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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    なぜ韓国の軍人は軍服姿でしかもショッピングバッグを持って休暇に行くのですか。
  • A.
    キム・テヒの恋人である歌手ピ(RAIN)が昨年初め、ネチズンに軍服務規律に違反したという理由で申告されました。芸能兵士として服務中のピは放送のために軍から出ることが多かったため、帽子を脱いだまま軍服を着た姿がキャッチされたのです。

    ネチズンは「民間人の地域で脱帽したのは軍の威信を失墜させたものであり、芸能兵士はもちろん、軍に対して良くない認識を植えつけることがあるため、申告した」と明らかにし、国防部のホームページで申告し、他のネチズンにも知らせる「認証」をしました。経緯がなんにせよ、ピが軍服務規律を破ったことは事実でしょう。

    休暇中の兵士も屋外で軍服を着用する場合は帽子を着用するようになっていますから。ポケットに手を入れたり、歩きながら食べ物を食べる行為も服務規律違反です。軍警察の憲兵に見つかれば、下手をすると営倉に閉じ込められることもあります。ピも最終的には謹慎処分を受けました。

    休暇中の兵士は常に軍服を着なくてはいけないのかというと、実際には少し曖昧です。本来なら兵士は軍服を着用しなくてはいけません。有事の際、すぐに軍に戻って戦いに臨むことができるようにするためです。イスラエルの兵士たちは、休暇中にも実弾がいっぱい入ったM16ライフルを持ち歩くそうです。韓国で軍人が銃を持って都心に現れたらおそらく大騒ぎになるでしょう。戦争が起きたとは思わず、脱走兵が現れたという考えが先に浮かぶでしょう。

    休暇中の兵士の軍服だけでもこの半島の微妙な情勢を読むことができます。明らかに外国からみると南北は対峙状況ですが、市民はもちろん、兵士たちからも戦争の恐怖を読みとることはできません。

    だからといって、すべての兵士が休暇中に軍服を着て歩き回ることはありません。昔はソウル都心のあちこちに、憲兵が巡回し、軍服が不良だったり、または私服を着て出回る兵士たちを検挙しましたが、最近では、都心で憲兵をあまり見かけません。

    休暇中の兵士の服装は、もちろん軍服の代わりに私服をはるかに多く着ます。昔はハエが滑るほど軍靴をつるつるに磨き、ズボンに織り目をびしっとつけて歩く兵士たちもいましたが、最近では見かけることがあまりありません。軍服を着てクラブやバーに行きずらいのでしょう。かつらの店も休暇に出てきた兵士の薄っぺらな財布を狙っています。

    しかし、休暇でも軍服を好んで着る人もいます。海兵隊と特殊戦司令部など力強くたくましい男たちだけが行くと言われている部隊に所属している兵士たちです。軍服を着た海兵隊とベレー帽をかぶった特戦司令部の軍人たちは凛々しく見えます。海兵隊と特殊戦司令部のような軍は自願すればこそ入隊が可能であり、軍紀も厳しく訓鍊強度がすごく強いところなので、誇りに思うのでしょう。

    ただし、軍服を着た兵士たちは言動には十分気を使わなければなりません。帽子を脱いだり、酒に酔って大声を出したりしたら服務規律違反で営倉に直行することになるからです。

    また、軍隊では基本的に私物を持ち込めないため、昔は休暇中の兵士たちが簡単な荷物を運ぶためにショッピングバッグや黒いビニール袋を持って歩いていましたが、最近はあまり見かけません。陸軍の戦闘服が迷彩柄からデジタルパターンに変わり、外出や外泊時にショッピングバッグ持参禁止令が下ったのです。

    誰かが新聞に兵士たちがショッピングバッグを持ち歩いている姿が醜いと書いたところ、これを見た隊長が「正しい」とうなずき、措置がとられたと言います。休暇中はショッピングバッグの代わりに兵士たちが迷彩柄のリュックを背負って外出します。ショッピングバッグを持っていると部隊の外に出てくることもできません。

    迷彩リュックは国から支給されるのではなく、それぞれが自分のお金で買うものです。価格は3万ウォンから7万ウォンの間だというのですが、兵士の給料はあまりにも低いため負担になる兵士たちもいるでしょう。除隊まで残り少ない古参は迷彩リュックを買うのはもったいないので休暇があれば、他人のバックパックを借りて行くでしょうし、結局バックパックを買う人は給料が最も少ない新兵になる可能性が高いようです。

    このような事情を勘案した部隊長は、最初から5~6個ほどの迷彩リュックを買って共通で使います。

    余談ですが、昨年「急いで出てきた兵士」というタイトルの写真がオンラインコミュニティで人気を集めたことがあります。山の中腹で3人の兵士が警戒に当たったのですが、その中の一人が赤いTシャツにピンクのボクサーパンツ、そこにリュックサックをかついでいます。アフガニスタンに派遣された19歳の技術兵が昼寝をしていたのですが、銃声を聞いて目を覚ますと軍服も着ずに飛び出して対応射撃をしたとされています。この写真が出回った後、米国の国防長官に賞賛もされました。

    休暇中の兵士たちが私服を着て出回っているときに「すぐに部隊に復帰せよ」という緊急招集がされたとしたらと想像するだけでも楽しいじゃないですか。