一人映画館に行って「帰天図」を見たチェ・ジウは胸がつぶれる悲しみを味わった。当時、最高の人気を謳歌していたキム・ミンジョンの相手役ヒロインを引き受けた俳優が羨ましくもあった。当初は自分に与えられた配役だった。

映画ポスターの写真も撮って3か月間練習室に通い映画の撮影のためにタバコまで覚えたのに、何の説明も聞けないまま配役を奪われて押し出された。クランクインを控えて釜山のお母さんがお餅を作ってきて、叔母が飲食店で使う大きな保温瓶にコーヒーを入れてスタッフにジウをお願いしますと話ていた。

映画を見終えたチェ・ジウは演技者は自分の道ではないように感じたりもした。親も釜山に帰ってこいと彼女を慰めたということを考えてみれば俳優になったのも偶然だった。

チェ・ジウは一度も演技をしてみていない状態でMBCの公開採用タレントに応募した。演技者になる道をコーチしてくれる人もいなかった。ただ俳優になるのはどうか、タレントに挑戦してみてはどうかという親戚の勧めを聞いて面接を受けただけだった。

放送局の前で見た他の受験者はものすごかった。ジウは一人で口紅を塗って行ったが、他の受験者はプロに化粧をしてもらい演技の練習をしていた。ケンガリを持って応援に来た人たちも多かった​。

300対1が超える競争だったが、チェ・ジウは難なく合格した。その時、釜山の方言を使っていたのだが、面接で方言を修正できるかと聞かれ「はい」と答えたのが全てだった。チェ・ジウは自分が美貌のおかげでタレントになれたようだと素直に言う。

しかし、美貌が支えてくれるのはそこまでだった。演技のできない、ただきれいなだけの俳優に回ってくる配役はなかった。成功しなさそうなタレント1位に選ばれたりもした。放送局で一か月に30万ウォンを受けるサラリーマンのような状態で、来いと言われれば公共交通機関に乗って撮影するところに行き、通行人1・2役を務めて帰ってきた。

そんな 時に与えられたのが帰天図の主演俳優のキャスティングだった。その機会を目の前で逃したのだから、どれほど絶望しただろうか。

何も成し遂げられなかった、いや、兆戦することもできなかった演技生活2年がこの上なく残念だった。わらでも捕まえる心情でチェ・ジウは1996年、ソウル鍾路3街のピカデリー劇場の前で行われたフランスの女優「イザベル・アジャーニ」そっくりさんの選抜大会に出る。少なくともMBCの公開採用タレントが出るには恥ずかしいストリートイベントであった​​。しかし、映画のオーディションを受けさせてくれるという一言に「恥ずかしい」という考えを振り払った。

そして、ここで1等に選ばれたことにより「パク・ポンゴン家出事件」に助演で出演する。映画の中でチェ・ジウはセリフを言わずに青い包丁でムスッとして肉をぶった切るしゃべれない精肉店の主人であったが、​​熱情的なキスシーンで存在感を知らせる。


チェ・ジウは不足な演技力を高めるために大学路でキム・ヒョンゴンと共に「兵士と修道女」という演劇の舞台に上がる。

そして映画と演劇の広報をかねて出演したバラエティ番組でPDの目に留まり、オーディションを受け、今日のチェ・ジウの土台になったKBSドラマ「初恋」の主演にキャスティングされる。チェ・ジウがペ・ヨンジュンと初めて呼吸を合わせた「初恋」は65％という驚異的な視聴率を記録し、新人俳優チェ・ジウも注目を集め始める。

チェ・ジウがスター隊列に並んだ作品は2000年に放映されたMBCドラマ「真実」。父が運転手として働き、主人の娘との葛藤を経験しがら本当の愛に出会う貧しい女性の役を引き受けて演技人生に花を咲かせ始める。以来、ドラマの興行小切手、メロドラマの女王という声を聞き、その後「冬のソナタ」でペ・ヨンジュンと一緒に韓流の道を切り開き始める。

チェ・ジウに与えられた課題は「ジウ姫」のイメージを脱ぐことだ。彼女に常について回る発音と演技力の足りない姫のイメージは演技人生の大きな壁でもある。 SBSトークショー「ヒーリングキャンプ」に出演したチェ・ジウは「笑わせたい」という希望を明らかにした。

プロフィール

名前：チェ・ジウ（崔志宇）
本名：チェ・ミヒャン（崔美香）
出生：1975年6月11日、京畿道坡州市
身体：174㎝、50㎏、A型
学歴：漢陽大学、演劇映画科を中退
デビュー：1994年MBC23期公開採用タレント
所属：YGエンターテイメント
宗教：プロテスタント