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ハンファ、資産11兆増えて韓進を抜き財界9位に

「M&Aの勝負師」キム・スンヨン復帰作…石油化学・防衛産業、一気に1位 

    △写真=ハンファはサムスンから石油化学・防衛産業の系列会社を買収することで資産規模が48兆ウォン台に増え、財界序列も9位になった。ソウル市の長橋洞、ハンファグループ本社ロビーの様子 [キム・ホヨン記者]

    ハンファグループはサムスンの防衛産業・石油化学の4社を同時に取得することで、両分野で一気に国内1位の企業として浮上することになった。あわせて、資産規模も従来の37兆ウォンから48兆ウォンに増やし、韓進グループ(資産規模39兆ウォン)を抜いて、財界序列10位から9位へ一段階上がることになった。防衛産業・石油化学分野は、実際に市場の版図をひっくり返すことができるメガビッグディールという点から、大きな爆風が予想される。

    ハンファグループはサムスンテックウィンとサムスンタレスを買収し、防衛部門の売上げ(2013年基準)が1兆ウォン規模から2兆6000ウォン台に増加することになる。今回の買収で、ハンファは火薬をはじめ、航空機エンジンと軍需兵器、ロボットなどに事業領域を広げることになった。

    ハンファの関係者は、「これまで防衛産業は弾薬やミサイルなどの兵器が中心だったが、いまや尖端技術力を備えたサムスン系列の防衛産業を買収することで、市場支配力をさらに強化し、新事業分野にも積極的に進出することができるだろう」と重視した。

    (株)ハンファは、サムスンテックウィンの映像処理と高精度制御技術、サムスンタレスのソフトウェア技術を確保することで、すぐにでも中・長期的に無人システムと高度なロボット事業分野にも進出すると予想される。また、サムスンテックウィンが保有していた韓国航空宇宙産業(KAI)の持分(10.0%)も確保し、航空機事業分野にも新たに進出できる機会をつかんだ。

    また、サムスン総合化学とサムスントータルの買収通じて、石油化学事業部門の売上げ規模も18兆ウォンに達し、この分野でも国内1位の座を確保することになった。ハンファグループが所有する化学子会社のハンファケミカルと麗川NCCに、今回買収したサムスン総合化学とサムスントータルの売上げを合わせると総18兆800億ウォン(昨年)だ。全体の売上げ規模はLG化学(23兆1430億ウォン)に及ばないものの、石油化学部門のみを分離して見るならば、LG化学(17兆5452億ウォン)よりも進んで一気に国内1位となったわけだ。

    今回の買収でハンファは、石油化学の基礎原料であるエチレンの生産規模が290万トンに増えることになり、ナフサの大量購入でコスト競争力を高めるなど、市場支配力を大幅に強化することになった。また、ナフサとコンデンセート、LPGなどの原材料のポートフォリオまで多様化する効果をあげることで、北米・中東などで活動している世界的な石油化学メジャーとも競争できる足場を構築した。

    • < 石油化学業界順位変動 / 防衛産業、財界順位変動 >

    財界と市場を驚かせた今回のビッグディールは、ハンファグループの金升淵(キム・スンヨン)会長が、特有の勝負師気質をいま一度見せた部分という点でも目を引く。ハンファグループの母胎である韓国火薬を設立した亡き父の金鍾喜(キム・ヂョンヒ)会長の跡をうけて1981年にグループを受け継いだキム・スンヨン会長は、節目ごとに果敢な買収・合併(M&A)を通じてグループを成長させる底力を見せた。


    ケミカル・バイオ・キューセル…節目ごとに手腕発揮

    今回、サムスン化学系列会社の買収主体となったハンファケミカルは、キム会長が就任直後の1982年、漢陽化学と韓国ダウケミカルを順次に買収して成長させた会社だ。ハンファの役員は、「当時、第2次オイルショックで世界的な化学景気が大きく萎縮した状況で、役員の反対を押し切って両社を買収した」と回顧した。

    これを契機に、1980年代初頭に7300億ウォン規模だったハンファグループの売上げは、1984年には2兆1500億ウォンと大きく成長し、ハンファケミカルはグループ内のキャッシュカウの役割を果たしている。

    2002年に買収した大韓生命(現ハンファ生命)も、ハンファグループの成長史に一線を画する決断事例として挙げられる。

    ハンファグループは、買収当時2兆3000億ウォンだった大韓生命の累積損失を6年めの2008年に完全解消し、年間利益を5000億ウォンにふくらませた。保険業界2位のハンファ生命は、現在のハンファグループ全体の売上げの半分近くを担っている。ハンファ生命は現在、保険業界で売上げと保険料収入、総資産の部門で2位を記録しているのもキム・スンヨン会長の安定した投資と支援を得ることになったからだ。

    最近の2012年には、当時、破産状態だった独キューセル(現ハンファキューセル)を買収し、太陽光発電事業への投資を本格化して注目を集めた。

    当時、世界的な太陽光発電事業は、欧州発の金融危機の後遺症で頂点をすぎて下落傾向にあったが、キム・スンヨン会長は未来成長動力を確保するために果敢な投資決定を下した。

    ハンファキューセルは、グループ内の太陽光発電事業関連会社であるハンファソーラーワンまで合わせて、グローバルな太陽光発電業界で3位に跳躍した状態だ。

    キム・スンヨン会長は節目ごとに大規模なM&Aを通じてグループを成長させてきたが、「勝者の呪い」を退ける優れた勝負師気質を発揮した。今回の化学・防衛産業の企業買収も、ハンファの主力事業であるという点から、資金圧迫やリスク要因よりは規模の経済を前面に出して、業界1位の地位を堅固に構築できる機会になるとの見通しがより優勢だ。
  • 毎日経済_チェ・スファン記者 / ユン・ジンホ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2014-11-26 17:34:50