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  • Q.
    韓国俳優チ・チャンウクについて教えてください。
  • A.
    • < 写真=チ・チャンウクSNS >

    人気スターが、このような写真を公開してもよいのでしょうか。問題ありません。母親だからです。俳優チ・チャンウク(池昌旭 / 1987.7.5)がSNSにあげたこの写真は多くのことを物語っています。母親の表情に本当に多くのことが込められていませんか。ずいぶんと悩まされてきた息子がトップスターになって大学を卒業したのですから。

    ひとりで息子を育てた母親は高3の受験生が勉強もせずに遊び回っていたときから深い眠りにつくことができなかったことでしょう。それでもクラスで5本の指に入るほど勉強のできた息子がいつの間にか最下位になってしまったんですよ。

    チ・チャンウクは「自分が本当にしたいことは何だろう。何をして一生を生きるべきなのか」こんなことを悩みながら、漠然とながら頭の中に俳優が思い浮かんだそうです。センター試験の評価に合わせて大学に行くことをあきらめて、演劇映画科に進路を決めながら、自然と勉強とは距離を置くようになりました。

    食堂を運営しながら息子を育てた母親は焦ったことでしょう。しっかりと後ろで支えてあげる余力もないのに、あの息子をどうしたものか、胸が締め付けられる思いだったことでしょう。

    演劇映画科に入るからと学校に行って笑って騒いで遊びましたが、実技の準備は後回しでした。何も知らなかったせいでした。中・高校を一緒に通った友人リュ・ドクファン(柳德煥)が「実技の試験場に入って戸惑うかもしれないから、演技の塾に行ってみるのはどうか」とアドバイスをして、3カ月から4カ月程度、演技の塾に通ったのが全部でした。

    それでも大学(檀国大公演映画学)に合格することは難しくなかったようです。学業の成績が少し反映されたこともあり、中学・高校を通して上位の成績を維持していたことが、ある程度の助けとなったようです。

    本当に大変な時期は大学入学後に訪れました。子役俳優出身だったり、あるいは数年間にわたって演技の授業を受けてきた友人とは言葉が通じないほどでした。さまよいながら学校の授業もさぼりがちになります。1年生の1学期の成績は1科目のDを除いてはすべてF。「こんなことのためにあなたは望む大学に行ったの」という母親の叱責は当然でした。

    食堂を運営する母親が早朝に仕事に向かう姿を見ながら、彼も切なかったことでしょう。学資金ローンを受けて通う大学で落第警告を2度も受けてからは、むしろ休学して軍隊にでも行こうか、このように悩みながら短編映画を撮る先輩のあとを夜通しついて回って端役を務めました。

    その後、独立映画(インディーズ映画)『スリーピングビューティー』にキャスティングされます。独立映画での彼の演技は自分でも直視できないようなものでした。「ご飯、食、べ、ま、し、た」とセリフを読むロボット演技者でした。酷評を受けましたが、同期よりも先に映画に出演しながら、学校の授業の必要性を切実に感じるようになりました。

    ドラマ『ソル薬局の息子たち』(2009年、KBS)、『ヒーロー』(2009年、MBC)にも出演することになりましたが、それでも彼は学資金ローンを受けながら大学に通う貧しい大学生でした。アルバイトでミュージカルに足を踏み入れました。

    息子が出演する作品が多くなり母親は別の心配をすることになります。新聞や放送で芸能界のニュースを見ると、すべて物騒な話が伝えられてくるのですから、心配にならないはずがありません。

    母親は息子を呼んで座らせると、注意すべきことを一つ一つ話してあげました。女性、酒、行動、詐欺、ギャンブル。

    「どこに行っても言葉に注意して、慎重に行動しなさい。そして謙虚に」

    母親の小言があったからか、チ・チャンウクはデビュー以来これまで、特別なスキャンダルなしに過ごしています。(ミス・コリア出身の俳優キム・ジュリと熱愛説が報道されはしましたが、両者が親しい友人だと否定しています)

    「行動を慎重にするべきだと、このような決意をして一日を過ごしているわけではありませんが、瞬間、母が心配していることを思い出すと注意するようになります」

    チ・チャンウクは、2010年KBSドラマ『笑ってトンヘ』で主演に抜擢され、存在感を見せました。続いて『ペク・ドンス』(2011、SBS)、『僕らのイケメン青果店』(2011年、チャネルA)に出演して人気を維持します。チ・チャンウク自らが明らかにしたのは「『ペク・ドンス』のときまでは慌ただしくこなしていたのですが、『僕らのイケメン青果店』からは責任感も感じられ、作品に登場するキャラクターになりきって演技も楽しめるようになりました」とのことです。

    その後、『蒼のピアニスト(5本の指)』(2012、SBS)で初めて悪役を引き受け、『奇皇后』(2013、MBC)で元の11代皇帝順帝役を務めながら「信じて見る俳優」という評価を聞くようになりました。無能な人形の皇太帝から嫉妬に目を覚まし狂気を露出する皇帝まで、幅広い演技で視聴者の感心を引き出しました。

    以降『ヒーラー』(2014、KBS)で業界最高の使者として、『THE K2』(2016、tvN)で戦争傭兵出身のボディガードとして女心を揺さぶったところで、最近ではSBSドラマ『あやしいパートナー ~Destiny Lovers~』で女性を守ってくれる心強い検事として女性視聴者を魅了しています。