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[I ♥ 建築] お茶と映画と恋愛

    『一人で恋愛中』というJTBCのバラエティ番組で、出演者は異口同音に自分のボーイフレンドが他の女性と二人きりでお茶を飲むことはできても、一緒に映画を観ることは許せないと話した。 確かにそうだ。なぜ、お茶は一緒に飲むことができるのに、映画はだめなのだろうか。

    筆者の学生時代の恋愛の定義は、以下の通りだった。会っている異性が恋人なのか、ただの友達なのかは、カフェに入ったとき、自分の隣の席に座るか、それとも向かいに座るかで決定された。お茶は飲んでもいいが、映画はだめだという理由がここにある。カフェでお茶を飲むということは、明るい場所で向かいあって座ることになる。テーブルを隔てて座るため、顔と顔の間は少なくとも1メートル以上離れることになる。お互いの臭いを嗅ぐことのできない距離だ。カフェの中のコーヒーの香りが相手の臭いを消したりもする。

    しかし、映画を見ると、同じ方向を見ながら体がより近くで接触することになる。映画館は隣の席とひじ掛けを共有するため、偶然のスキンシップも発生する。顔を向けて言葉を掛けるとなれば、顔が狭い場合は30センチメートル以内に入ってくる。お互いの臭いを嗅ぐことのできる距離だ。さらに、暗い。

    科学者の研究によれば、愛は臭いで始まるという。好きな人の臭いが鼻に入ると、脳下垂体と結合して特定の物質を作って、その物質を脳が必要な脳下垂体と錯覚するようになるというのだ。これが相手に会いたくなる化学的メカニズムだ。だから、本当に愛した相手の体臭は良くなるのだ。

    人の間には、見えないが黙認されている距離がある。例えば、親しい友達同士は50センチメートル程度の距離で話すことができるが、恋人ではない以上、二つの顔が30センチメートル以内に入るほど近くはならない。そのくらいになると、相手の臭いを嗅ぐことができる距離だからだ。

    エドワード・ホール(Edward Hall)によると、テーブルに座る時にも向き合って座る場合よりは、45度の位置に座るのがもっと近い関係だという。テーブルの角を間に挟んで座ると、足が触れたり、近い距離で顔を横から眺めることもできるからだ。誰かと近づきたいなら、いったん慎重にテーブルの角に座り始めよ。
  • 毎日経済_弘益大学建築学科ユ・ヒョンジュン教授 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-05-28 17:18:36