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40代、具光謨LG会長…LGグループのDNAを変革


    2018年6月。 40代の若い総帥が就任したLGグループに賭ける市場の期待は大きくなかった。突然の承継であるうえに、何よりも今のLGをつくった先代会長の影が大きかったからだ。

    いつのまにか就任5年目。具光謨(ク・グァンモ)会長が息を呑むように走ってきた時間のあいだ、LGグループは全上場会社の時価総額で初めて2位になり、主要系列会社の売上げと営業利益は「史上最高」行進を続けている。核心は事業部門の売却と成長事業に対する競争力の強化、まさに「選択と集中」だった。

    9日、国内株式市場でLGグループ上場会社の時価総額は241兆ウォンを記録した。ク・グァンモ会長が就任した2018年6月29日の93兆6千億ウォンと比べると、3年6ヶ月のあいだに企業価値を2倍以上も引き上げたわけだ。資産と売上げ、そして営業利益にも大きな変化があった。ク会長の就任後、資産は50兆ウォンに、売上げは30兆ウォンにそれぞれ増えた。核心系列会社のLG電子は史上初めて70兆ウォンの売上げを突破し、LGディスプレイは2年間の赤字を抜け出して、昨年は2兆ウォン以上の営業利益を上げた。 LG電子の実績に大きく影響を受けたLGイノテックは昨年、売上げ14兆9400億ウォンと営業利益1兆2600億ウォンを記録して独立部品会社の地位を高めた。

    ク・グァンモ会長は2019年ソウル市江西区の麻谷洞LGサイエンスパークで「何もせず、果敢に挑戦しないことが失敗」だと社員らに強調した。この言葉を実践するように、同市は着実に未来のための準備を次々と実行している。

    代表的なのがバッテリーとOLED(有機発光ダイオード)そして自動車電子装置(電装)に要約される三角軸だ。これを中心に競争力を強化し、非核心および不振事業を果敢に整備した。

    特に目立つのが具本茂(ク・ボンム)先代会長の情熱が込められた電気自動車用バッテリー事業だ。相つぐ工場建設でLGエネルギーソリューションの年間バッテリー生産可能規模は、電気自動車約160万台規模の1230GWhに達する。すでに世界最大の生産能力を確保したなかで、来年までに生産能力を2倍以上に拡大するという覚悟だ。このようなLGエネルギーソリューションに対する期待は、市場によく反映されている。先月のコスピ上場以後は国内株式市場で資金を集めるブラックホールになり、サムスン電子に続き時価総額で2位に一気に跳ね上がった。

    LG電子が率いる電装事業分野は、果敢な買収・合併(M&A)と合弁法人(JV)の設立が光を放っている。就任以後に相次ぐM&Aを基盤に、LG電子の電装事業はインフォテインメント(VS事業部)、パワートレイン(LGマグナ社)、インフォランプ(ZKW社)として確立された。電装事業の受注残高は60兆~70兆ウォンに達する。バッテリーはこれよりも2倍以上も多い150兆ウォン水準だ。

    LGグループの未来を導く最後の軸はOLEDだ。 2013年に大型OLED事業を開始して以来、LGディスプレイは多額の赤字を甘受して粘り強く投資を続けた分野が大型OLEDパネルだ。今はプレミアムテレビ市場でOLEDの大勢化が始まり、LGディスプレイの累積パネル出荷量は昨年に2千万台を超えた。京畿道の坡州工場と中国の広州工場のツートラック生産体制が定着し、今年は安定した利益をもたらすだろうと期待を集める。

    延世大経営学部のシン・ドンヨプ教授は「ク・グァンモ会長の就任前は上手くやれる分野で深く事業を追求したのがLGだったら、今は上手なことも捨て、うまくできないことは果敢なM&Aで自分のものにしている」と評価した。

    実際、ク会長の就任後にLGから離れた事業も多い。昨年4月に電撃的に行われた携帯電話事業の撤退が代表的だ。

    ク会長は就任後、「会長」という称号の代わりに「代表」で本人を呼んでもらうようにした。本人自ら垂直的な位階秩序の強いLGを、水平的組織にするために努力しているというのが内外での評価だ。人事でも昨年は132人の新任常務を大挙抜擢するなど、就任後で最大規模の人事を断行し、未来の経営候補群を手厚く持っている。外部人材の獲得も活発で、3M出身のシン・ハクチョル副会長をLG化学の首長に迎え、人工知能(AI)の碩学イ・ホンラク米ミシガン大学教授にLG AI研究院を任せた。

    シン・ドンヨプ教授は「ク会長は開放的なダイナミズムに基づいて、新しいLGのDNAを作っている」とし、「過去にLGは予測可能な企業であったとしたら、今は予測しにくいほど変化の幅を広げている」とした。
  • 毎日経済 | イ・スンフン記者 | 入力 2022-02-10 00:31:48