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17年ぶりに復活したサンヨン建設、キム・ソクチュン会長と全社員が投じた

    「よいことが多いはずなのに、若い歳で…」

    「嬉しい日なのに悲しみがより大きくて、人生は本当に皮肉ですね」

    去る26日の夜遅く、キム・ソクチュン双龍(サンヨン)建設会長(62)はソウル市内の病院の葬儀場を訪れた。この日は双龍建設が2013年12月以来、1年3ヶ月ぶりに企業再生手続き(法廷管理)を卒業し、「建設名家の再建」の足場を整えた日だ。キム会長にはかけがえのない嬉しい日だった。しかし、葬儀場で会ったキム会長の顔は明るくなかった。大切な社員を失った衝撃からだ。

    哀悼の言葉を終えたキム会長は社員と座を構えたが、特に言葉はなかった。ただ故人を回想して、焼酎を傾けるだけだった。ちょっと席を離れて外に出てきたキム会長に心情を尋ねた。キム会長は、「これから良いことがたくさんあるはずなのに、若い歳で苦労だけを重ねたが死んでしまうなんて...」と言葉を詰まらせた。明るい笑顔で、オフィスの活力源になった若い女性社員を思い出したのだ。キム会長の職員だったこの女性社員は、遠い異国のイラクで交通事故で亡くなった。キム会長の目には涙が浮かんでいた。キム会長のそばにいたサンヨン建設の従業員も、だれもかれもやる方なく、みんな涙をぬぐった。

    ▶ 会長は全財産を、従業員は退職金をさしだした

    キム会長の従業員に対する気配りは格別だ。キム会長は1983年にサンヨン建設の代表取締役に就任して以来、一年も欠かさず年末になると海外現場を訪れ、故郷に帰れない社員を激励した。法廷管理を申請した2013年の年末のみ唯一、海外現場への訪問を見送った。

    このようなことから、キム会長に対する従業員の信頼は「忠誠」と見ることができるほど篤い。会社が困難な時、キム会長は持っていた株式はもちろん、全財産を会社に注ぎ込んだ。最後には住んでいた家を担保に20億ウォンの融資受けて、有償増資にまで参加した。

    ▶「みんなたいへん苦労した」と気遣う会長

    このようなキム会長を信じて従うサンヨン建設の従業員は、会社を生き返らせるために自ら退職金をはたいて株式を購入した。これを見たキム会長がじっとしているはずがなかった。

    自分が保有していた債権団の持分24%に対する優先買取請求権を従業員に渡す決断を下した。キム会長は、「サンヨン建設の復活に、私と全社員がすべてを投じた」と、法廷管理の卒業所感を明らかにした。

    キム会長は、かつて財界順位5位の大グループのオーナーの座を退き、今は専門経営者として完全に変身した。この日の葬儀場で会ったサンヨン建設のある社員は、「キム会長の底力を信じているので、ついていくことができた」とし、「これまで苦労した甲斐がある」と感激していた。
  • 毎日経済_コ・ジェマン記者/イ・ヒョンジョン記者/写真=イ・チュンウ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-03-27 15:38:50