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ストレス・うつ病に「電子薬」をどうぞ…韓ワイブレイン社


    「電子薬(電気刺激パッチ)」開発企業の韓ワイブレイン(Ybrain)社は来年1月、米国で開かれる世界最大のテック展示会「CES 2022」で、ストレス電子薬「ポーラ(Pola)」で電気・医薬部門の革新賞を受賞する。テック分野の最も影響力のあるイベントで、電子薬が革新賞を受けるのは初めてだ。「ポーラ」は電気信号で交感神経を安定させてストレスを緩和する電子薬で、この製品がその年で最も革新的な製品にあげられた。

    ワイブレインのイ・ギウォン代表は最近、毎日経済新聞とのインタビューで「CES受賞は電子薬分野で意味深長な事件だったと見ている」とし、「私たちの製品をきっかけに、心のパッチという電子薬の大衆性が国際的な公認を受けたもの」だと強調した。続いて同氏は「先月17日(現地時間)、米ニューヨークのタイムズスクエアにポーラ製品を広報する電光掲示板広告を進めたこともその一環だった」とし、「ポーラの革新賞受賞は電子薬の需要が高い米国市場進出に、非常に肯定的な信号弾になるだろう」と語った。

    ポーラは微細な神経電気刺激技術を利用する。これによって90秒以内に心身を安定させ、筋肉の緩和、痛みの改善などに役立つと言われている。独自開発して特許を受けた電気刺激パッチを、額などに貼り付けて交感神経を安定化する方式だ。

    イ代表は「臨床では100デシベル以上のランダム騒音を聞かせて対照群と実験群に強いストレスを与えておき、実験群にポーラの神経刺激を加える臨床だった」とし、「実験群の場合は心拍数と心拍変化、皮膚の発汗などが顕著に減る結果が見られた」と語る。続いて同氏は「この製品の他にもうつ病電子薬マインドスティム、精神科診断システムマインドスキャンなどの自社製品がある」とし、「不眠症を治療できる医療用臨床も、盆唐ソウル大学病院で進行中」だと明らかにした。

    このうちでうつ病電子薬の「マインドスティム(MINDD STIM)」は、ワイブレインが市販に成功した国内初の電子薬だ。すでに今年の上半期に食品医薬品安全処から許可を受けて、去る10月からオンライン販売に入った。この製品は米国食品医薬品局(FDA)にも申請を行い、許可を待っている。イ代表は「電子薬は医療機器に分類され、オンラインとオフラインでの流通が容易だ」とし、「今後は大型マート、コンビニエンスストア、各種アプリなどでも買える」と語った。

    イ代表が特にうつ病電子薬に注目するのは、潜在市場がそれだけ大きいためだ。同氏は「ソウル大学病院で発表した論文によると、確実なうつ病患者は240万人で潜在患者が1000万人に達するが、ごく一部の100万人だけがまい年病院へ行くのが現実」だとし、「先進国に比べて精神健康サービスの利用率も半分の水準の20%序盤にとどまる状況で、うつ病電子薬のようなより大衆的な製品が一般化されなければならない」と語った。

    イ代表によるとマインドスティムは自宅で使うことができる、ほぼ唯一の非薬物うつ病治療法だ。うつ病患者の80%が6ヶ月以内に抗うつ薬の治療をやめる限界がある一方で、マインドスティムは精神科医が遠隔で患者を監視することで着実な自己治療を可能にする。同代表は「現在、国内の精神病院110カ所で処方電子薬としてマインドスティムを使用中であり、5カ所の国立精神病院のうちの3カ所がすでに当社の製品を導入している」と説明した。国立トラウマセンターも2017年から、パイロット事業と研究目的でマインドスティムをすでに導入している。

    ワイブレインはこのようなうつ病、不眠症、認知症、強迫障害、各種ストレス疾患などを治療する電子薬を、電子薬プラットフォーム「マインド(MINDD)」として統合している。イ代表は「継続して規模と範囲を広げ、来年には国内の精神と電子薬シェア30%達成も難しくない」と語る。続いて同氏は「来年上半期に損益分岐点を達成し、年収100億ウォンを超える」とし、「第1四半期に技術評価を受けて、夏に株式上場をすることが目標」だと話した。

    イ代表はカイストの「01学番(2001年度入学)」だ。新素材工学で学士・修士・博士の学位を受け、2013年に学内の同窓生と意気投合してワイブレイン社を創業した。
  • 毎日経済 | キム・シギュン記者 | 入力 2021-12-06 18:11:49