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テレビ開発30年のサムスン電子副社長「SUHDは画質の王」

UHDより2.5倍鮮明、今年の戦略商品として勝負をかける 

    △ 写真 = サムスン電子VD事業部のハン・ジョンヒ開発室長副社長(左から2番目)をはじめとするサムスン電子のテレビ開発グループの幹部が一堂に集まった。左からソン・テヨン首席研究員、ハン・ジョンヒ室長、チェ・ウソプ首席研究員、コ・ヒョンイルシニア首席研究員、パク・ギスシニア首席研究員 [写真提供=サムスン電子]

    「SUHDテレビは、画質の最終的な王であり、テレビ進化は継続する」

    テレビの開発に30年近い人生を捧げたサムスン電子VD(ビデオディスプレイ)事業部のハン・ジョンヒ開発室長兼副社長の話だ。サムスン電子水原事業場のデジタルメディア研究所8階開発室で会ったハン副社長は、最近発売されたSUHDテレビを開発した主人公だ。

    SUHDテレビは、従来の超高画質(UHD)LCDの画面にナノクリスタル技術を適用して画質を向上させる回路設計と、色再現技術を追加して誕生したテレビだ。ナノクリスタルは、ナノサイズの微細粒子をシートに均一に分散させ、精巧に制御することにより、色、明るさ、コントラストなどを最適に表現する画質技術だ。

    ハン副社長は、「これまで、3Dからスマート、デザインまで、さまざまな差別化戦略を試みてみたが、それでもテレビの本質は画質」だとし、「画質は視聴者が見たまま、想像した通りに見えるかがカギだ」と説明した。SUHDテレビは、基本に戻った(BacktotheBasic)プレミアム製品ということだ。

    特にナノクリスタルは、SUHDテレビの画質を引き上げることに決定的な役割をした。ナノクリスタルは2002年当時、サムスン総合技術院で着手した源泉技術開発課題だった。しかし、2011年ナノクリスタル技術が適用されたディスプレイの開発が最終段階に達する時点で、素材として使用されたカドミウムが問題になった。サムスン電子とサムスン総合技術院は、カドミウムが含まれている技術を使うことはできないという決定を下して、再び数年の時間を注ぎ込んだ末に、ついにカドミウムのないナノクリスタルの実現に成功した。

    画質はどれほど明るくできるかが重要なため、SUHDテレビは従来のUHDテレビに比べて光の表現範囲も2.5倍高めた。これにより、まぶしい太陽や月の中のウサギ、夜空の星などを鮮明に表現できる。また、コンテンツを分析し、暗い部分の電力使用量を最小限に抑え、これを明るい部分を表現するのに活用することにより、映像をさらに明るく表現する。

    カラー表現の範囲も現存するテレビの中で最も広く、細かくて、正確だというのがハン副社長の説明だ。彼は「フルHD級になると遠くから見たとき画面の違いを感じないが、SUHDは実際に現場で見ているような画質を見せる」とし「サムスンは、画面だけを研究する従業員が160人に達するだけに、画質に命をかけた」と強調した。

    SUHDテレビ開発チームが重点を置いた部分の一つは、没入感のある画面の実現だ。映画は編集時に、最大で100ニット(nit)の明るさを基準に編集するため、一般のテレビで映画を見ると画質が落ちてしまう。

    ハン副社長と開発チームが、どのようにすればテレビでも映画館のように感じることができるかを悩んだ末に出した結論が、コンテンツだった。SUHDに最適化された映画コンテンツを作ることに決定し、フォックス社とともにSUHDテレビ用の映画リマスタリングを行った。

    SUHDテレビのリマスタリングエンジンは、プレミアムコンテンツだけでなく、一般の映像でもSUHDテレビの表現機能を100%活用できるように明るさや解像度などのコンテンツの特性を分析して、豊富な画質を提供する。特に、既存のテレビでは見ることができなかった光と色の領域を表現して、制作者が意図したところをそのまま視聴者に伝えることができる。

    実際、SUHDテレビ用に製作された 映画『ライフ・オブ・パイ』を視聴すると、蛍光の光を帯びる青色など、幻想的なカラー感がそのまま感じられる。ハン副社長は「テレビは視聴者が見て、聞いて、感じる総合芸術の媒体であり、核心は画質」しとて、「フォックスやネットフリックスなど、米国コンテンツ制作会社もSUHDの優れた画質に賛辞を送っている」と明らかにした。
  • 毎日経済_水原=チョン・スンファン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-04-05 17:58:31