊の前でうろうろしません。ジュースやお酒、性を売るからと、米軍が特別に多くのお金をくれるわけではありませんから、米国人相手に性売買をしていると悪口を言われることをあえてしようとはしません。その場を埋めたのがフィリピンの女性たちです。2011年にE-6ビザで入国した外国人の居住実態を調査した際、42.4%が京畿道の東豆川市、議政府市、平沢市に集まっていました。3カ所とも米軍基地があるところです。

    韓国で実際にする仕事がなんであるかを知って入ってきたのか、だまされてきたのかは分かりませんが、彼らは歌手として入ってきました。フィリピン現地のエージェンシーのオフィスでリップシンクで動画を撮りながら、自分たちの境遇を推測したのかもしれません。韓国のアイドル歌手たちの歌を聞いて、歌手の夢を育てようと韓国に来たのに、困った境遇に陥ってしまった女性もきっと少なからずいることでしょう。

    政府が作った合法的な手続きに基づいて韓国に来て性売買に追い込まれるのです。女性団体は「政府が国際的な性売買を制度的に保障している」と非難しています。このような非難に直面した韓国政府は、「ダンサー」についてはE-6ビザ発給を停止しました。しかし、歌手に対してはビザ発給が続いています。フィリピンの女性は今でも、カメラの前で歌うフリをしています。

    質問に対する説明になりましたか。え、なっていませんか。韓国で活動する芸能人ではなく、韓国のファンに人気を得ているスターの話をしてほしかったったのでしょうか。それは、次回に紹介しま​​す。

    外国人女性のE-6ビザ発給過程

    1. 芸能企画社(派遣会社)が外国人芸能人を募集する
    2. 現地のエージェントが女性を募集する
    3. 歌の練習(実際には、ほとんどリップシンク)をしてから動画を撮影
    4. 映像物等級審査委員会に動画を提出して評価審査を受ける(ほとんど通過)
    5. 出入国管理事務所が査証(ビザ)発給認定書(番号)を付与
    6. 女性が自国の韓国大使館でインタビューを受け、ときおり大使館職員の前で歌を歌う。ほとんど査証を受け取る(滞在期間6カ月から2年)
    7. 韓国に入国したら、企画会社は女性を業者(または事業主)に引き継ぐ
    8. その後は運命におまかせ