オタクの成功条件は何でしょうか。何にはまったのかによって、変わってくることでしょう。きれいな人形を集めるオタクなら、他人が羨ましがるようなアイテムを収集したときに口元に笑みが広がるでしょうし、ゲームにはまった人であれば、達成不可能だと思われていたスコアを叩き出した時に歓声を上げることでしょう。

実際にはオタクとして成功することについて、考えること自体が間違っているのかもしれません。他人の視線を意識するなら、成功するかどうかに関係なく、オタクの資格条件にも未達となる気がするからです。

木曜日の夜11時にMBCで放送される『能力者たち』に出演するオタクたちの能力は本当にすごいです。ドラマのオタクは一瞬にして通り過ぎる場面だけ見ても、何話の撮影分であるかをただちに当てます。『能力者たち』の初放送にはバスのオタクが出演しました。

彼は通り過ぎるバスのエンジン音を聞いただけでも車種を当てていました。バスの専門家たちが集まって彼と競いましたが、相手にもなりませんでした。しかし、放送に出てきたバスのオタクは自分のレベルを中級程度だと評価しました。初級者はバスの路線を覚える程度で、中級者はエンジン音を聞いてバスの車種を当てるほどだと言いますから、上級者がどの程度なのか想像もつきません。

芸能人にはまったオタクなら、成功の基準は何になるでしょうか。自分が憧れているスターと同じ位置にまで上り詰めること、さらに進んで、そのスターと一緒の舞台で踊って歌う自分を夢を見ることでしょう。

これよりもさらに成功したオタクがいます。一人の男性を紹介します。俳優チョン・ソグォンです。

男のなかの男だけが志願するという大韓民国の海兵隊、海兵隊のなかでもトップレベルの1％のみが所属するという海兵隊の捜索隊で勤務した名品腹筋の所有者です。

チョン・ソグォンは高校生の頃からペク・ジヨンの熱烈なファンだったそうです。彼が住んでいた近所で開かれたイベントにペク・ジヨンが登場したのですが、目を離すことができないほどに惹かれたそうです。

「歌って踊る姿ももちろんきれいでしたが、僕が目を奪われたのは、楽しくヌンチャクを回す姿でした」

彼の高校生時代となると、そのころ、ペク・ジヨンは元恋人と親密な関係を持つ場面が動画で流出し、歌手としてほぼ活躍できない状況に追い込まれたときでした。セクシー女性歌手として人気を集めたペク・ジヨンは、テレビなどへの出演ができないまま、ナイトクラブなどの夜の舞台と地域のイベントで歌手生活を継続していました。チョン・ソグォンがペク・ジヨンにすっかり魅了されたのが、この時期だということです。

ペク・ジヨンが5集アルバム『愛さない』で復活の兆しを見せ始めた2006年、その頃、チョン・ソグォンも端役でドラマに出演し始めました。芸能界で同じ釜の飯を食べた2人は、お互いのことを認識し、2011年から完全に遠慮なく恋愛を始めました。メディアとのインタビューの機会が生じるたびに、チョン・ソグォンはペク・ジヨンへの愛情を表現しました。

それにもかかわらず、ペク・ジヨンの前歴があったうえ、年齢もペク・ジヨンのほうが9歳も多く「果たして2人が結婚までするだろうか？」という懐疑的な見方も多かったそうです。チョン・ソグォンの家族が、ペク・ジヨンを嫁として受け入れるだろうかという点で、多くの人々が疑問符を投げかけていました。実際に、2人の結婚については両家がひどく反対したそうです。

このような世間の懸念と家族の反対を押し切って、2人は2013年に夫婦の縁を結びます。結婚を発表した当時、チョン・ソグォンがペク・ジヨンに送ったメッセージ「信じてついてきて」を見て、多くの女性が感動しました。

チョン・ソグォンほどではありませんが、俳優キム・テリも、このような意味では比較的成功したオタクに属すると見ることができます。キム・テリはデビューする前、キム・ミニの熱烈なファンでした。

キム・テリは慶煕大学で演劇サークルの活動をしているときに、1500対1の競争率をくぐって『お嬢さん（アガシ）』のメイドのスクヒ役にキャスティングされまいた。オーディションでパク・チャヌク監督が「好きな俳優は誰か？」と尋ねると、「キム・ミニ」と即答したという逸話も伝わっています。制作発表会でも、自分はキム・ミニのオタクだと公然と告白しました。

自分が崇拝していた俳優と一緒に主演として映画に出演をしたのですから、どれほど気分が良かったでしょうか。さらに、お互いに愛し合う仲を演じたのですから、これぐらいなら十分に成功したオタクとするに値しないでしょうか。

ガールズグループT-araのソヨン（パク・ソヨン）も、もし縁があったら、チョン・ソグォンのような大業（？）を達成したオタクになっていたかもしれません。ソヨンは第1世代の7人組アイドルグループClick-Bのオタクでした。

Click-Bの追いかけだった頃には、お小遣いを集めてソファをプレゼントしていたそうですから、その時代にはClick-Bの特定のメンバーではなく、メンバー全体が好きだったようです。SMエンターテイメントで4年間練習生生活を送り、「少女時代」のデビューを準備していたのですが、終盤に脱退して、1年後にT-ARAのリーダーとしてデビューしました。

ソヨンは2012年、ラジオ放送で恋愛ではなく、結婚を考えて男性に会うタイプだと明らかにしたこともありますが、女性芸能人にしては珍しく元カレとのエピソードや初キスの経験も堂々と明らかにしています。そして、最終的に学生時代に憧れていたClick-Bのメンバー、オ・ジョンヒョクと恋愛を始めました。2010年に放送されたMBC『花束』がきっかけを作ってくれました。

2013年には、2人の関係は所属事務所も認める仲に発展しました。恋人であることを認めた当時、2人が交際した期間が1000日という点も公開されて話題を集めました。2人の恋愛はオ・ジョンヒョクが軍隊に行っている間にも続いていましたから、6年間も恋人だったわけです。

ところが、残念ながら2016年7月、ソヨンとオ・ジョンヒョクは決別してしまいました。決別の理由や、正確な時期も明らかにされませんでした。「芸能界の活動で、お互いに忙しかったため、自然に別れた」というのが所属事務所の説明です。

このほか、少女時代のファンだったApinkの末っ子オ・ハヨンとBIGBANGのT.O.Pも、自分が崇拝していたスターと特別な縁を結びました。

オ・ハヨンは少女時代、特にユリの熱烈なファンでした。少女時代のファンカフェで活動していた時代に、オルチャン（顔が可愛い人）ファンとして、推薦を受けていたオ・ハヨンは宿所のテーブルにユリが登場する『HIGH CUT』が発見されると、それを素早く隠す姿が放送に映ったりもしました。ユリのハグを受けた後「抱きしめていただいた部分だけ洗わない​ことを​考えていた」という所感を伝えました。

イ・ヒョリの名前だけを聞いても口がぽかんと開いてしまうT.O.Pは、2008年の音楽授賞式の舞台でイ・ヒョリとキスパフォーマンスをするぜいたくさを味わいました。

・韓国の芸能人のうち、成功したオタクには誰がいますか。（中）
・韓国の芸能人のうち、成功したオタクには誰がいますか。（下）