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アジア地域のインフラ施設投資需要は一年で7300億ドル

    低成長の突破口を見つけられず苦戦中の国内大企業は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への加入によって、新たな成長勢を得ることができるかに関心を寄せている。建設・通信・交通などのインフラ関連企業はもちろんのこと、反射利益が予想される鉄鋼・化学・輸送など、韓国が伝統的に強勢を見せていた企業も、「70年代の中東開発ブームを凌駕する、新たな市場が開けるかもしれない」という期待感を隠さない。政府はAIIBで高い影響力を発揮できるように外交力を集中する一方で、各企業もプロジェクト発注国別の研究でとともに、先進調達基準に合わせたシステムを整える必要があるという指摘だ。

    アジア開発銀行(ADB)によると、アジア地域のインフラ施設への投資需要は、2020年までに一年で7300億ドル(約800兆ウォン)に達すると予想される。韓国がAIIBに加入することになると、世界最高水準の施工能力とビジネス経験を持つ各国内企業は、受注競争で有利な位置を占めるものと期待を集めている。アジア開発銀行が発足すれば、まだ開発が不足しているアジア地域のインフラ拡充に、大規模な資金を投資することになる。国別に社会間接資本施設の建設プロジェクトが進められる予定だ。

    韓国のシン・サムソプ海外建設協会アジア担当室長は、「アジアの主要開発途上国は、年間の国内総生産(GDP)の10%以上をインフラ構築に投入しているが、毎年5%以上は着実に経済が成長するだけに、投資規模もともに大きくなっている」とし、「 AIIBへの加入で、相対的に価格と技術面で競争力を備えた韓国の建設企業の立地は強まるだろう」と展望した。特にヨーロッパとアジアの60カ国をつなぐ中国の新シルクロードビジネスまでが本格化する場合、韓国の企業が参加できるビジネスチャンスは大きくなると予想される。英・独・仏などのヨーロッパ諸国がAIIB加入を宣言したことも、莫大なビジネスチャンスを得ることができるアジアのインフラ市場を先行獲得するという戦略の一環だ。

    すでにアジアのインフラ市場は、低い原油価格で弱勢を免れ得ない中東を代替する「ブルーオーシャン」として急浮上している。国土交通部によると、2009年は109億ドルだった国内企業のアジアインフラ工事受注額は、昨年は159億ドルに増えた。今年の第1四半期だけを見れば、アジアはすでに中東を抜いて、国内企業の最大の海外建設受注地域になった。中東諸国の受注額は、昨年の第1四半期に129億6000万ドルから今年は34億3000万ドルに、73.5%も減少した一方で、アジアは同期間に20億3000万ドルから42億2000万ドルに、2倍以上に増えた。特に韓国政府のAIIB登録は、これまでしっかりとした金融支援が行われていない、単純な請負レベルにとどまっていた国内建設会社の海外建設の工種を、高付加価値の投資開発事業に拡大する触媒の役割を果たすだろうという期待も出てくる。

    1966年に発足してAIIBと同様の機能を遂行してきたアジア開発銀行(ADB)の事例にもよく表れている。ADBによると、2013年にADBが発注した主要なインフラ工事で、韓国の建設会社が受注した量(売上げ高)は総4億6500万ドルに達した。AIIBができたならばADBと同様か、それ以上の建設工事量を発生させると予想されるため、韓国の海外建設の異なる特需が期待される。特にAIIBはADBとは異なり、経済性が多少疑われるインフラ工事にも果敢に投資すると予想され、建設・土木工事の市場規模はADBを上回るだろうという予想が支配的だ。

    • < アジアのインフラ市場規模 / 国内企業のアジアインフラ工事受注状況 / ADB発注工事韓国受注物量 >

    インフラ建設の過程で投入される鉄鋼・化学・材料や物流・運送会社も、反射利得をたっぷりと享受するものと見られる。特に、政府の莫大な公的援助を背にして、アジアのインフラ市場で比較優位を見せた日本企業を韓国企業が追い越せる契機になるという期待感も高まっている。

    アジアのインフラ市場の開発に有利な位置を占めたのは明らかだが、まだ越えなければなら山々は少なくない。

    まずAIIBが国内企業のプロジェクト受注に役立つためには、いったん韓国政府が最大限の高い持分率を得なければならない。世界銀行(WB)やADBなどの国際開発銀行は、大規模なプロジェクトの発注時に「理事会でプロジェクト決定→ホームページで公告→事務局で業者選定」の手順を踏む。政府関係者は、「業者の選定過程でどの業者が難点を得て選定されたのかは明らかにされない場合がほとんどだ」と明らかにした。事実上は、出資率の大きい国同士の「八百長」で決定する余地があるわけだ。ADBによると、1966年から2013年までに発注されたインフラ全体の量のうちで韓国が占めた分け前は5.34%で、韓国のADBの持分率(5.1%)と非常に似ている。

    また、各企業も国際機関の実践に適した入札・受注・工事能力を事前にチェックする必要がある。

    たとえば環境保護や児童搾取禁止などのセーフガード条項に合わない場合は、そもそも入札から排除される可能性が高い。

    中国企業との競争ときに、どのように差別化要素を備えるのかも考えなければならない。フォーチュンが選定した500大企業(昨年)に含まれる中国企業94社のうち50社の企業がインフラ関連企業であるほど、中国はこの分野で圧倒的な競争力を備えている。
  • 毎日経済_チェ・スファン記者/チョ・シヨン記者/ムン・ジウン記者/キム・テソン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-03-27 15:46:29