88ソウルオリンピックが開かれた年に生まれた俳優キム・スヒョンに消したい過去を選択しろと言えば、たぶん2009年初めのある日の出来事でしょう。21歳になった青年キム・スヒョンは、トップスターになる直前でしたね。2年後、映画やドラマの興行を保証する俳優になることが分かっていたなら、そのような子どもっぽい行動は決してしていないはずです。

とにかくその年の2月、ショッピングモール「ザビッグブラザーズ」に掲載された写真でキム・スヒョンは甚だしい困惑を経験したでしょう。

ショッピングモールの運営者がキム・スヒョンと出てくるため、最初は抜き差しできない境遇でしたね。露出写真を「ノイズマーケティング」として活用しようとした下心ではないかという疑いを受けたほどです。以来、明らかになった真相はいたずらで撮影した写真だということでしょう。ショッピングモールを広報するために写真を撮っていた中、いたずら心が入って写真を撮り、絶対ショッピングモールに上げないようにしましたが、誰かが上げたのでしょう。

キム・スヒョンが名義上代表になっているものの、実際の代表はよく知っている兄のキム・ジョンファンだという事実も確認されました。キム・ジョンファンは、公式謝罪文を出して「今、あまりにも申し訳ない気持ちで死んでしまいたい気持ちだけだ」とし、「スヒョンはたった100ウォンも受けたことがない」と釈明しました。ショッピングモールは、写真が掲載された直後に廃業しました。

キム・スヒョンがこの事件の前に経験した最大の気苦労は、中央大学演劇学科に入学する前に再修でもなく四修までしたことでしょう。ショッピングモール事件は、四修の末に大学に入った直後に起こった事件だったため、ややもすると苦労して入った大学に通うことができないところでした。キム・スヒョンは、四修生時にあるコミュニティにこのようなコメントを残したりもしました。

皆さんは再修せずに三修せずに、四修しないでください。私のようになります。これは余裕が全くなく、カラオケで残り時間1分で他の曲を選曲する感じといいましょうか、それでも不眠症に悩まされています。

実際にキム・スヒョンは、教会のお兄さん（新造語辞典参照）です。「芸能人のキリスト教会」で少女時代のユナ、スヨン、ティファニー、ヒョヨンと元2NE1のコン・ミンジ（MINZY）、タレントのリョウォン、SUPER JUNIORのチェ・シウォンと一緒に撮った写真（上）もありますよね。

とにかくあまりにも波長が大きかった事件であるため精神が覚めるきっかけになったようです。翌年年から演技力を誇り始めました。

2010年5月に電波に乗り始めたSBSドラマ『ジャイアント』に8話までパク・サンミンの子役で出演し、昔の制服と学生帽が似合う端正な顔立ち、父の死を目撃してひたすら復讐だけを考えて生きていく姿を実感できるように演技したんです。2009年のSBSドラマ『クリスマスに雪は降るの？』で可能性を見せたなら、『ジャイアント』の出演は可能性を確信に変えたきっかけになったでしょう。

演技力の検証を受けたキム・スヒョンは、2011年にKBSドラマ『ドリームハイ』で子役ではなく初主演を務めました。国民の初恋missAのスジと呼吸を合わせたこのドラマで、素朴な田舎の少年の姿を消化しました。ドラマに出てきた「この農薬みたいな女め！」は、視聴者の口に上り降りしました。特に、ドラマOST『Dreaming』を直接歌ったうえ、一緒に出演したアイドル出身演技者たちの演技力が非常に芳しくなかったため、キム・スヒョンの演技は目立ちました。

『ドリームハイ』に続いてMBCで初めて挑戦した時代劇『太陽を抱いた月』は、キム・スヒョンを名実共にトップスターの隊列に上げました。視聴率40％を超えるこのドラマで、胸が切なくなる演技でキム・スヒョンは、多くの女性ファンたちの心を響かせました。このドラマでも『君一人』というOSTを直接歌いました。

『太陽を抱いた月』に出演した後、しばらくの間、映画に熱を上げました。映画『泥棒たち（邦題：10人の泥棒たち）』に出演し、チョン・ジヒョンと有名なキスシーンを残した2年後に、SBSドラマ『星から来たあなた』での再会を約束したでしょう。2013年に公開された映画『隠密に偉大に（邦題：シークレット・ミッション）』も700万人に近い観客を導いて映画界でもキム・スヒョンのチケットパワーが受け入れられていることを証明しました。

そして、彼の演技人生で金字塔を成し遂げたSBSドラマ『星から来たあなた』が、2013年12月から放映され始めました。初回から最終回まで視聴率1位を逃さなかったこのドラマで、キム・スヒョンは地球に落ちた宇宙人の純粋男役を熱演しました。彼の人気は、特に中華圏を総なめにしたでしょう。中国動画サイトの照会数がなんと40億回に達するほどでした。当時、韓国の食品業界は鳥インフルエンザで多大な打撃を受けましたが、『星から来たあなた』のおかげで中国でチメク（チキン＋ビール）ブームが吹いて、奇跡的に回生したと考えるほどです。

ところが、キム・スヒョンが出演した数々の広告に、ピザ、チョコレート、ミルク、コーラ、菓子の広告はあっても、チキンの広告はないですね。おそらくキム・スヒョンのギャラがあまりにも高価で、フランチャイズのチキン業者としては耐えるのが難しかったのかもしれません。広告と一緒に賞もあまりにも多く受けたはずだが、詳しい説明は省略します。1つ紹介するなら、2010年にSBS演技大賞のニュースター賞を受け、「今後10年だけ見守ってください。必ず良い俳優になります」と言いましたが、自身の約束をはるかに前倒して果たしたわけです。

2014年のコリアドラマアワード大賞を受ける場では、「10年後の自分の姿がこの賞に誰かがならないようにしなくてはならないでしょう」と言って、「10年の約束」というニックネームはを得たりもしました。

キム・スヒョンは、パク・チャンウク監督の映画『オールド・ボーイ』を、なんと17回も見たといいます。それだけ演技に渾身を尽くしたい気持ちだったのでしょう。実際、彼は演技のためにものすごい訓練もいとわないです。

元々左利きですが、『星から来たあなた』で右手で日記も書き、ご飯も食べようと右手の練習をものすごくしたそうです。また、『クリスマスに雪は降るの？』で川に落ちた父親の遺品を拾うために川に飛び込むシーンを撮ろうと、30回川に飛び込んだでしょう。

ドラマ『ジャイアント』では、復讐を誓って狂ったようにサンドバッグを殴り、肉片が落ちて手の節が剥げて、血が流れる場面が出てくるでしょう。手に巻いた包帯からも血が滲んで出ますが、その時の傷が今も残っているといいます。

そして、執拗に治療して公益から現役で軍に行く大韓民国の男性になりました。キム・スヒョンは、中学時代から心臓が良くなく治療を受けており、2010年に上室頻拍で手術を受けました。このため、最初の身体検査当時に公益判定を受け、粘り強く治療した後、再検査を受けて現役入隊を確定しました。軍に行ってきた後、キム・スヒョンがどのような演技を見せるか、すでに楽しみではないでしょうか？