昨年になりようやく大衆の視線を受けましたが、ウ･ドファン（禹棹煥. 1992. 7.12）はずっと以前にデビューした俳優です。

2011年放送されたMBNドラマ『来た来た、マジで来た』が彼のデビュー作です。総合編成チャンネルであるMBNはドラマをあまり放送しないことに加え、視聴率も低調であり、さらにドラマで演じた役割が端役だったため、彼を憶えている人はほとんどいないでしょう。

その後tvN『美男（イケメン）バンド ~キミに届けるピュアビート~』（2012）とKBS『ウチに住むオトコ』（2016）、Netflixの『ドラマワールド』（2016）に端役や助演として出演しましたが、自身を知らせるチャンスを得ることはできませんでした。

しかし2016年12月に公開された映画『MASTER マスター』にて強烈な眼差しで観客の関心を受け始めました。稀代の詐欺師チョ・ヒパルをモチーフにしたこの映画にて、ウ・ドファンは殺し屋スナップバッグ役を演じ、台詞ひとつなく強烈な印象を残しましたね。

彼が出演した時間は多く見て3分、キム母さんに銃を差し出しじっと見つめ、かすかに笑みを浮かべ、冷たい視線でトリガーを引くのがすべてです。しかし彼を印象付けるには十分な時間でした。



彼の眼差しはすでに悪徳なサラ金業者を演じたユ・ヒョンスク作家のウェブトゥーン（ウェブ漫画）を原作とした『ウチに住む男』でも注目されています。

『MASTER マスター』のスナップバッグ役で百想芸術大賞映画部門の男性新人賞候補となったウ・ドファンはその後演技者として順調に歩み始めます。

『MASTER マスター』以降ファンカフェもできました。「『MASTER マスター』であの方が銃を撃ったときに私の心も撃たれたようです」という書き込みもありました。

余談ですが、Naverではウ・ドファンと結婚する方法を教えて欲しいという訴えが掲載されたりもしました。方法を教えた人がいるかって？いくつか答えが掲載されました。そのうち面白い回答を紹介するとすれば
-後に結婚し、夫の名前をウ・ドファンに改名してください
-実際に私もパク・ウジンと結婚する方法を調べていたところで質問を見ました。私たち一緒に希望を持ちましょう
-ドファンは私と結婚します。夢から覚めてください

ウ・ドファンは2017年に放送されたONCドラマ『君を守りたい~SAVE ME~』とKBS『マッド・ドッグ』で引き続き人気を集めています。

チョ・グムサン作家のウェブトゥーンを原作とした『君を守りたい~SAVE ME~』（原題『世界の外へ』）にて強烈な視線は暫ししまい、好きな女性が危機に瀕するや火水問わず駆け出す純粋な田舎青年に扮して女心を掴みましたね。

『君を守りたい~SAVE ME~』の演出を担当したキム・ソンス監督は「オーディションの際にドアを開けて入ってきた瞬間、台本にいるソク・ドンチョルかと思った」と、挨拶しながらキャスティングを決定したという逸話を紹介しています。

保険犯罪を調査する内容を描く『マッド・ドッグ』にて、ウ・ドファンはユ・ジテと幻想的なチームワークを見せています。



ドラマでキム・ミンジュン役を演じるウ・ドファンは、ユ・ジテ（チェ・ガンウ役）と家族を失ったという共通の痛みを共感し強いブロマンスを演出しました。

ウ・ドファンは19歳の頃に演技学校に通いながら俳優としての人生を準備し始めたそうです。演劇俳優出身であった父親の勧めもあったそうですね。映画『MASTER マスター』の撮影でフィリピンに行ったのがはじめての海外であり、ホテルでもはじめて眠り、免税店にもはじめて行ったと言います。

空港でゲートまで歩いていると、どうしてそんなに免税店が多いのかと「こんなに物が多いのに、全部売ることができるのかな？」と不思議に思ったこともある、とても純粋な青年です。