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ようやく歩き始めた韓国のキダルト産業、成長性は無限

http://flurcollex.com 

    映画『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』で最も印象深かった場面を挙げるとすれば、ハルクとアイアンマンの「ハルクバスター」との対決だった。都市を焦土化しながら対決を繰り広げた2つの巨体は、スクリーンを引き裂きそうなアクションで観客を魅惑した。去る12日、本当に画面の外に飛び出したハルク・バスターに会った。

    「高さ3.3メートル、配送コストを合わせると5000万ウォンを遥かに超える。全世界に5つしかない限定版だ」。映画の中の姿をそのままに再現したハルク・バスターの前で、FLURCOLLEXのソン・ヒョクチン代表(36)が語る。

    ソン代表はソウル大学美術学部デザイン学科を卒業し、メディアアート作家として活動した後、2004年にメディアマーケティングベンチャーの「FLUR」を創業して注目を集めた。3人で始めた会社は数年にしてスタッフ90人、年間売上高150億ウォン規模に成長した。そんな彼が今度はFLURCOLLEX代表という肩書きで、「フィギュア事業」という新たな挑戦に乗り出す。

    「実写と変わらない再現と、アベンジャースなどのキャラクターで有名な香港のホットトイズ(HOTTOYS)のコレクタブルフィギュアから始めて、キダルト市場を攻略する」。

    ホットトイズは、マニアの間では「ラスボス」と言われるアクションフィギュアの製作会社だ。アイアンマン、バットマン、スーパーマンなどの有名映画のキャラクターのライセンスを取得して、実物のように洗練された、関節を自在に動かすことのできるフィギュアを作る。12インチモデルの場合、価格は20万ウォンから高いものは数百万ウォンに達する。ソン代表は昨年6月にホットトイズのホワード・チャン(Howard Chan)社長に数回会って説得し、おかげでFLURCOLLEXは韓国でホットトイズ製品の輸入と流通、アフターサービスなどの業務全般を統括することになった。

    ソン代表は、「先月から明洞をはじめとし、実物大のハルク・バスターと12インチの製品を巡回展示している。プロモーション目的だったが、現場で在庫切れになるほど売れた」と語った。子供の頃からおもちゃが好きで、今でもブロック玩具のレゴ(LEGO)を収集するというソン代表だが、事業に飛び込むことになった決定的な理由は、自分の好みではなく冷静な分析からだった。

    すでに定着した事業ではなくキダルト事業に挑戦した理由について尋ねると、彼は「企業間取引(B2B)モデルでは、成長に限界があった」とし、「国民所得と消費トレンドを見たときに、現在5000億ウォン水準の韓国キダルト市場は成長の可能性が十分にあると判断した」と答えた。 「アベンジャーズ2の公開に合わせてローンチを準備した。これから数年間、マーベルのスーパーヒーロー映画が公開される。消費者に広める機会が続くわけだ」

    「なぜキダルトなのか」という質問に続き、「なぜフィギュアのか」という質問を投げた。帰ってきた答えは「ワイ(Why)」ではなく「ワイ・ノット(Why not)フィギュア 」だった。彼は「マニアがいるのは顧客層が薄いという意味ではなく、しっかりとした需要があることを意味する」とし、「ディズニーのようにおもちゃ、映画、放送、テーマパークなど、様々な産業を引き込むことのできる機会が開かれている」と答えた。

    ソン代表は「少数のインターネットショッピングモールを介してフィギュアを輸入して販売している今の方法では、しっかりとした流通秩序を期待するのは難しい。透明な価格の策定、ブランド管理が必要だ」とし、「今後、フィギュア市場をマニアのカルト文化からコレクターの高級文化に変えてみたい」という抱負を明らかにした。そのために彼は清潭洞のフラッグショップのオープンとともに、高級ブランドとのコラボレーションも推進している。

    「フィギュア市場が大きくなって、しっかりとした産業として、文化として認められれば、韓国の才能のある創作者が活躍できる舞台が生じる。今は海外で作られたキャラクターで始めるが、韓国で産まれたキャラクターのフィギュアにも挑戦するつもりだ」。
  • 毎日経済 ホン・ソンユン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-05-26 19:51:14