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実験用サルの輸出に青信号「オリエントバイオ」

    △写真 = 1961年生まれ / 建国大応用数学科修士号 / 江原大獣医学博士 / 1991年バイオジェノミクス代表取締役 / 2003年オリエントバイオ代表取締役会長(現)

    「近いうちに実験用動物のサル輸出が可視化される見通しです。塗る育毛剤(OND-1)臨床第1相試験の進行も目前です」

    オリエントバイオのチャン・ジェジン会長(54)は、「20年以上にわたって手間をかけた作業がようやく日の目を見る」とし「今年、会社が本格的な成長軌道に進入するだろう」と語った。グローバル前臨床試験サービス(CRO)会社を夢見る彼の顔には自信があふれた。

    オリエントバイオは、実験動物の生産から研究開発(R&D)、前臨床試験サービスを提供する企業だ。特に実験動物の生産に強みを持っている。マウス、ラット、モルモット(以上、加平飼育センター)、ビーグル犬(井邑・陰城センター)、サル(カンボジア)など、げっ歯類から霊長類まで実験動物として使われる動物はすべて生産する。チャールズリバー、コーヴァンスなど、世界的な実験動物の会社から技術移転を受けた。韓国での国際遺伝子標準(IGS)に基づいて高品質の実験動物を生産する企業は、オリエントバイオが唯一だ。韓国内市場シェアは約70%。ただし、内需市場が全てであることから、売上高はまだ年間800億ウォンにとどまっている(連結業績基準)。

    しかし、今後、海外市場へ実験動物を輸出することになれば、話は違ってくる。サルなどの霊長類は、げっ歯類よりも価格帯が高いため、安定した需要先だけ確保できれば、会社のキャッシュカウ(Cash Cow)になりうる。すでに米国、日本などの先進国からラブコールを受けたと知られている。チャン・ジェジン会長は「昨年、厳しいことで有名な日本の検疫機関の審査を通過した。今年から、サルの輸出が可能になった」と述べた。

    オリエントバイオのもう一つの成長動力は育毛剤だ。チャン・ジェジン会長が数年間の研究の末に開発した新薬で、2011年に米国食品医薬品局(FDA)前臨床承認を受けた。人間に最も近い動物であるベニガオザルでの実験結果、ファイザーの脱毛治療剤「ロゲイン(ミノキシジル成分)」より発毛効果が優れていたというのがオリエントバイオ側の説明だ。この薬は、費用負担などの問題で臨床試験が遅れていたが、今年再推進される。食品医薬品安全処の臨床許可を受ければ、すぐに臨床第1相試験に入る計画だ。

    オリエントバイオは1991年にチャン・ジェジン会長が、夫人のチェ・スクジョ​​ンさんと一緒に作ったバイオジェノミクスが母胎だ。2003年チャン会長がギャラクシー(Galaxy)、シャガール(Chagal)などで有名な時計会社オリエント(Orient)を買収しながら、今の社名に変わった。チャン会長は、その後も買収合併(M&A)を継続的に行い、会社を14社まで膨らませた。現代・起亜自動車のパートナーであるオリエント精工、エスワンなどに電源供給装置を供給するオリエント電子などがすべて系列会社だ。全体の系列会社の売上高を合計すると1200億~1300億ウォンほどになる。

    オリエントグループと呼ばれるほど、規模を拡大したが、チャン会長は、いまだオリエントバイオの名刺を持ち歩いている。バイオを国家産業に育成するという初心を失わないためだ。

    「韓国から世界向けの新薬を出すには、グローバルなCRO会社が必要です。いつまで海外のCRO会社に依存するのですか。これからの韓国の製薬会社の海外進出を共にします」
  • キム・ホンジュ記者(dongan@mk.co.kr)/写真:リュ・ジュンヒ記者 毎経エコノミー第1802号 | 入力 2015-04-06 11:03:28