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[社説] 男性が注意すべき3つのもの

  • 昔、韓国で母親が男の子を育てるとき、三先に注意しなければならないと教えた。ここで言う男性が注意すべき3つの先とは、舌先、指先、そして○○先だ。賭博と淫行を遠ざけて、言葉に気をつけながら生きなければならないと、母親はしばしば大人になった子供にも鞭を打とうとした。

    3つの中で最も大きい「禍」をもたらすものは「舌先」だ。残りの2つの「先」は自分と家族に害を与えることで終わるが、「舌先」は突拍子もなく関係のない人まで地獄に落とす。言葉により一日の日課を始めて、口を閉ざしてこそ一日を終える人生を生きている政治家は、さらに「舌先」を取り締まらなくてはいけない。

    セヌリ党のある議員が辞意を表明した李完九(イ・ワング)前首相を庇護するために、朝鮮時代初期の政治家である黄喜(ファン・ヒ)政丞(朝鮮時代の大臣)について言及しながら、20万の長水 黄氏(チャンス・ファンし)の公憤を買った。セヌリ党の議員は、ラジオの対談番組で「朝鮮王朝実録を見ると、朝鮮時代の名宰相として仰ぎ慕われている黄喜政丞が、姦通をして、あらゆる不正請託と賄賂を受け取ることが多々あったが、世宗大王が黄喜政丞の過ちをすべて包み隠したため名宰相になった」とし、「ある人の人なりが、些細な過ちのようなものを覆い隠してでも大義のために政治的な決断を下すこともできるもの」と語った。

    彼の言葉が完全に間違っているわけではない。朝鮮王朝実録にも、黄喜政丞が舌禍によっててひどい目に遭う事件が記録されている。婿の悪行を隠ぺいするために、事件を操作した事実が発覚して、関わった官僚たちが(杖刑で)棍杖で打たれ、流刑に遭ったりもした。セヌリ党の議員が言及した姦通事件も朝鮮王朝実録に記載されてはいる。しかし、実録を編纂するとき、竹を割ったような学者として知られている成三問(ソン・サンムン)などが、この事件を否定して削除する方向で結論が出されたという記録もある。

    しかし、朝鮮時代の史官らは記録が間違っている事件でも、実録を直す前例を残す恐れがあるとし、削除しなかった。黄喜政丞の古史からくみ取るべき部分は、このような史官の態度だ。

    黄喜政丞は韓国の歴史においては数少ない、韓国人が尊敬する人物だ。このような人物が侮辱されるようにして、歴史の中の人物の光を消してしまう話を政治家が口にしてはならない。長水黄氏の大宗会が祖先を侮辱した政治家を座視しないと反発しているが、抗議訪問などの行動を自制することを願うばかりだ。

    「一言で千両の借金をも完済する」ということわざは誰もが知っている。千両の借金を返済するという言葉は、自分に有利な言葉を選んで、相手をだまそうとする舌先ばかりの甘い言葉ではないことは明らかだ。真心を込めた懺悔の言葉、自分の行跡を振り返ってみて熱い涙で行う謝罪の言葉が千両の借金をも完済するというものだ。

    21世紀の韓国で、政治家は最も信頼を得ることのできない集団に属している。そのような政治家に、法を作って国を治める役割を任せなければならない国民に、政治家は千両以上の借金を負っている。借金を返済する話をする熱い胸がなければ、むしろ黙言修行を始めることを望むばかりだ。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2015-04-26 00:00:00