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  • Q.
    迷惑メールになぜ缶詰の名前(SPAM)を付けたのでしょうか?
  • A.
    パソコンをしていると煩わしいことが一つや二つではありません。
    現状では何の不満もないのに、しきりにアップグレードするように強要されるし、ある時はちょっとトイレに行ってきた間に勝手にアップグレードすることもあります。
    そんな時は、もしこれが自動車なら…? 恐ろしい思いもするでしょう。

    もしかすると、こういうのがいいと思う人もいるかもしれません。
    どういう意味かって? 下の文を見ると分かるでしょう。

    3人のエンジニアが車に乗っていましたが運転中にエンジンが止まり車が停止しました。
    すると、機械工学を専攻したエンジニアが言いました。
    「心配するな。たぶんエンジンの問題だろう。私がボンネットを開けてのぞけば簡単に解決できる」
    すると、電気工学を専攻したエンジニアが反論しました。
    「これはエンジンの問題じゃない。電気配線に問題があったに違いない。ヒューズボックスを開けてみないと」
    2人は自分の意見に同意を求めるかのように残りのエンジニアを見ました。
    パソコンの天才である彼は異なる意見を言いました。
    「私たちが車から降りて、また乗ればエンジンがかかるかもしれない」

    パソコンや各種ソフトウェアのアップグレード告知より、広告、広報メールに詐欺を働くために送られたメールの方を見ると頭が痛くなります。週末にパソコンの電源を切っておいて月曜の朝開いてみると欲しくもないメールがいっぱい届いていて大事なメールを見落としてしまうこともあります。

    ところで、このようなメールになぜ缶詰会社の製品名を付けたのでしょうか?

    韓国ではかつて新聞に入っている広告チラシのようだとして付けられたという説もありましたが、定説ではありません。

    英米圏ではイギリスのコメディグループ、モンティ・パイソン(Monty Rython)のスケッチコメディーから始まったという説が支配的ですスケッチコメディーの内容は大体次の通りです。

    https://www.dailymotion.com/video/x2hwqlw

    空から降りてきたある夫婦が緑の小さなカフェで食べ物を注文しようとメニューをのぞきました。

    1.卵とベーコン
    2.卵+ソーセージ+ベーコン
    3.卵とスパム
    4.卵+ベーコン+スパム
    5.卵+ベーコン+ソーセージ+スパム
    6.スパム+ベーコン+ソーセージ+スパム
    7.スパム+卵+スパム+スパム+ベーコン+スパム
    8.スパム+スパム+スパム+卵+スパム
    9.スパム+スパム+スパム+スパム+ベイクドビーンズ+スパム+スパム+スパム+スパム+スパム
    10.エビをのせてモレソースをかけたロブスターテルミドールに目玉焼きを乗せ、トリュフパテとブランデーを追加した料理とスパム

    妻はスパムの入っていない食べ物を注文しようとしますが、女性従業員は悲鳴を上げて「スパムの入っていない食べ物をどうやって食べるのか?」と皮肉ります。我慢できなかった妻が「I DON'T LIKE SPAM!!!!」と悲鳴を上げました。結局、夫が妻の分のスパムを代わりに食べることにし、夫はスパム+スパム+スパム+スパム+ベイクドビーンズ+スパム+スパム+スパム+スパムを注文しますが、ちょうどベイクドビーンズが腐っていたため豆の代わりにスパムを受け取ることにして結局スパム+スパム+スパム+スパム+スパム+スパム+スパムという料理を食べることになります。それに妻の分のスパムまで!

    2分弱のスケッチコメディーにスパムという単語が、なんと132回も出てきます。食堂は夫婦が座る前には既にバイキング客でいっぱいでしたが、スパムという単語が繰り返される度にバイキングは「スパム~!!」とコーラスを連呼します。

    最近、送信されるスペムメールとかなり似ていませんか?

    モンティ・パイソンのスケッチコメディーが登場した背景を見れば理解しやすいでしょう。
    第2次世界大戦の期間中、イギリスでは肉類をはじめ食べ物が珍しかったです。イギリスの馬肉料理もこの時できたと言われます。唯一、たくさんあった食べ物がアメリカから渡ってきた缶詰のスパムでした。

    戦争が終わった後、英国人はスパムを見るのも嫌がっていましたが、適当な代案がありませんでした。イギリス政府が南アフリカ共和国から塩漬け魚を輸入したのですが、渡来中に見た目も味も悪くなってしまい、さらにスパムを食べるようになりました。

    そのためスパムという単語に「望んでもないのにたくさん入っている物」という意味が追加されたのです。

    味付けしたハムの普通名詞になってしまったスパムを作る会社は米国の食品会社ホーメル・フーズ(Hormel Foods)です。

    第1次世界大戦期間中、兵站将校として参戦した設立者の息子ジェイホーメルは、戦闘食糧の開発の必要性を感じ戦争が終わった後、研究の末、世界で初めて缶詰のハムを開発します。主力商品である太もものハムを作って残った肩肉など残りの部位を処理するのが悩みでした。小さな肉片はよく売れないし、だからといって捨てようとするともったいないし…、工夫の末に出たアイデアが余った肉を挽き調味料を加えるというものでした。こうして登場したのがSPAMです。

    商品が発売された時、名前はHormel Spices Hamでしたが、あまり人気がありませんでした。ホーメル・フーズ社は賞金をかけて製品名公募展を実施しましたが、ニューヨークで活動していた俳優ケネス・デイノー(Kenneth "Ken" Daigneau)が「Shoulder of Pork and Ham」を簡潔かつスマートに短縮した「SPAM」で優勝を獲得しました。

    ちなみに、ホーメル・フーズ社のスパム公式SNSアカウントは、たまにスパムアカウントとして申告されることがあります。スパムだから、スパムとして通報されるのが 当たり前だとも思います。会社側もただ褒め言葉だと認識しクールに受け止めているそうです。

    さて、日本ではスパムメールを「迷惑メール」と呼ぶそうです。
    韓国国立国語院もスパムメールを純化した言葉で「ゴミの手紙」を勧めていますが、あまり使われないため辞書の中でうずくまっています。