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推理小説を書く判事、「日本での出版が夢」

    すべての作家は希望する、読者が最後まで読んでくれることを。推理作家たちはあえて、ひとつをさらに夢見る。緻密な頭脳ゲームにて読者に勝つことを。

    欧米や日本に比べて、国内ジャンル文学界は道のりが長いことが事実だ。その中でド・ジンギ氏(47)は当然目に飛び込む作家だ。42歳で推理作家協会新人賞を受けてデビューしてから5年、長編7巻を生み出してファンダムを積み上げてきた。昨年には白白教事件をモチーフにした『ユダの星』で推理文学大賞を受賞した。彼が専業作家ではなく、現職の部長判事(仁川地法)という点を考慮すれば驚くべきことだ。

    「私が早く書くスタイルなのでそうなのだと思います。平日には当然出来ず、週末に追い立てて作業します。ゴルフも打たず、何を楽しみに暮らすのかと言われますが、小説を書くことが一番の喜びです。初期の1年はアイデアが溢れタイピングする速度がついてこないほどでした。判事としては職業病というものがありませんが、作家としては指と手首がしびれます」

    ド作家が注目を受ける理由がもうひとつある。「シャーロック・ホームズ」のような韓国型探偵キャラクターを構築したことだ。ド作家は「最初の2つの長編に登場した『暗闇の弁護士』コジンには法曹界の狼、自由な魂のイメージを、以降に誕生した『若い失業者探偵』ジングは緻密な推理力とユーモラスな面を溶け込ませようとしました」と笑った。

    今回出版された『家族の誕生』では作家の代表キャラクターであるコジンとジングが対面する。彼は「昨年、過分な愛を受けた『ユダの星』と下半期に出版される本格法廷推理物の間に書いた小物に近い」としながらも、「私だけが書くことが出来るアイデアが収められた作品なので愛着が強く、読者の反応が期待される」と話した。

    推理小説家と部長判事、作家の中の二つのキャラクターはどのように生きているのか?彼は「判事生活19年目だが、小説を書きながら『判事としての責任感』を削減した」と話した。

    2007年にすでに憲法裁判所に姦通罪違憲審判を提請したりもしたド作家は、「判事は社会システムの中から異常を実現できるという点ではとても重要な職業であり、作家は事件を扱う観点から見せてくれ、他の人々をよりしっかりと理解させてくれる有難い職業」だと笑った。

    7編の長編中『ユダの星』は映画化作業が進行中であり、『赤い家殺人事件』と『La Traviataの肖像』など4編は中国にも輸出された。けれど彼の目標は別にある。

    「作家としての夢は最初から現在まで『日本輸出』です。日本の読者たちに『韓国にもこんなミステリーがあるとは』という衝撃と感動を与えたい。それまで一生懸命書かないとね。」

    彼は「判事挑戦記」に75点を、「作家挑戦記」に76点をつけると言った。「営業秘密」である次の作品のアイデアを吐き出す彼を見ると、点数差がさらに開くかもしれないという考えが浮かんだ。
  • 毎日経済_シン・チャンオク記者/写真=イ・チュンウ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-03-29 20:28:35