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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    どんな記事を「キレギ(ゴミ記者)」の書いた記事だと言いますか?
  • A.
    1982年に英国とアルゼンチンの間で「フォークランド紛争」が勃発しました。アルゼンチンのガルチェリ軍事政権と最後の植民地を守ろうとする英国の攻防戦を、BBCは公平に報道しました。

    サッチャー首相は、「英国の妻と母親はいかに多くの夫と子を失ったのだが、敵国の肩を持つのか」と激怒しました。BBCの記者らはサッチャーに手紙を送りました。「アルゼンチンの妻と母も、夫と子供を失った」。

    イラク戦争の報道をめぐっても、論争が起こりましたね。2003年4月、当時のBBCグレッグ・ダイク社長は、「政権党はいつも彼らの路線を支持するように圧力を加えたが、これを拒否してきたのがBBCの歴史だ」としました。

    韓国の公営放送もこうだったらどのくらい良かったでしょうか?「アズキでみそ玉を炊く(ふだん信用がある者の言葉はどんな言葉でも信じるという意味)」とも言える放送ですが、悲しいことに韓国の公営放送KBSとMBCはそのような歴史を持っていません。

    あるときは放送全体ではないとしても、記者とPDがマスコミ本来の使命を守るために苦労した記憶がありますね。 MBCの探査報道番組である『PD手帳』は、国民の知る権利を満たしてくれました。しかしこの10年間、公営放送の中立性はむしろ後退してしまいました。

    どんな記事をめぐって、「キレギ(ゴミのような記者/新造語辞典参照)が書いた」と言うのかですって?

    法治が支配する民主主義社会の最後の砦である判事は法と良心に基づいて裁判をするように、記者たちも法と良心に基づいて記事を書いています。能力が及ばず文章が台無しだったり、まったく理解できずない部分があって真実と離れた記事を書いたケースもあるでしょう。



    MBCを解職された後、独立メディア「ニュース打破(newstapa)」に携わったチェ・スンホPDが製作したドキュメンタリー映画『共犯者たち』はキレギの典型を見せてくれます。

    キレギが書いた記事?

    インターネットに上がってきた記事をざっとながめるだけでも3~4本は簡単に見つけることができますね。
    タイトルはたいしたものですが中身はなにひとつない記事、文法もいいかんげんなうえに何を意味するのか判らない記事、辞書を見るだけでも知ることができる内容を間違って書いた記事、好奇心を満たすために勝手に書いた記事、これらに加えて主題とは大きくかけ離れた女性芸能人やアナウンサーに関心を置く記事。

    しかし、このような記事は「薬菓」ですね。キレギと犯罪の世界を比べると、スリや万引きくらい?ただない才能に暮らすためにもがくレベルです。

    お金をもらって無い話を書いたり、たいしたことでもないのに美化する程度は、なんとなればある程度のキレギになるかもしれません。しかし、特級キレギとはまだ距離が遠い…。特急キレギは文章を書きません。

    記事を書いてやって得る対価よりは、記事を書かずに受け取るお金がはるかに多いですよね。かんばしくないことを取材したり、目撃しても口を閉じる対価として、記事を書かない対価として受け取る黒い金。

    どんな取引きが行われたのか、当事者だけが知っていることがありますよね。ホンモノのキレギが書いた記事は、誰も見ることができないでしょう。使わなかったからです。

    ドキュメンタリー『共犯者たち』でも、キレギの記事はさがすのが容易ではありませんでした。権力を監視しなければならない放送が、徹底権力の走狗に変わる姿だけを見せつけるばかりです。特急のキレギは権力を監視する代わりに、権力の一部になります。

    キレギが書かない記事なんて、面白いですよね。万引きレベルのキレギの記事がどんなものか気になるですって?あまりにもあきれるほど、社会的に物議をかもしたキレギ記事…それは次の回で紹介しましょう。