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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    人体に投与しても問題ない殺菌剤がありますか?
  • A.
    殺菌剤で新型コロナウイルスを克服する?
    そうなるなら願ってもないことでしょう。

    ドナルド・トランプ大統領は、漂白剤が唾液に含まれた新型コロナウイルスを5分以内に死滅させ、イソプロピルアルコールはそれより早い効果があるという研究結果に興味を示し、殺菌剤を投与する治療法を提案しました。毎日、米全域に生中継されるホワイトハウスのブリーフィングでの出来事です。

    「殺菌剤が新型コロナウイルスを1分で死滅させることができるそうですが、これを体内に投与したり消毒する方法はどうなのか?」と聞いたのです。「私は医者ではないが良いアイデアを提案する(You Know what)人だから」

    トランプの支持者たちが、実際に試験をするのではないかと心配したのか、米医療当局は殺菌剤の副作用を勧告するために忙しい日々を過ごしました。殺菌剤メーカーも「いかなる場合でも殺菌剤を人体に投与したり、新型コロナウイルスの治療剤として使用してはならない」という警告文を出しました。

    ところで、本当に殺菌剤を投与したらどうなりますか?

    殺菌剤の話を聞くと、朝鮮時代末期の先覚者である月南(ウォルナム)イ・サンジェ(李商在)先生の逸話が思い出されます。

    朝鮮に初めて石鹸が入ってきた時、当時の政権を牛耳っていた外戚の閔(ミン)氏の家に官僚と食客が集まりました。手や顔を洗ったりしながら珍しい品物だと感嘆し、あらゆるお世辞を言ってるところ、イ・サンジェ先生は黙って石鹸を噛んで食べ始めました。

    「それは食べるんじゃなくて、手足を洗う物です」
    「私もこれが石鹸だと知っています。しかし、中身が汚いため外見だけきれいになっても何の意味もありません。まず、内側からきれいにしようと食べているんです」

    石鹸を食べると、どうなるでしょうか?

    石鹸の主成分が油と強アルカリの水酸化ナトリウムだから、お腹を痛めるのではないでしょうか?
    水酸化ナトリウムそのものは強アルカリですが、油の脂肪酸と中和してほとんどなくなり、残っていても微量なので大きな問題にはならないそうです。
    嫌な人は吐くかもしれませんが、健康を害するほどではありません。

    トランプ大統領もアメリカ人の腹黒い部分を洗い流そうとしたのではないか、気になったりもします。
    トランプ大統領が述べた殺菌剤は石鹸ではありません。
    英国の日刊『The Guardian』の報道によると、二酸化塩素を奇跡の殺菌剤と主張するジェネシスⅡという団体から新型コロナウイルスの治療効果を主張する書簡をホワイトハウスに送ったそうです。

    この団体は漂白剤を「奇跡のミネラル溶液(MMS)」と名付けてがん、マラリア、エイズなどほぼすべての疾病(99%)を治療できると主張し、新型コロナウイルスが流行してからは水に3~6滴を入れて飲むよう宣伝しているそうです。米FDA(食品医薬局)はこのような広告を禁止し、連邦裁判所もFDAの要請を受け入れ、MMSの販売を中止しホームページからも「新型コロナウイルスを治療した」という内容を削除するよう緊急命令を下しました。

    ところがですね。2005年、新型コロナウイルスの元祖格であるSARSが流行した当時、二酸化塩素水溶液でウイルスを死滅させたという論文が出たことがあるのです。

    二酸化塩素水溶液の酸化作用でウイルスの細胞膜を破壊するというのが研究の骨子です。
    塩素の水溶液は微量でも飲用してはいけませんが、二酸化塩素水溶液は人が飲んでも有害ではないという研究結果もあります。
    塩素という言葉が入っていますが、二酸化塩素(ClO2)は少し性質が違います。塩素系化合物が最大の弱点である発がん物質も生成しません。

    しかし、持続性、安定性、安全性で未だ議論は終息していない状態です。
    上記の3つが解決できれば、化粧品はもちろん食品添加物としても使えるという主張もあります。

    ですから、トランプ大統領の殺菌剤の人体投与はとんでもない話ではないということです。
    ただ、人体に投与しても問題がないという結論が出ていない状態で、公に言ってもいいのか疑問です。確かに彼は言うべきこと、 言ってはいけないことを区別しないですから…。